▼ごあいさつ

皆さん、初めまして。信岡良亮といいます。数あるプロジェクトの中から見つけていただきありがとうございます!!

 


僕はこれまで、仲間とともに、都市と地域を結ぶ「学びの場」を作り続けてきました。
その中で、オンラインベースでの学びの場やプロジェクトベースの学びの場など、知見も蓄積されてきたこともあり、今回、いよいよその集大成となるようなプロジェクトを始めようと思います。

突然ですが、皆さんに質問です。
Q、変化が激しく、“正解”がますますわからなくなっていく時代において、自分の子どもに、次世代の若者に、どんな「学びの場」をつくってあげたいですか?

僕は、もし自分の子どもができたら、“大きな企業から雇用されることを正解とした大学”ではなく、自分なりの正解を見出して、変わり続けていくことができる人、
つまり「自分として生き、人と一緒にほしい未来をつくれる人」に育ってほしい。

そのために、僕は日本各地の仲間とともに、 “地域を旅する4年制の大学” を作ろうと思います。 

そこで今回、このプロジェクトに必要な費用と、プロジェクトを一緒に育ててくれる仲間を集めるために、クラウドファンディングに挑戦します!

まずは、プロジェクトの概要からスライドでご紹介します。
 

 

 このようなことを考えることになった経緯を、僕の人生を振り返りながら説明させてください。

 

大学卒業後、東京のITベンチャーに就職した僕は、まもなく1日中働くような生活が続きました。何のために働いているのかわからない中で、成長だけを求める長時間の労働に意味を見出せなくなり、出勤しようとすると満員電車に乗れないという状態になるまで、心とカラダのバランスが壊れてしまいました。そうなると、人って頑張れなくなるんだなぁと。「それぞれが懸命に働いていることで、ちゃんと未来が明るくなる実感が持てるような生き方ってないものだろうか?」そう思った僕は、関わる人の顔が見える”小さい経済”に次なる希望を見出します。そこで島根県にある海士町にIターンすることにしました。海士町から、「人にも地球にも優しい社会」をつくれるのではないか、そんなことを考えました。

 

  

海士町ではそこに住む人が当たり前のように「島のためにどうするか?」という話をしています。しかも、居酒屋で(笑) 都会では中々見たことがない光景でした。

またあるときイベントで、波多 美知子さんという方に海士町の料理を振る舞っていただいたことがありました。そのとき、準備した食材以外にも冷蔵庫の中にあるものも使い、テーブルいっぱいの料理を作ってくれたんです。あまりお金をお支払いできていないのに、どうしてこんなにたくさん?そんな疑問を抱いていたら、美知子さんは笑顔でこう伝えてくれました。


「あたしはこの島が本当に大好きでねえー、

この島のもので、みんなをもてなすことができるのが本当にうれしいのよ。」

 

<島のお母さんのような存在である 波多 美知子さん>

 

美知子さんのこの大きな愛情を目の当たりにして、それまで僕が考えていた、地域活性とかいう言葉が、とてもちっぽけに思えてきてしまったんです。地域を元気にしよう、じゃなくて、まずは島のことをとことん好きになってみよう、から始めることにしました。


思い返すと、それまでの僕は、どこか人のことを見下しているような感覚があったように思います。けれど海士町で美知子さんのような、純粋で温かい人に沢山出会い、他人や、ものごとに対して少しだけ優しくなれたような気がします。今では、海士町は僕にとって、自分に立ち返ることのできる ”港” のような存在です。都会育ちの僕が、海士という島に ”アイデンテティをおすそ分け” してもらったような感じだなと思います。

  

 

 

温かい島の人たちに応援してもらいながら、僕の海士での挑戦が少しずつ実りはじめてきたとき、東日本大震災が起きました。これまでのシステムの問題が露呈し、「いよいよ、大量生産の社会から、持続可能な社会に向けて、日本中が動き始めるぞ!」と予期する出来事でしたが、いつしかそれは虚しさに変わりました。

