はじめに

栃木県足利市にある徳蔵寺です。私たちは「ピンポン寺」の愛称で知られています。

5年前檀家さんに寄贈された愛染堂の絵画をきっかけに今年度調査したところ、境内の愛染堂が1930年代に鮮やかな色彩で彩られていたことがわかりました。

愛染堂は、建立から230年が経過し、木部の劣化が著しくなっています。

現状のままでは 柱に彫られている貴重な地紋彫(じもんぼり)の形もわからなくなってしまいます。

お堂の維持も兼ねて彩色復興と木部修復を行いたいと考えています。

お堂の内部には、建立当初と思われる彩色も残されており、後世に残すべきお堂だと考えています。

愛染明王尊は足利市指定有形文化財となっておりますが、愛染堂は文化財に指定されていないため自治体からの補助金が出ません。

財源の確保が極めて困難となる為今回のクラウドファンディングでは、彩色復興と木部修復にかかる費用の一部を募集させていただきます。

ご支援のほど、よろしくお願いいたします。



徳蔵寺について



栃木県足利市にある天台宗の寺院、乾坤山 徳蔵寺の住職、源田晃澄(げんだ こうちょう)と申します。

この度は、このプロジェクトをご覧いただきありがとうございます。

この寺は、平安時代末頃に建てられました。

本堂には、鎌倉時代に作られた、一向三尊の阿弥陀如来像が安置されています。

この尊蔵は鎌倉時代の作で、木彫金箔、模様入りの稀にみる秀作です。

また、左側には、行基菩薩作の「子授け地蔵尊」が、

右側には、足利七福神の「三面出世大黒天、魚観音」が安置されています。

その他にも、「日本三大五百羅漢」「かな地蔵尊(医王菩薩)」「愛染明王尊」など、数々の重要文化財があります。

そのため、文化財の宝庫として知られ、観光名所となっています。




なぜピンポン寺と呼ばれているか



昭和51年(1976年)、核家族化や親子の断絶が進む中、当時の住職は、地域の人たちとの交流を深め、人間関係を良くしたいと考えました。

そこで、寺子屋のように、寺の境内にピンポン台を置いて、地域の人たちを招き、ピンポンを通して交流を深める活動を始めました。

この活動がマスコミに取り上げられたことがきっかけで、ピンポン寺と呼ばれるようになりました。

現在、毎年9月第1日曜日には、大会も開催しています。

大会では、ピンポン玉のように会話が弾み、人間形成につながることを願っています。



第一回目のプロジェクトでは 朽ちてしまった木鼻獅子彫刻を作り直し、彩色を施したい!

こちらは現存する木鼻獅子彫刻です
本来北側の獅子もこのような形でした


愛染堂北側にある 木鼻獅子彫刻は、虫食いや雨漏りの影響で腐敗が進み数年前に頭部が落下してしまいました。

調査のため木片を集めて組み合わせたところ内部は虫に食われて空洞になっており、水害の影響で腐敗している箇所が多くみられました。

そのため現在残っている木片を利用した修復は難しいため新しい木材で彫り直すことになりました。

また、調査の際に赤い塗料の下に金箔の痕跡があることが新たにわかりました。

そこで、生彩色*を施し 1939年当時の姿に復元します。

 *生彩色(いけざいしき)…金箔の上に彩色を施したもの



柱の地紋彫りです。柱の根元には錺金具を模した彫りがあり、当時の職人技を所々で見る事が出来ます。

1939年の絵画・痕跡調査 現時点での完成予想図

愛染堂の歴史 人々になぜ愛されたか
昭和55年の愛染堂

愛染堂(あいぜんどう)は1753年(宝暦3年)に建立されました。

古来より人間の「愛の浄化」を以って、多くの人々の悩みを救済し、駆け込み寺として地域の皆様に染色工業の技術開発及び商工業の興隆発展に顕著な功徳があると伝えられ、現に関東をはじめ各所から多数の信仰者が訪れその功徳利益に浴し感銘しております。

特にこの徳蔵寺の愛染明王尊は、足利はかつて染色の町にあって愛に染めるにかけて栄え、足利の染色工業の守り本尊としても多くの人に崇拝されてきました。

また縁結びの仏様として恋愛成就や人々の良縁を結ぶ功徳があり多くの信仰を集めてきました。

江戸時代に繁栄した*回漕問屋の檀家さんのご寄付により愛染堂は建てられたことがわかっています。
*かいせんどんやー室町時代から明治維新にかけて、河岸や港において廻船などの商船を対象に様々な業務を行った問屋

