目次

1.海外でぶっつけ会話!500万部突破のシリーズ旅行書籍
2.機械翻訳というテクノロジーとの住み分け
3.読者とファンブックをつくり新たな指差しの形を探りたい
4.コアなファンからビギナーまで満足いただけるリターン
5.プロジェクトメンバー(ファンブック制作陣)
6.指さしファンの皆さまからの応援コメント
7.最後に、創刊編集長・細川より


はじめまして。株式会社ゆびさしの編集者、細川生朗(ほそかわ・せいろう)です。

指さし会話帳はもともと、1998年にタイ、インドネシア、香港の3カ国・地域で作られた『旅の指さし会話帳』がはじまりです。それから25年間、現地の会話のプロである約100名の著者の方たちと、約82カ国・地域、約150タイトルを世に送り出してきました。

これまで出版してきた本の一部がこちら

本の仕組みはシンプルです。

「旅の指さし会話帳 タイ」のあいさつのページです日本語と外国語が並べて書いてあり、本を見ながら言葉を指差して話すことで、海外の旅先でぶっつけ本番で会話ができる!というもの。

言葉は、組み合わせて使うこともできます。語学の知識がなくても会話できる仕組みがご好評いただき、リピート買いをしてくださっている読者の方がたくさんいます。 

海外旅行以外の場面でもお役に立てています!日本での生活・食文化・ビジネスなどのサブシリーズも媒体も豊富! 


このように、みなさまに支えられながら、25周年を迎えられた指さし会話帳。しかし、実は今、過去最大の"ピンチ"を迎えていま


25年前、著者に企画提案したときのFAX


指さし会話帳の売れ行きに最も勢いがあったのが2005年から2010年頃。海外旅行需要が高まって、現地の方と話す楽しみを感じられた方がたくさんいらっしゃいました。


語学の知識がなくても会話ができる。


これが指さし会話帳の最大のポイントでしたが、今や「スマホ(機械翻訳)があれば会話ができる」時代です。創刊当時、そんな時代が来るとは到底考えられませんでした。


指さし会話帳は、もうなくなってもよいのかも…。


正直に書くと、そんな思いが脳裏をよぎったこともありました。

海外旅行が再開して旅行者でにぎわう空港

しかし、コロナ禍が収束に向かい、海外旅行の再開とともにシリーズの売り上げは回復しています。「スマホもあるけど、やっぱり指さし会話帳で会話を楽しみたい」…ピーク時ほどでなくとも、そんな方が手に取ってくれているのだと思います。


指さし会話帳の面白さは、楽しいハプニングがあることです。


私自身の話ですが、ドイツのレストランで料理のページを開いて「アスパラが食べたい」と指さすと、「いやいや、それはシーズンが終わってるから絶対キノコがいい。すごく美味しいから」みたいな会話になる。指さし会話帳を使うと、そんなことが頻繁に起こります。

「旅の指さし会話帳 ドイツ」の料理のページ

スマホなどで瞬時に翻訳できることは、便利です。意思疎通がすぐにできる。素晴らしい発明です。しかし、紙でできた本だからこそ、その場にいる人たちで気軽にページをめくって、「これこれ!」と指差したり、笑いが起こったり、ときに会話がわき道にそれたりする

コミュニケーションにゆとりが生まれ、それが旅の思い出に変わります。こういった楽しさを、読者の皆さんのほうが、よくご存知なのかもしれません。

指さし会話帳を持っていると、『あなたと交流したい』という気持ちが伝わる」という声を寄せてくれた読者の方もいました。誰もがスマホで翻訳できる時代になったからこそ、わざわざ会話のためのツールを持つことに価値が生まれたのかもしれません。また、「自分自身が相手の言語を話す」ということにも大きな意味があると思います。