震災からしばらくすると、みな自分たちの暮らしを見直すよりも、ただ危機が過ぎ去ればいいという雰囲気が広がったからです。


どうしたら、「人にも地球にもやさしい社会」を日本で実現することができるのだろう? と、しばらくの間考え込んでしまいました。

 

海士町で海を見ながらしばらく考え込んでいたときに、ふと気がつきました。みんな、よりよい未来に向けて貢献したくても、どう動けばいいのか分からないだけなのではないか。そもそも僕には海士町という、安心して、自分として生きることができる場所があったから挑戦を続けることができたのであって、もしかすると、多くの人が欲しているのは、海士町のような「優しい、挑戦環境」なのかもしれない。それなら僕は海士町で頑張るだけではなく、他の地域と連携し、この「優しい、挑戦環境」自体を、多くの人に提供しようと考え始めました。そうして出来上がったのが、海士町を含む5つの地域と連携した学びの場『地域共創カレッジ』です。

 



<『地域共創カレッジ』の様子  photo by 灯台もと暮らし

『地域共創カレッジ』は、「地域で挑戦したい人」や、既に「挑戦しはじめている人」が、週に一回平日の夜にオンライン中心に集まり、地域のトップランナーの考え方を学んだり、互いの知見を共有する場です。カレッジには多くの有識者・地域のリーダーが惜しげもなく知見を提供してくれました。そして、場を設計する僕たちが、特に大切にしたのは ”自分自身と向き合う時間” です。自分のできないことや嫌な面を見ないフリするのではなく「これも私なんだ」と受け入れること。そうすることで受講生は初めて自分のやりたいことを素直に発話でき、誰かのやりたいことに対しても否定的にならずに、「いいね!」と応援することができるようになると考えたからです。

 一期生の長谷川雄生くんは、カレッジを通して自分のやりたいことに向けて踏み出しはじめた一人です。

カレッジで徳島県神山町を訪れたとき、長谷川くんは株式会社リレイション代表の祁答院智弘さんと出会い、背中を押してもらいました。神山の人も長谷川くんのやりたいことを面白がってくれ、舞台を整えたり、一緒に動いたりしてくれ、そうして実現したのが「神山五島ナイト」。そのときのことを長谷川くんはこう振り返ります。

 

<『神山五島ナイト』は長谷川くんの地元である五島列島の魚を神山で振舞おうというもの。>

 

    「カレッジ受講前の僕は、できない自分は他人から見てカッコ悪い。できる自分であらねば!と必死になってました。それはそれは生きるのがすごく辛かったです。カレッジでの学びを通じて、できない自分を認めてあげられるようになりました。そして、そんな心境で挑戦した『神山五島ナイト』は、間違いなく他人のモノサシではなく、自分のモノサシで生きていって良いんだって思える成功体験でした。ほんとに生きるのが楽になりました。

 カレッジという場は、仲間と地域とつながりながら、自分のモノサシをひたすら探す・磨く場だったと思います。」

 

 長谷川くんは今、五島列島にある小値賀島で宿を始めるために次なる一歩を踏み出しています。

長谷川くんのように、地域と触れて「自分として、生きる。」を始めた人たちは、僕にとっても非常に心強い仲間となりました。『さとのば大学』の構想を本格的に練りはじめた当初、僕は「自分が周りを巻き込むのだから、自分が全てリードしなきゃいけない」そんな緊張感がどこかにありました。そんなときに「信岡さん大変そうだから、手伝いますよ」とか、「こうしたほうがもっとワクワクします!」と伴走してくれたのが、カレッジの受講生だったんです。カレッジの1期、2期、、、と続いていく中で「自分として、生きている」彼らと一緒になって学びの場をつくっていけている安心感が生まれました。


正解がわからない時代に生きているなら、自分にとっての正解をともに探せばいい。「自分の子どもを入れたい!」と思えるような学びの場を、みんなで作ったらいい。僕はカレッジでの手ごたえをもとに、「自分として、生きる。」つまり”自分に根ざし”、”私たち”という感覚で未来を共創していく人を育てる場として『さとのば大学』をつくります。

 

 

