■はじめまして

はじめまして。「地域を旅する大学 さとのば大学」を仲間と共に運営する社会起業家の信岡良亮と申します。

生きていくことがもっと自由になるために、学びのあり方をバージョンアップしたい。

そんなことを考えた結果、私達は新しい大学をつくるという挑戦をしています。

最近たくさんの高校生や大学生に触れ合う中でよくアンケートを取るのですが、
「日本の未来は明るいと思いますか?暗いと思いますか?」ときくと、ある高校では
「全会一致で、暗いとなりました」という回答が返ってきました。

そうだよなぁと思うと同時に、こんなにも未来を悲観的に見てしまうのはなぜだろうとも考えました。

高校生や大学生の多くの人にとって、「大人になる」ということは
端的に言ってしまうと
社畜になるか ニートになるか という選択肢に見えるのではないかと。

いま日本や世界の状況は「正解のわからない時代」と言われ、ビジネスや人々の暮らしは大きく変容を続けています。多くのものがデジタル化され、ChatGPTなど生成AIも発達。これまで当たり前に存在していた仕事や役割が、AIに取って代わられ始めています。

大人だって先行きがわからないという中で、若者たちが自分が楽しく社会で活躍しているイメージが湧かないというのは自然なことだとも思います。

そんな状況下で彼らにかけられる言葉は、

「大変な時代だからはやく備えて、はやく現実のしんどさに耐えれるようになったほうがいいよ」という言葉か

「もう誰も安全を保証してくれないんだから、自由に挑戦しまくるしかないよ」という言葉になる。

そこに僕らは第3の選択肢を創りたい。
「一緒に学んで、一緒に社会を楽しく変えよう」

社会を小さく変えていく力というのは
ちゃんと学べば、誰だって習得可能な力なんだと言いたい。

1000年以上前は 文字を書ける・読めるということが、
上流社会の特別な人だけが習得できるスキルという時代がありました。

でも学び方、学校のあり方が変わったとき、文字は誰もが当たり前に習熟可能なものになりました。

未来を自分たちで明るいものに変えていく力も
100年後には、誰もが当たり前に習熟する力になっている。

そんな未来が、そんな学びがある社会、それを僕は見てみたいのです。

■日本のあちこちで始まっている「新しい学びへの挑戦」を伝え、学びの進化を加速させたい!

僕たちは、2018年に「地域を旅する大学 さとのば大学」を立ち上げるためのクラウドファンディングを実施し、ありがたいことに1000万円を超える暖かいご支援を頂きました


その時の様子はこちらから

その後、さとのば大学を立ち上げ、現在は5年目に差し掛かっています。

さとのば大学とは、従来の教育・学びの在り方を見直した新しい形の大学です。新しい形、というのは、いわゆる文科省認可の「大学」ではない市民大学として、4年制の形を模索しているから。また大学には不可欠ともいえる特定のキャンパスを持たず、在校生たちは日本全国の地域に留学しながら、実際の社会のなかで行うプロジェクトを中心に、オンライン講義を組み合わせて学んでいきます。さとのば大学の学生が学びのフィールドとする地域留学先

こうした新しい学び方への共感が広がり、さとのば大学はこれまでに、先進的な探究学習や学びの形に取り組む高等学校22校との連携協定を締結いたしました。

また近年、このような従来の教育の在り方から1歩踏み出した新しいチャレンジは、さとのば大学だけではなく、全国各地の学校で始まっています。

「正解のない時代」を生きる、これからの子どもたちの未来を切り拓くこうしたムーブメントを伝え、多くの方に新しい学びに向かって進んでいく仲間に加わってほしい。

そんな思いから、本の出版に挑戦します。ぜひご支援をよろしくお願いします!

■地域を旅する大学 さとのば大学ってどんなところ?

それをお伝えする上で、まずは在校生の姿をお伝えしたいと思います。

「さとのば大学に通うこと自体が、自分にとっては“マイプロジェクト”だった。」

「転ぶのが怖くて、転ばないように生きてきたが、先日、初めて転んで驚いた。転んでも、そんなに痛くなかった。転ぶのが怖いと、『やりたい』と言えない。転んでも大丈夫だと思えて初めて、本当の想いを外に出せるようになった。」

「流されない。べき論に従うのではなく、自分で決めて、責任を取って、やっていくには、覚悟がいると知った。」

「さとのば大学に通って得たこと。生きていける自信。」

これらは、いずれもさとのば大学に入学し、それぞれの地域で1年を過ごした学生たちがこれまでの実践や学び、暮らしを振り返って発表してくれた言葉です。実施した内容や得た知識だけではなく、それによって自分の内面にどんな変化が起こっているのかを、全員が丁寧に言葉にしてくれていたのが印象的でした。