そんな指さし会話帳を手掛ける著者の皆さんも、ただ者ではありません。

単純に、語学が優れていればOKとはいかない。旅先で会話が盛り上がる仕掛けをふんだんに盛り込むため、現地のサブカルチャーなどの造詣に深い猛者ばかり。ときには候補者の方に「初めてその国に行く日本人にひとつだけ言葉を教えるなら何か」という質問を投げかけ、いかにおもしろい答えが返ってくるかで著者を決めたこともありました。

企画立ち上げ時の著者とのやりとり

まったく白紙からのスタートでしたが、読者の皆さんに支えられて四半世紀。かつて、「『地球の歩き方』みたいに、ズラっと並ぶシリーズになったらいいよね!」と内輪で冗談で話していたことが、本当になりました。

本棚にあるものを集めてみましたが、全シリーズの半分以下です!

しかし、その四半世紀で読者の皆さんの声を十分に聞いてこれたかというと、そこまで手が回らなかったのが実情です。創刊時はアラサーだった著者や編集者も50代になり、語学書の中では異端だったシリーズが学習用に使われることも増えました。


スマホで翻訳できる時代に、指さし会話帳はどこへ向かえばいいのか?


指さし会話帳が届けてきたコミュニケーションのきっかけを、今後も世の中に届け続けるには、このままでよいのか?会話帳の中身を変えるのか?違う形を探るのか。そこで私たちは、「指さし会話帳には、翻訳アプリにはない、自分たちも気づいていない魅力がもっとあるのではないか?読者の声を、もっと、聞きたい、集めたい」。そう考えました。


そんな話の先に行き着いたのが、ファンブック制作のクラウドファンディングです


指さし会話帳の価値は、読者がよく知っている。だったら、感謝を込めて、皆さんと一緒に25年間を振り返りたい。

だからこそ今回、ご支援いただいた方にはぜひ、ファンブックづくりに関わってもらいたいと思っています。読者のエピソード募集を呼びかけたり、あるいは企画案そのものを募集したり、もしかすると座談会にご参加いただいたりするかもしれません。もちろん「忙しくて企画には参加できないけど、応援している」というお声も大歓迎です! 

ファンブックには、「ファンに向けてつくる」というより、「ファンと一緒につくる」という意味を込めました。 それが完成する頃、指さし会話帳が持つ価値が見えて、新しい時代に私たちにできることが見えているはず。

その上で、みなさんにファンブックの方向性をお伝えする意味で、今はこのような企画を考えています。

ファンブックの仕様は、下記を予定しています。

ファンブックの仕様は、下記を予定しています。

今回の挑戦を通していただいたお金は、下記の用途に充てられます(目標金額に達成しないとお金が支払われないAll or Nothing形式となります)。

私たちにとって、最初で最後のクラウドファンディングになるかもしれません。だからこそ、この機会にぜひ、これまで指さし会話帳を手にとって読んでいただいたみなさんとつながらせてください。

そこで、ご支援へのリターンには、私たちだからこそお届けできるものをご用意しました!


指さし会話帳を、創刊して間もない頃から知るコアな読者の方も、今回クラウドファンディングをきっかけに知ったという方も、海外旅行や文化は好きなはず。そこで20種以上のリターンをご用意、きっとあなたの好みに合うものが見つかるはずです。

個々のリターンの詳細は、スマホだと本文のあと、パソコンだと右側をご覧ください。

※ファンブックへのお名前掲載は、ニックネームや匿名も可能です。
※お名前と好きな国・地域は、ご支援いただく際に「備考」欄でご入力ください。


そして、コラボリターンも!

今回、世界の料理をレトルトで製造・販売されている、世界のごちそう博物館」さんとのコラボが実現!なんと、代表の本山尚義さんも指さし会話帳を7冊も持っているとか(感謝…!)。3つの国を視覚(本)と味覚(料理)で堪能できる、これまでありそうでなかった!?内容になっています。


50種類以上のごちそうから何が届くかはお楽しみに!