地域と連携して「優しい、挑戦環境」の入り口部分を多くの人に届ける場所として、
『地域共創カレッジ』は着実に育ってきました。

次は、いよいよ「優しい、挑戦環境」を、より濃く提供する場所として、
『さとのば大学』をつくりたいと思います。

改めて、僕の海士町での経験を振り返ると、地域で暮らし、その土地のリアルと関わりながら挑戦していったことは本当に大切だったと思います。

・先人を敬い、孫の世代の未来を考える島の大人の背中から、長期的な時間軸を学び、

・海を恋人のように愛おしそうに話す漁師さんから、人以外の自然も含めた大きな家族観を学び、

・よそ者の僕にも、無償の愛情を注いでくれる島のおじい、おばあから、”帰りたい場所”をもらい、

・挑戦を表明すると、近所の人が簡単に軽トラを貸してくれたり、”挑戦の材料”が簡単に手に入り、

・挑戦したときに、利害関係者がみな顔の見える近さにいることで、”フィードバック”がすぐにあり、

・この人から学びたい!という人の暮らしのそばにいることで、”全人格的な学び”を得ることができました。

こんな、地域で暮らしたからこそ得られた学びの環境を、最高に贅沢な形で表現したのが、”地域を旅する、4年制大学” 『さとのば大学』です。

 

だからこそ、『さとのば大学』は、地域の学びを贅沢に得るために、

・たまに地域に訪れるのではなく、4年間で4つの地域に「暮らしながら」学び

・机の上で学ぶのではなく、地域の人と一緒にプロジェクトを「やってみて」学び

・講義をみんなで集まって学ぶのではなく、日本全国「好きな場所で」学び

・学びを与えられるのではなく、常に他地域の仲間と切磋琢磨し、大学側も含めて「変わり続けて」学ぶ

ことを大事にしています。

そんな『さとのば大学』のカリキュラムは、大きく分けて

①地球とのつながり、人とのつながりを実感する「暮らし時間」

②地域で自分なりに表現・挑戦してみる「プロジェクト時間」

 ③オンラインで、“考えかた” と “関わりかた” を学ぶ「講義じかん」

の3本柱で構成されています。例えば、「朝は、日の出とともに田んぼの草むしりをして、午前中は、少人数制のオンライン講座を受けて、午後は自分のプロジェクトを地域の人と共に動かし、夜は集落のお祭りの練習に参加する」ような、①暮らし・②プロジェクト・③講義の3種類の時間が混在するような、そんな学生生活を送ってもらえたらいいなと思っています。

こうした時間を通じて、愛情深い人・豊かな自然・土地の”過去”や”未来”などの”大きなものとのつながり” を感じて安心し、今までに出会ったことのない価値観に出会って刺激を受けて、挑戦し・転んで・起き上がってみることができる環境で学ぶことが、正解のわからない時代に「自分として生きて、人と一緒にほしい未来をつくれる人」が育つと思っています。

これが、僕が日本各地の仲間たちと一緒に、「自分のこども世代のために本気で考えた」学びの場の仮説、『さとのば大学』です。

 

▼クラウドファンディングで集めた資金はこんな用途に使わせていただきます

1.信岡が4年制大学開校に向けて、古今東西走り回るための交通費・交際費
2.協力してくれるパートナー企業・団体開拓のためのコミュニケーションツール開発費
3.コンテンツ開発&パイロットプログラムの運営費

こんなことから始めながら、2025年に、4年制大学として正式に開校するイメージをしています。

 

▼優しい挑戦環境を得た人が、次の挑戦の場をつくる。

僕は、海士町や、日本各地で挑戦する先輩たちの背中を見て、そして自分なりに挑戦させてもらったことで、多くの学びを得ることができました。そんな自分だからこそ、今度は自分が次の世代の学びの場を、考えうる限り最高の形でつくっていきたいと思っています。

日本中で、この「挑戦の場の循環」が起きたら、もっとワクワクする未来が待っていると確信しています。

 

『さとのば大学』では、都市か田舎かという二項対立ではなく、人が地域を行き来しながら、お互いの得意を伝えあうコミュニティが出来上がるといいなと思っています。対話を重ねながら互いが学び、与え合い、互いに変わっていく共創文化を、是非一緒に作っていきましょう。

温かい応援を、どうぞよろしくお願いいたします!