例えば高校まで住んでいた高知県を離れ、1年目を岐阜県の郡上市で、そして2年目を宮城県女川町で過ごしている明神光竜さんは、さとのば大学での学びをこんなふうに話してくれました。

さとのば大学で2年目の地域留学をしている明神光竜さん

「さとのば大学への入学は、持っていたものを振り捨てて身一つで地域に飛び込む、自分にとっては『冒険』でした。そして、地域のことを知りたくて実際に地域に出てみると、すべてが鏡のように自分に返ってくる。嫌でも自分に向き合い続けることになります。」

「さとのば大学の学びは、マイプロジェクトという自分の実践が軸になるため、特に最初は、何を学んでいるかわからない。答えを教えてくれない。その中で、少しずつ自分にできることが見えてきて、1年経つ頃には、自分だけは自分を信じよう、と思えるようになりました。1年目に得られたことを一言でいうならば、『自然体でいられる生き方』でしょうか。こんな1年を、今まで経験したことがない。」

さとのば大学 旅する大学コース(4年制)では7人の学生が学んでいます

地域という社会の中に身を置き、地域のサポートに見守られつつも自律した環境の中で、自分自身に向き合いながら自分のやりたいことを探っていく1年目。そしてそうした中から、地域にとって役に立ったり、必要だったり、求められることを自分なりに探究し、芽吹かせていきます。

その過程では、自分そして地域の仲間たちと共に、プロジェクトを小さく試しながら、少しずつ形にしていき、手ごたえを得ていきます。

自分らしくありながら、社会の一員として、チームとしての生き方を学んでいく。
さとのば大学はそんな実践の場になりつつあると思っています。

■なぜさとのば大学が、社会に必要なのか?

私達は今、学びのあり方を大きく3つに分けて捉えています。

ざっくりいうと、

「学び 1.0」は、講義型の学習に代表される、既存の知を学ぶことに最適化したインプット中心の学び。

「学び 2.0」は、探究学習や自己調整学習のように、個々の興味や状態をもとに自らデザインしていく学び。

「学び 3.0」は、個人の関心と他者との関係性を掛け合わせ、共創的なアウトプットを生み出していく学び。

これまでに蓄積されてきた知恵、既にこうすると効率的とか正解が見えているものを、ちゃんと自分の知識へと噛み砕く時間が「学び1.0」。基礎学力という点や、人と対話をするうえで共通概念やツールになる知識を獲得することは、とても大切です。ただそれは学びの一つの側面でしかなく、 「いわゆる教科書と向き合うお勉強的なもの=学び」と捉えてしまうと、これは強制的に多くの人と同時に競わされながら学ぶことが多いため、学びに対して、苦手意識や我慢してやるものというイメージを持ってしまう人が多くいるのは、もったいないとも思っています。

昨今この「学び1.0」に加えて学校でも増えてきているのが、「探究学習」に代表されるような、生徒が主体となって、自分の興味関心や状態をもとに学びをデザインしていく学び。これを我々は、「学び2.0」と呼んでいます。

そして我々がその先に創りたいと思い描いているのが、“個人の興味関心”と“他者との関係性”を掛け合わせ、共創的なアウトプットを生みだしていく学び。それが、共創学習という「学び3.0 」の世界です。共創学習という感覚がなぜ必要かといいますと、社会を実際に変えていくのは共創だから。と答えています。

たとえばサッカーというスポーツの中で、相手を抜くドリブルスキルや、難しいパスでもシュートを決めるスキルなど多くのスキルがありますが、重要なのはサッカーは個人スポーツではなくチームスポーツであるということです。

ディフェンダーとして試合に出ているのに、ゴール前でドリブルスキルを披露するのは得策ではありません。
キーパーにはシュート力はほとんどの場合求められません。
一人で全部が完璧になる必要もなければ、一人のスキルだけで試合に勝てるわけでもないのです。

そして冒頭でも書いたように「一緒に社会を楽しく変える」ために必要なのは
チームとして社会を変えていくスキルです。

未来創造というのはチームスポーツなのですが、わたしたちは学びの場で、チームをどう創って、どう運営していくか
仲間をどう巻き込んで、同じ未来のために学習し続けるチームへと変えていけるのか

