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「描きたい」「守りたい」

妄想で終わらせないための挑戦です。

はじめまして。

このページを開いてくださり、興味を持っていただきありがとうございます。

マングローブに魅せられ、追いかけていたら、ついにフィジーまで来てしまった、井上和奏(いのうえわかな)です。

私は、中学3年生の時、海面上昇により沈みゆく太平洋島嶼国の映像に出会いました。その時、ただただ「やるせない」「申し訳ない」という感情に襲われました。でもそんな暗い気持ちに光を灯してくれたのが、、、、

マングローブでした。

マングローブは、海水と淡水が混ざる汽水域という場で生育し、繁茂する植物群の総称です。海水でも成長できるため特有の塩分排出機能を備えています。いくつか持っている塩分排出機能の中でも、根から吸収した海水の塩分を葉に貯蔵し、塩分限界濃度を超えると、葉は黄色に変色し、落葉させるという特性は顕著です。落葉した葉は土壌形成へと循環してゆきます。

そして、何よりもマングローブは特徴的な呼吸根を持っています。

この根は、海面上昇による護岸侵食の緩和策及び適応策として重要な役割を果たします。

2004年12月インドネシアで発生したスマトラ島沖地震において、マングローブ林が広がる地域では、津波の被害から人々を守りました。

つまりマングローブは、防波堤、防風林(グリーンインフラ)となります。

近年、この可能性に注目が高まり、海面上昇が著しく進行している太平洋島嶼国を中心に、マングローブ植林活動が積極的に行われています。

また、マングローブ林は高い炭素貯蔵能力を持っていたり、微生物や魚介類、鳥類、哺乳類など多様な生物の生息地として独自の生態系を育んでいます。とても可能性溢れる資源なのです。

本企画は、このようにマングローブの虜になった私が、

マングローブに新たな風を吹かせます。

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既存のマングローブ植林活動の多くは、企業やNGOの社会貢献活動の一環として行われています。

これは外部環境に依存し、マングローブ植林活動が行われていることを示しています。つまり、外部環境からの支援が途絶えてしまえば、マングローブ植林活動は途絶えてしまうことが予想されます。一方通行の仕組みです。

一部の地域では、マングローブをしたとしても、燃料として利用するために伐採されてしまう現状があります。

なぜ、マングローブを植林する必要があるのか。意図をしっかり伝えることができていなければ、植林活動に意味はありません。

従って、持続可能な植林システムを構築することが、今のマングローブ植林活動には必要なのではないか...と考えるようになりました。

では、より持続可能とは...?

支援という形に頼らず、自分たちでマングローブ植林のための資金調達を行い、植林を実施する。

これが今の私が導き出した、描きたいマングローブの未来です。

環境的な豊かさはもちろんのこと、経済的な豊かさも、社会的な豊かさも満たすことができる。

マングローブはその可能性を秘めている。

私は、そう信じています。

マングローブの落葉した黄色い葉からクレヨンを作る。
そしてそのクレヨンを販売し、利益の一部をマングローブ植林へと循環させる。

舞台はフィジー。形容しがたい光景が広がっていました。

私は、太平洋島嶼国の全体像をみるため、フィジーへの渡航を決めました。

太平洋島嶼国の中でもフィジーは、比較的人口も多く、気候変動の影響で気候難民となった他の太平洋島嶼国からの移住者を受け入れています。

フィジーからの一歩が、太平洋島嶼国の未来の選択肢を広げる一歩になると思いました。

JICAの報告書によると、フィジーには38,543haという太平洋島嶼国でも有数のマングローブ林が広がっています。

しかし、私が見た現実は、そう甘くはありませんでした。

ここは、マングローブ林の広がる、海が目の前にある村です。満潮時やサイクロンが来ると、家の目の前まで海水が迫ってくるそうです。写真のように、家の目の前の大地が剥き出しになっています。

手前に写っているタイヤは気持ちばかりの防波堤。

この村ではここ数年の間に家を失った人もいるそうです。失った人たちは、少しだけ離れたところに新しい家を建てたり、親戚の他の家へ引っ越します。

まるで見えない何かと鬼ごっこをしてるかのよう。

でも彼らはこの土地から離れようとはしません。

なぜか。

様々な要因がありますが、一番の理由は、経済的な理由です。

この村が位置する場所はタウンから近く、学校にも通うことができ、仕事も沢山あります。


海面上昇によって失われるものは物理的な損失だけではありません。

他に失われてしまうもの。

それは、精神的な損失です。

私は、海面上昇を起因とする護岸侵食で、大地が蝕まれていくということは、その土地の文化・価値観をも失ってしまうことだと思っています。

よそから来た私をまるで家族のように迎え入れてくれる温かい人たちがここには住んでいます。

彼らの顔が鮮明に浮かび上がります。

現実を目の当たりにし、繋がりが生まれたからこそ、よりマングローブで描きたい未来が鮮明になりました。

他にもフィジーには沢山の社会課題が転がっていました。

特に、ごみ山。

実はこの社会課題もマングローブと大きく関わっているのです。

焼却場を持っていないフィジー。分別はされず、集めてきたごみを投棄するというオープンダイピング式が主流です。
そしてこの場所は、なんとマングローブ林を切り開き、ごみ処理場が作られているという背景があります。