 

▼提携地域団体、続々決定中!!

地域共創カレッジで連携した実績から、岡山県西粟倉村、徳島県神山町、徳島県上勝町、宮城県女川町、島根県海士町などの様々な地域の団体が、さとのば大学設立に賛同してくださっており、実際に設立に向けて連携し始めています!

 

▼参考事例:世界最難関校「ミネルバ大学」

さとのば大学構想は、世界最難関校「ミネルバ大学」で、実際に行われているカリキュラムを参考にしながら、日本の地域をまわるからこその学びのありかたを考えています。

 

 

▼応援メッセージを頂きました!

 

 

 

7年前の秋、島根県・海士町でのこと。宿泊先の旅館で、信岡良亮さんと夜遅くまで話し合ったのは、「未来をどうつくるか」。

あのとき、信岡さんの考えるこれからの社会論について、ひたすらうなずいていたのをいま思い出しましたが、2018年の「社会気分」は、誰もが自分の暮らしや未来をつくり、変えていける確信と手応えが、静かに透明な水のようににじみ出し、広がっている。信岡さんとアスノオトはその預言者であり、頼もしい実践者なのです。

同じ未来なら、楽しくて、おもしろくって、前向きなほうを選びたい。地域から複眼的思考を学び、そんな未来をつくる、この『さとのば大学』のプロジェクトを強く応援しています。

 

『ソトコト』編集長

指出一正

 

 

 

今回、大学を作る話を聞いたとき、ただただワクワクした。
地域がキャンパスになって、地域を移動しながら学ぶことのできる大学って新しいし、学びが深いと思う。
地方には「手触り感」のある社会がある。
都会とは違い、行政も民間も非営利も住民一人一人も、みんなが集合体になって社会を形成している姿がまじまじと見える。そして、小さな地域社会も日本社会もあり方や課題は変わらないことに気がつくだろう。

地域社会に飛び込んで、これからの社会あり方や社会課題を知り、そこから地方社会から日本社会、そして世界のあり方を考える場。
そんな学びができる大学が日本にできることは素晴らしいと思うし、心から応援したいと思います。

 

NPO法人アスヘノキボウ

小松洋介

 

 

 

地域共創カレッジという学びの場に参加しました。学びの場という割には、あまり教えられたという実感がないのです。あるのは経験豊富なメンターに実践知を分けていただき、寄り添ってもらいながら自分も知らない自分自身を探ったような感覚。
こんな感覚がさらに解像度を上げ、共感しあえる仲間と出会い、一緒に冒険をする。そんな学びの場がさとのば大学となるのでしょう。このプロジェクトが個性を大切にしながら、あらゆる属性とのつながり、交わり、成長を生むことに期待を込めてこのプロジェクトを応援します。

 

地域共創カレッジ 1期卒業生

白須 靖之

  • 2018/08/27 22:44

    すごい。。。僕自身7割くらい諦めていたのですが、半分折れた心を抱えてピッチに立ち続けるみたいな8月でした。 明日、17時からこの結果を受けて、ずっと伴走してくれていたスタッフと一緒に、 ライブ配信します。(飛び入りで繋いでくれる人とかいいかも。) みなさん、本当にありがとうございます。 ...

  • 2018/08/27 18:19

    さとのば大学設立準備プロジェクト、残り6時間きりました。 さとのば大学への想いを綴りましたので、よろしければご覧ください。   ”社会や未来との関わり方が、「個人の英雄的な能力に期待する個人戦」を鍛える教育システムから「凹凸いっぱいな人間があつまって、それでも未来を共に作ろうとするチーム...

  • 2018/08/27 15:52

    いよいよ残り9時間となりました。 皆さまのご支援のおかげでここまでくることができ、本当にありがたく思っていると同時に、最後まであきらめずに走り切りたいと思っています。   そのために品薄になっていたリターンを新たに10,000円、30,000円追加いたしました。 ▶【10,000円 C...

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