そして現在も悩み多き方や多種多様な方々の相談に応じ駆け込み寺になっております。

「困ったときには徳蔵寺」と地域の皆様に愛されております。


昭和の屋根修理(本来茅葺屋根でしたが雨漏りの被害のため現在の形となりました)の際書かれた趣意書には以下の文が残されています。

下記は当時の文書を読みやすくする為に書き起こしたものです。

一、愛染明王堂、現在のお堂は、茅葺屋根、木造、極彩色今より220年前西暦1753年(宝暦3年)完成。象頭や獅子の彫刻は当時の美術建築の代表的なものと伝えられる。
現在目視できる痕跡や塗膜調査・昭和の趣意書から過去数回塗り替え工事をされていることがわかりました。

愛染堂はカスリーン台風の際水害に合い根元が腐り、お堂の保護の為に切り落としを行う大掛かりな工事も体験しながらも、皆様のご協力で今日まで維持されてきたことが、お堂の様々な部分から伝わってきます。


建立当初は染物が盛んであった地ならではの、染料を多く使用した彩色が施され外部の退色は早かったのではないかと考えられており、耐久性も考慮した塗料を使用する必要があり、赤い塗料での修復が繰り返されている事などをふまえ、今回の修復は1939年の絵画の姿と現段階の塗膜調査を中心にして、今回の完成予想図を作成しました。

今後も引き続き専門家による調査・検討を進めていきます。




今後のスケジュール

2023年12月 第1回クラウドファンディング実施
2024年2月末 第1回クラウドファンディング終了
2024年3月 返礼品発送開始
2024年3月 木鼻彫刻(獅子)1対彫替開始
2024年12月 木鼻彫刻(獅子)1対彫替・彩色 完成

完成した木鼻彫刻はお堂の修復が完了次第取り付けを行います。


資金の使い道

第1目標 100万円

内訳:設計監理費 33万円 + 木鼻彫刻彫替彩色費用 約100万円 + リターン準備費用(送料込) 約30万円 + キャンプファイヤー利用料 17%

合計 約170万円 

上記合計の一部に充てさせていただきます。
*自己負担金を準備しており、目標金額に届かなかった場合でもこちらの工事は決行致します。

目標金額を超え、より多くのご支援をいただいた場合は第2目標の費用に充てさせていただきます。


〇目標総金額:約5000万円
資金使途
・設計監理費 33万円
・全体(木地修復費+外部彩色塗装費+外部塗料掻き落とし費用) *約4000万円
・仮設足場設営費 110万円~作業期間により変動します。
・リターン準備費用(送料込) 約30万円
・クラウドファンディング利用料 17%

*修復費用がなぜここまで高額になる理由といたしましては、地紋彫に塗られた旧塗装は手作業で紋様にそって掻き落とし、その後も木地を一ヶ所ずつ補修を行う必要がある為です。加えて今後復元作業を行う為には多くの人件費が必要となります。

皆様どうぞご理解の程、よろしくお願いいたします。

また、現在燃料費および材料費の高騰が続いており上記費用は変更となる可能性があります。


最後に


今後も皆様の拠り所として、より多くの方に親しんでいただくためにも愛染堂の補修・彩色工事を行い鮮やかになったお堂をより多くの方に見ていただき、地域の方々や観光客の皆様との繋がりを深め、地域を盛り上げていく為にもより価値のあるお寺を後世に残していきたいと考えています。

 昨今、コミュニケーションツールが発展する一方で人間関係や家族関係の希薄化が問題となっています。

 当寺では、その問題を解決したいと考え、ピンポン大会を通して人と人との心の触れ合いや家族の和合に注力して参りました。 

今後もこの活動を続ける中で、当時の姿を取り戻し彩色された愛染堂の元より多くの人々が集い、より多くの人々の幸せをお祈り出来る寺作りがしたいと考えております。 

 文化財の多い足利市をより盛り上げていく為にもどうか徳蔵寺 愛染堂の彩色復興にお力添えよろしくお願いいたします。



以下は徳蔵寺の活動を記事にしていただいたものを抜粋しました

毎月15日辻説法座禅会を行っております。詳しくはお問い合わせください。


今後も 一隅を照らす 誰も取り残さない社会を目指し、皆様の駆け込み寺でありたいと思います。

近くにお越しの際は是非 徳蔵寺 ピンポン寺 にお立寄り下さい。皆様のお越しをお待ちしております。


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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