そういうことを練習し、振り返り、チーム運営についてフィードバックをもらって試行錯誤に伴走してもらうという経験は、ぼほありません。

サッカーで個人練習として、ドリブルで人を抜く練習と、ディフェンダーとして人をとめる練習だけしかしたことがない人を集めてサッカーの試合をさせると、ほとんどサッカーチームとして機能しないでしょう。

逆に試合に出てみてこそ、「あ、ワントラップでシュートまでもっていかないとゴールに結びつかない」とか「ここさえ抜かれないようにしておけば、あっちで抜かれるのはOK」などがわかり、どんな攻撃練習、どんな守備練習が必要かのイメージが湧いてきます。

なので、学び3.0は、まずは実社会の中で、「社会を小さく変えてみる」という本番、試合をしてみよう
そしてそれを経た上で、学び1.0での知識習得や、学び2.0での自身の活かし方を考えるといったものが、本番でどういう意味を持っているのかを実感しながら習熟していける、そんなイメージを持っています。

チームで試合や練習試合をたくさんこなしていく学び3.0の時間を過ごしつつ、
そこで改めて必要性を感じる学び1.0や学び2.0とも行き来をする。

そうしてレベルアップした自分で、チームで、また試合に臨んでみる。
この不確実な時代に、個人で「わたしだけは、危険にさらされず安全で平穏な仕事につけますように」
という願いは、叶えることが難しいとも言えるし、自分だけが幸せになりたいのではなく、
社会がもっとだれにとっても優しいものになってほしいという願いは、人に元から備わっている
自然な願いなのだと僕は思っています。

だからこそ、楽しい未来をみんなと想像し、創造していくという練習を、習熟できる学びの場を社会に生み出していきたい。

そんな願いを共有していくためのツールとしてこの世界観を一つの本にまとめてみたいと思っています。

■歓迎すべき「学び3.0」ムーブメントの兆し

今回の書籍『学び3.0』には「さとのば大学」が生まれた背景やその概要だけでなく、共に新しい学びの在り方を模索している全国各地の仲間たちの取り組みも多数収録しています。

紹介事例(一例・予定)
ドルトン東京学園中等部・高等部
宮崎県立飯野高等学校
Co-Innovation University (仮称・2024年10月文科省申請予定)

正解のない時代を生きる若者を育てていくために、どういった視点が求められるのか。実際に新しいチャレンジに取り組む現場の声には、これからの教育にとってもヒントになる内容が詰まっています。

そんな動きを本にまとめ、大きなムーブメントとして伝えたい。そうすることで、仲間の輪が広がり、学びの進化が加速すると信じています。

教育や人材育成に携わる方々、現代の学校システムや学びの在り方に違和感を持っている保護者のみなさまにとっては、きっとこの一冊が価値ある内容になるはずです。

■書籍の一部を限定公開【11/29追記】

本の内容をお伝えすることで、共感の輪がもう一回り大きくなることを期待して現在制作中の『学び3.0』の一部を無料公開します。「なぜ、さとのば大学的な学びが求められるのか?」をテーマにした第6章より一部を抜粋しております。
ぜひご覧ください!
https://note.com/satonova/n/nf23d605ebbff


さとのば大学も年を追うごとに連携地域が増え、関わってくれる地域事務局のメンバーも拡大中

■現在の準備状況

11月1日現在、各所への取材を終え、原稿制作を進めています。
2024年2月には印刷し、3月には発売・発送できるようなスケジュールを想定しています。

【スケジュール】

11月~12月10日 クラウドファンディング期間
~12月 書籍執筆、編集
1~2月 発行に向けた手続き(校正、確認、印刷等)
3月頃   リターン発送

【調達した資金の用途】

合計180万円

(内訳)
・制作費:60万円
・デザイン費:35万円
・印刷費:60万円
・クラウドファンディング手数料:25万円

本はさとのば大学の想いに賛同してくださる連携校および連携地域への配布、主旨に共感頂ける教員の方々にもお届けするほか、書店での販売も予定。各地から新しい学びの輪を広げていきます。

※クラウドファンディング終了後、お礼やリターンについてのご案内はメールでのやり取りを想定しています。
「satonovainfo@satonova.org」の受信環境の確認をお願いいたします。

■最後に

ぜひこのプロジェクトの情報を多くの人に知っていただき、
新しい学びの創り手、そして学び手の輪が広がっていくことを目指していきたいと思います。

未来を創る子どもたちが、もっと自由に、楽しく生きていけるように

どうぞご支援の程、よろしくお願いします!


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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