世界のごちそう博物館・代表の本山尚義さん


今回のプロジェクトチームには、株式会社ゆびさしのメンバーもいれば、社外メンバーもいます。いずれも指さし会話帳と深い縁があった仲間たちです。

(左から)細川・田村・佐藤・ネルソン

細川生朗(指さし会話帳・創刊編集者)
1991年に新卒で入社、指さし会話帳の編集を企画の立ち上げ時点から担当。今も増刷の際に、著者さんたちと連絡を取り合って、細かい部分の更新作業をしています。現在はフリーランスとして、他社の仕事も行っています。

田村隆宗(株式会社ゆびさし・代表取締役)
前身の情報センター出版局に2010年に入社後、業務に従事。2021年に新会社としてゆびさしを立ち上げ、事業を承継しました。旅の指さし会話帳を中心とした書籍・アプリ販売、インバウンド対応の指さし会話制作やセミナー事業を行っています。

佐藤暁子(編集者)
2003年に情報センター出版局に入社、指さし会話帳シリーズや単行本の編集に携わってきました。指さし会話帳では、雲南、チベット、イラン、南インドなどを担当。現在はフリーランスとして、単行本、ムック、ウェブなどの編集を行っています。

ネルソン水嶋(編集者、ディレクター)
2011~2019年にベトナムでブロガー・ライターとして活動。2017年に世界各地のライターによる現地情報を集めたウェブマガジンを創刊し、指さし会話帳と関わるように。ブログ企画でドリアンの皮を着たことで、たまにドリアン水嶋と間違えられる。


この他に、指さし会話帳の著者・イラストレーターの皆さん、株式会社ゆびさし(旧・情報センター出版局)ゆかりの皆さん、いろいろな立場から指さし会話帳に関わってくださった多くの方達のご協力を得て、今回のプロジェクトは進行しています。


指さし会話帳を使ったことのある方から、クラファンへの応援コメントをいただきました!今回のことをきっかけに読者だということが分かった方もおられます。ありがとうございます!


信田敏宏さん(国立民族学博物館・教授)
『 指さし会話帳を使うと、言葉だけではなく、それぞれの国の文化や人々の生活の様子もよくわかります。最近はスマホの翻訳アプリを使う人が増えていますが、この本を見せながら現地の人と会話すると楽しいですよ。ページを開くと、一度にたくさんの情報を共有でき、イラストも満載なので、会話のきっかけになります。 』


本山尚義さん(世界のごちそう博物館・代表)
『 指さし会話帳に出会ったのは、30か国をめぐり現地の方に料理を習う旅を終えて帰ってからでした。「これ、料理修行の時にあったらよかったのに!!」と興奮したのを覚えています。私にとって、旅の醍醐味はまさに人とのふれあい。相手の事を知りたい!自分の事を話したい!指さし会話帳はそんな欲求を満たし、異国の文化や習慣も理解する手助けとなりました! 』


ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

指さし会話帳のそもそもの発端は、『ベトナム・センチメンタル』というガイドブックに掲載した、2ページ分のベトナム語です。ガイドブック取材時に使った言葉などから構成し、「明日、市場に行きたい」「タクシーで空港までいくら?」といった内容を話すことができました。

そこから書籍化されることになり、指さし会話帳ができて25年。機械翻訳がこんなふうに普及することは予想外でしたが、今も増刷のたびに、更新箇所を検討しつづけられることをありがたく思っています。一つの商品シリーズが、これほど長く支持を得るのは奇跡です。

機械翻訳が普及して、指さし会話帳はこのまま続けられるのか、あるいは違った形で価値を提供するのか、正直わかりません。指さし会話帳は、私たちが世に送り出しましたが、その想定を超えることが多すぎて、今後の予想がつかないからです。

ぜひ、今回のプロジェクトにご支援いただき、私たちといっしょに、指さし会話帳と、異文化コミュニケーションの未来について考えていただければと思います。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


指さし会話帳 創刊編集長
細川生朗(ほそかわ・せいろう)

  • 2024/04/18 10:33

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