日本海に突き出す能登半島の小さな里山里海集落。石川県珠洲市真浦の過疎化の進む限界集落を未来志向の集落へと再生するプロジェクトが「現代集落」です。

それは単なる過疎化対策の施策や過去への回帰ではありません。わたしたちはここで「100年後の豊かな暮らし」を実験します。「行き過ぎた資本主義」や「都市への一極集中」とは別の選択肢を考え、未来志向の「都市生活のオルタナティブ(代替生活圏)」を目指していきます。

今回、その「現代集落」の新たな取り組みとして、日本海を見下ろすロケーションに放置されていた空き家をリノベーションし、日本海の絶景と能登の風土、そこに息づく文化、そしてこの地に触発されたアートを体験しながらステイできる「現代集落」の宿をつくります。

「100年後の真の豊かさとは何か?」

そんな問いに向き合える特別な宿を目指します。


新型コロナウィルス感染症パンデミックが世界を席巻するなか、珠洲市真浦集落で静かに始まりました。コロナ禍のなか、少し立ち止まって、自分たちの環境や都市・まちを見渡す時間ができたことがきっかけだったかも知れません。人間の文明や知恵といった人の営みの総体が都市・まちだとすると、いまの都市・まちに少なからず違和感と危機感を感じざるを得ない。度々繰り返す自然災害や人為的な二次災害、不可逆的なところまで踏み込んでしまった環境問題、あらゆるものごとが商品として消費されていく資本主義、幸せや充実感が実感できない社会や未来など、様々な課題がわたしたちのまわりには山積している。そんなことを考えさせられた数年間でした。

そんな時に、わたしたちは、珠洲市真浦の一軒の古民家の空き家に出会いました。一旦、都市・まちから離れて、この土地に自らの手でオルタナティブな未来を再構築すること。土地の風土が感じられ、近代以前の営みが残るこの場所で、より循環的な集落をつくる試みに挑戦してみたい。それが、現代集落におけるわたしたちのモチベーションです。


わたしたちは、「現代集落」代表者の林俊伍の声かけで、宿泊施設の運営者、建築家、ランドンドスケープデザイナー、起業支援に関わる人、大学で教鞭を執る先生、地元珠洲の個人など、珠洲、金沢、東京、他から現代集落の取組に賛同するメンバーの集合体です。「現代集落」では、様々なプロジェクトへの挑戦が始まっています。それは地域や環境の再生から、自律するエネルギーへの挑戦、里山集落の営みの承継、空き家や耕作放棄地の活用、循環する農業や食文化、文化・経済の最適化まで多岐にわたります。いまも参加メンバーを増やしながら、それぞれのメンバーが持つスキル、知識、知恵を持ち寄りながら、未来志向の現代集落の創造に取り組んでいます。


「現代集落」のこれまでの主な活動

2020年 活動拠点「アジト」となる古民家購入。Facebookページ公開、オンライン会員募集開始。一年目オンライン会員は約10名でスタート。

2021年 DIYリノベーション、自家発電装置の導入、農作放棄地の開墾など現代集落活動を開始。野菜などの自家栽培を開始するなどDIYで出来るコトに取り組み始める一方で、現代集落の未来のビジョンづくりに着手。オンライン会員は約30名に。

2022年 旅するクラスルームや各種フィールドワークなどを開始。未来のビジョンづくり「現代集落30年後のビジョンマップ」完成。現代集落week2022開催。オンライン会員は約50名に。

2023年 ieniwa事業開始。アジトでは、太陽熱温水器を設置。宿泊施設のリノベーション素材となる空き家購入。国土交通省令和5年度空き家対策モデル事業に採択され建築プロジェクトを開始。現代集落week2023開催。オンライン会員60名(2023年10月現在)。

今回のプロジェクトでは、「現代集落」メンバーの中から、空き家を活用再生した建築プロジェクトのメンバーが中心となって取り組むものです。




「現代集落」は、世界農業遺産に認定されている能登半島の最北端近く、石川県珠洲市の真浦という名の、慎ましくも愛らしい村にあります。

集落の目の前に広がるのは日本海。その先には水平線間際に七ツ島が望めます。集落の背後や左右には、奥能登の森林の繁みと岩壁と山々。それらに囲まれた陸の孤島の様な小さな集落が真浦です。ここには街の喧騒はありません。海があり、森があります。耕作地があり、ため池があります。鳥が踊る風があり、虫が戯れる陽光があり、魚が遊ぶ川水があります。水平線を朱色に染める夕陽があり、宝石のような星降る夜があります。数百年以上も前から変わらない風土と人の営みが残っています。それらは100年後にも残したいものたちです。

しかし、日本各地と同様に、この地でも人口減少による過疎化の問題を抱えています。漁業、農業、製塩といった地域産業、学校や地域の祭など地域文化など、長く続いてきた集落の営みが弱まってきています。それでも、圧倒的な魅力のある風土はここにあり続けます。だからこそ、わたしたちは、人の営みと自然や地球との関係を考えるには最適の場所だと考え、ここを「現代集落」創造の場所として選びました。


上:珠洲真浦の案内図

左:海岸線の道路もない終戦後1947年 
右:真浦港道路工事中の1986年(国土地理院ウェブサイト空中写真を拡大)