ここは、マングローブが育つことのできる海水が流入する尚且つ海に近い場所です。

ここに集められたごみは海水の流入や海風などの自然要因により、海へ放出されてしまうのです。

また分別はされていないため、自然発火も日常。

この現状はまさに負のサイクルです。

絡み合っている社会課題を私は、「マングローブ」で解いていきます。

フィジーには共に歩んでくれる沢山の人たちがいました。

マングローブ林の広がる村の子供たち。マングローブの葉っぱを拾うお手伝いをしてくれます。
マングローブは彼らの遊び場。
マングローブに登ったり、干潮時にはカニなどを獲ったり、、、。

マングローブ林の広がる村に暮らす人々。(Taiperia , Rautoka city, Fiji)
セブセブという入村儀式をし、
Ministry of iTaukei Affairsからマングローブの葉の使用許可をいただきました。

「コロイピタ」という貧困層支援団体。
コロイピタが運営するモデルタウンで住む女性たちが
このクレヨンを作ってくれています。

マングローブから作られたこのクレヨンはフィジーに豊かな波紋を広がらせます。

私は何か想いを届けたい時や関係性を縮めたい時に意識的にクレヨンを使います。

フィジーでの生活でも、様々な場面でクレヨンに想いを乗せ、運んできました。

少し不器用だけれども、まっすぐ、濃く、シンプル。

色の混じり合いも手の汚れも愛おしいし、それがあるから輝ける。

私がクレヨンを好きな理由です。

フィジーでの暮らしは、すごくシンプル且つパワフルでした。

スパイスの匂いが漂い、

街中で人が踊り出す、

皆が来てる洋服も色ざやか、頭には花飾り。

目が合っただけで笑顔でBula!(こんにちは!)と挨拶を交わしてくれる。

匂い、食、音楽、色、人。

何もかも全てがパワフルに私の元へ飛び込んでやってきます。

しかし、どれもこれもとってもシンプルなことばかりなのです。

これは私がクレヨンを使う理由に通ずる部分があります。

今や私の表現方法の一部となったクレヨンと、シンプルだけれどもパワフルなフィジーの暮らしと、私の大好きなマングローブ。

全てが巡り巡り、マングローブでクレヨンを作る!作りたい!と思うようになりました。

ホームステイ先の男の子作 "自転車"

ボス作”私の名前”

ご覧の通り、マングローブから作ったクレヨンには、「茶色」しかありません。

しかし、使い手によっても、作り手によっても、茶色の中でも出る色が異なります。

世界に一つしかない、クレヨンなのです。

もっと鮮やかに彩りたい、書きやすいものを使いたい。

そんなことを思われるかもしれません。

ですが、「少し不自由」。これぐらいが丁度いいと私は思うのです。

↑懐中電灯を灯して食べるご飯          ↑電気が止まっても動じず携帯を触るホストマザー

フィジーでの生活は、「少し不自由」です。

大雨が降ると、電気も水道も止まる。

でもそんな時は、みんなで懐中電灯のわずかな光を頼りに身を寄せ合い、会話を楽しむ。

少し不自由だからこそ、豊か。

それだけでいい。

だから、このクレヨンも、少しの不自由さを楽しむための道具として使っていただけると嬉しいです。

スケジュールについて

2024年

2月:クラウドファンディング開始
4月:クラウドファンディング終了
6-8月:フィジー再渡航・リターン製造・マングローブ植林実施
8月:リターン発送

資金の使い道

クレヨン製作費:約15万円
クレヨン開発費:約5万円
輸送費:約25万円
配送費:約10万円
業務委託費(製造スタッフへの給与含む):約4万円
マングローブ植林費:約6万円
渡航/滞在費:約35万円

計:100万円

最後に

最後までじっくり読んでいただいた皆様ありがとうございます。 

今まで私は、大好きなマングローブの生き方に自分を照らし合わせて、前に進んできました。覚悟を決めてきました。 

マングローブは種子を自分の体からすぐに落とさずある程度育てて落下させる胎生植物という面白い植物なのですが、その落ちた芽(胎生芽)はぷかぷか浮いて、流れて、

マングローブの根に引っかかったりして定着します。 つまりマングローブは、お母さんマングローブのすぐそばで発芽する子もいれば水に流されて遠くで発芽する子もいる。 マングローブの生き方は十人十色です。 何が自分に合っているのか、したいことなのか、居心地のいいところはどこなのかをぷかぷか浮いて探している途中。 速く速く定着しようと必死になってしまいがちだけど、マングローブみたいにぷかぷか浮きながら色々なところを旅して、自分のすみかを探そうかな、と。その姿はまさに私そっくりだと思っていました。

そして、ようやく。 私はここフィジーで、ついに自分のすみかを見つけられたように思います。 ぷかぷか浮きながらすみかを探していた私をフィジーの人たちは、待ってくれていました。 こんな私を求めてくれている人たちがいることも知りました。だからこそ、私はフィジーの人たちに私なりの方法、手段で、お返しがしたいです。 マングローブを通して誰かと誰かが繋がる、そしてその繋がりが新たな循環を育んでいく。 新たな未来が描かれてゆく。 これが今の私の、私なりのマングローブとの向き合い方で、生き方です。 すごくしっくりきています。 どうか、温かく私の挑戦を見守っていただけると幸いです。 

本当に最後に、1人でも多くの方々が、フィジーそして太平洋島嶼国の人々に想いを馳せていただけますように。

井上和奏

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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