一般社団法人「はこぶね」の活動は、これまで休眠預金等活用法による助成金、企業からいただいた助成金、支援者の方からの寄付で、家賃や光熱費といった運営費を賄っていましたが、2024年からは休眠預金と企業からの助成金がなくなり、同じ場所にいつづけることができなくなりました。そんなとき地域の方のご協力で、とある場所をお借りできることになりました。
2月に引っ越しを終えて机や椅子は並んでいるものの、1年以上空き家だったその場所は、天井、壁紙、床材が剥がれ、排水工事と電気工事が必要な状態です。そんな環境でも、若者たちは「来たい」と言って日々その場所を訪れ、友達やボランティアスタッフと過ごしています。
若者たちが安全に過ごせる空間に整えるため、リフォームを行いたく考えています。改装費のご支援を、お願いいたします。
“はじめまして。「はこぶね」代表の大藪真樹です。私たちは、安心して帰れる居場所の運営を通して、生きづらさを抱える若者たちが自立するための支援を行っています。児童養護施設や機能不全家庭で育った若者には、どんなときも味方になってくれる家族や、無条件に存在を受け入れてくれる実家がありません。これからも彼らにとって、未来を生きるために羽を休められる居場所を、提供し続けたいと願っています”
代表の大藪は、2012年からボランティアをきっかけに児童養護施設の子どもたちと関わってきました。活動のなかで子どもたちの悩みを聞くようになり、18歳で施設を出て自立しなければならないという、現実の厳しさを感じ始めます。「子どもたちがいつでもSOSを出せる安全地帯をつくりたい」と、一般社団法人「はこぶね」を設立。2021年より、誰もが気軽に立ち寄れるコミュニティスペースの運営を始めました。
厚生労働省の調査によると、親に頼れない子どもたちは全国に約4万2000人、社会的養護のひとつである児童養護施設は全国に約600か所あります。法律上、彼らは原則18歳で退所となります。
18歳で、ひとり暮らしを始めたときのことを思い出してみてください。病気になったり、仕事でストレスをかかえたり、お金で苦労したり、将来を漠然と不安に思ったり。そういう困りごとや悩みごとがあるときに、後ろだてのない若者には気軽に相談できる相手がいません。「自分でなんとかしなければならない」と、精神的に大きな不安を抱えます。施設との関係が良好であっても、職員は定期的に変わるため、知っている人がいなくなれば関係は途絶えます。不安や挫折で気持ちが揺らぎそうなとき、心の拠りどころを持たない彼らには、安心して過ごせる場所、頼れる大人の存在が必要です。
現在10人の社会人ボランティアで運営しており、25人の若者との関係性があります。居場所には平均して1週間に6人が訪れています。
①施設を訪れて関係性を作っています。
若者たちが「居場所」に足を運ぶ導線になるよう、つながりを持っている児童養護施設に、それぞれ月に1回ほど訪問し、ボランティア活動をしています。子どものときから顔見知りになることで、退所したあとにも気軽に相談できるような関係作りを行っています。
②大人と関わる機会を設けています。
「居場所」には、いつも大人のボランティアスタッフがいます。仕事や住まいについてなど、若者が悩んだときに相談できる環境を整えています。信頼できる人、安心して話せる人に、彼らがここで出会えればと考えています。
③興味の幅を広げるイベントを行っています。
経験を積み、若者の可能性を引き出す機会として、定期的にイベントを催しています。キムチ作り体験やクリスマス会といった「居場所」内で完結する企画が中心ですが、最近では新たな取り組みとして、監修者のもとコーヒーを豆から挽いて淹れ、スイーツなどと販売する、就業にもつながるイベントを行っています。
Aさん
“児童養護施設の内情は外に出づらいため、私たちが置かれている状況を理解してもらうことが難しいと感じます。声をあげようとしてもひとりでは怖いし、施設にいた経験をなかったことにして、一から始めたいと考えていた時期もありました。ですが「はこぶね」で過ごして、施設から新しく訪れる子たちの面倒をみたりするなかで、意識が変わりました。「はこぶね」で行うイベントに参加した仲間が、本気で喜んでいる顔が見られたときは嬉しかったです”
Bさん
“児童養護施設の外に相談できる場所があると知っても、自分から行く勇気は出ませんでした。「はこぶね」は、ボランティアの人が施設に何度も来てくれたから知り合えて、居場所にも自然に出かけるようになりました。「はこぶね」の魅力は、ただいて、好きに過ごせること。学習支援や就労支援をしてくれる場所もありますが、特別なことは何もせず安全に過ごせる居場所は、私にとってほかにありません”
Cさん
“施設にいるときは早く成人してひとり立ちしたいと思っていましたが、いざ外に出ると帰る場所がないことに気づかされ、孤独に直面しました。そういう不安な気持ちも、相談できてよかったです”
Dさん
“自暴自棄になって高校を辞めたとき、すべてを吐き出して聞いてもらいました。人間関係に悩んで押し潰されそうになっていたのですが、ただ耳を傾けてもらい、一緒に考えてもらったことで、もう一度頑張ってみようと思えました”
排水まわり工事費 30万円
電気工事費 30万円
壁の補修費 20万円
天井の補修費 10万円
床の補修費 5万円
空調設備工事費 5万円
合計100万円
3月14日 クラウドファンディング開始
4月27日 クラウドファンディング終了
5月 工事と修繕を業者へ発注
6月 排水まわり工事と電気工事
7月 天井と壁と床の修繕
8月 完成
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
一般社団法人 はこぶね
児童養護施設や自立援助ホームなどを退所した若者たちへのアフターケアを行っています。
活動内容:
居場所運営、相談支援(個別相談)、学習支援、施設訪問(3か所)、イベント開催。
サポート対象者:
①児童養護施設及び自立支援ホーム等に入所中の児童
②すでに退所した児童もしくは若者
所在地:千葉県八千代市
開室時間:13:00〜19:00
休室日:水曜、日曜
メディア掲載:
朝日新聞「『軒先珈琲』で仕事探し 児童養護施設などで育った若者が自立を模索」(2024年2月26日掲載)
URL:http://hakobune201705.net
「はこぶね」の活動は、みなさまのご支援により運営しています。休眠預金等活用法による助成金、企業からの助成金を受けていない現在、支援してくださる方々の寄付によって成り立っています。
今回、「はこぶね」の活動を多くの方に知ってもらいたく、クラウドファンディングの実施を決めました。ささやかな私たちの活動ですが、これからも継続して子どもたち、若者たちと関わり、彼らの未来への航海のサポートを行いたいと考えています。
あたたかいご支援を、お願いいたします。ぜひ周囲の方にも広めていただけますと嬉しく思います。
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