左:「能登めぐり」1861年(石川県立図書館所蔵)より真浦の図
右:「現代集落Visualiation Project 1st ver.2022」より30年後の現代集落ビジョン


絶景・アートの宿+土蔵風呂(サウナ付き風呂)+お試し商店(チャレンジショップ)を

一軒の古民家(アジトと呼んでいます)を拠点に、現代集落づくりがゆっくりと始まってきましたが、今年新たなご縁があって、アジトの裏山の空き家を購入しました。日本海を見下ろす絶景の敷地に建つ1軒の木造住宅と2軒の蔵で、これらをリノベーションして宿づくりのプロジェクトに取り組むことになりました。この地を訪れるより多くの人に、日本海の絶景と能登に息づく文化やアート、現代集落の取組を体験していただける宿にしたいと考えています。木造住宅は、二組が宿泊できる施設に、二軒の蔵は、それぞれサウナ付きの温浴施設、小さな店づくりにチャレンジできるチャレンジショップ施設へとリノベーションします。


絶景・アートの宿:古民家をリノベーション

空き家として放置されていた木造民家をリノベーションして、2組が宿泊できる宿をつくります。それぞれの1階には囲炉裏のある大広間やキッチンで、能登の食材を腕を振るうこともできます。外へ出ると大きなデッキがあり、絶景の夕陽を眺めながらBBQなどを楽しむこともできます。また宿の庭は、エディブルガーデンとなっており、食することができるハーブや果樹などを提供することもできるようにしたいと思います。2階の寝室からは、日本海の絶景が一望でき、夜には満天の星空がひろがります。


左:山本基さん(撮影:Toshiyo Suzuki)
右:「春を彩る美術工芸」金沢市立安江金箔工芸館/2023

左:「奥能登国際芸術祭 2020+」/2021(撮影:岡村喜知郎)
右:個展「時を纏う」旧森川家住宅 竹原市/2022

客室には、奥能登国際芸術祭にも参加し海外でも活躍の現代美術アーティスト山本基さんが、この宿の為に制作するオリジナル作品が展示されます。この建物は、時には地域住民にも利用いただけるコミュニティスペース、集落の座敷として開放することも考えています。

土蔵風呂(サウナ付き風呂):土蔵をリノベーション、その1

民家に付属する木造蔵は、二階建ての温浴施設となります。二つに区画されたサウナ付きの浴室からは、陽の沈む日本海や満天の星空を望むことができます。こちらも、地域の人達には小さな銭湯のように使って頂ける施設にしたいと考えています。

お試し商店:土蔵をリノベーション、その2

二棟目の付属木造蔵は、キッチン設備を備えたチャレンジショップとしてリノベーション。パン屋やカフェ、生活雑貨店、工芸ショップ、本屋、ギャラリーなど、里山里海の小商いに挑戦できる場所として、実験的に営業できるレンタルスペースになります。

今回は、この宿泊施設、温浴施設、チャレンジショップのリノベーション実現のためのご支援を募りたいと考えています。

※現代集落の未来(エネルギー、農業、森、ハーブ畑、まつり御膳、、)


【これまでの経過】

2023年3月    計画対象となる蔵つきの空き家を購入
2023年7月    国土交通省「令和5年度空き家対策モデル事業 ソフト・ハード一体型」に採択される。
2023年10月    KANAZAWA  SDGsフェスタに出展
2023年10月    日本商工会議所青年部 第43回全国大会加賀能登の國いしかわ小松大会 出展
2023年11月    クラウドファンディングスタート

【これからの予定】

2023年11月18日 現代集落企画展vol.1「現代集落未来シコウ」開催 (〜11月26日)
2023年12月 17日    クラウドファンディング終了
2024年2月  工事着工
2024年8月  工事完了
2024年8月    DIY工事・開業準備
2024年12月    宿泊営業許可取得
2025年3月    オープニングパーティー/営業開始
2025年3月    宿泊リターン提供開始


現地体験できるリターンとして、宿泊チケットや入浴チケットの予約販売、お試し商店出店権の他、1万円以上のご支援の全てにオープニングパーティーへのご招待権がついています。ぜひ現地で現代集落を体感してください!

※宿泊券のリターンでは、4名まで宿泊可能です(5名以上で宿泊をご希望の場合は、別途料金で相談可能)
※入浴券はサウナ付きとなる予定です


また、オンラインでご支援いただける場合は、現代集落で取れたお米や現代集落のオリジナルグッズ等の他、現代集落オンラインサロンへの年間参加権などを用意しています。


本プロジェクトの総事業費3,000万円のうち500万円を募集したいと考えています。
その内訳は以下の通りです。

リノベーション工事費:約370万円
手数料(17%+税):約85万円
リターン準備など:約45万円
合計:500万円

私たちが、本プロジェクトの宿泊施設づくりで実現したいことは、能登半島の過疎化する限界集落を、未来をシコウ(思考・志向・試行)する現代集落へと再生することです。それは、私たちだけでなく、都市や里山に暮らす人々にとって未来の豊かな暮らしの創造につながるに違いありません。

さらに、日本各地に点在する限界集落の再生のヒントになるのではないかと考えています。

そんなプロジェクトへ、皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします!

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