わたしたちについて

 学問の神様として有名な「菅原道真(すがわらのみちざね)公」が生まれてから大宰府で亡くなるまで、そして「天神さま」として信仰心の篤い人々を救うなどの数々のストーリーが、2幅各11段、計24場面に分かれて描かれた掛軸「稲吉老松神社菅公縁起絵」。

掛軸「稲吉老松神社菅公縁起絵」

【掛軸「稲吉老松神社菅公縁起絵」】
 右:第一幅(前編)「菅原道真公一代の伝記」
 左:第二幅(後編)「天満大自在天神としての霊験・利生譚」


 「稲吉老松神社菅公縁起絵」第一幅7段より「紅梅別離」。道真公が「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花」の歌を詠んでいるシーンです。

「稲吉老松神社菅公縁起絵」第一幅7段より「紅梅別離」
(大宰府へ左遷されることになった道真公が「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花」の歌を詠んでいるシーン)


「稲吉老松神社菅公縁起絵」第二幅3段目より「落雷災禍」
(「天満大自在天神」となった道真公が火雷火気毒王を使役し、京都の清涼殿に雷を落としているシーン)

  

 福岡県小郡市稲吉区の区長に代々受け継がれる箪笥(たんす)に保管されていたその掛軸2幅は、江戸末期から明治期に制作されたと考えられます。

 掛幅形式の「天神縁起」として、福岡県下で太宰府所蔵のもの2件(「天満宮縁起画伝」12幅、「天満宮縁起画伝(満盛院本)」8幅)に次いで3件目となる発見。

 稲吉老松神社の天神信仰や小郡市の文化、信仰、地域史などの理解に寄与する歴史資料として価値が高く、小郡市の歴史において貴重な有形文化財(歴史資料)であるとして、令和元年8月29日、同じ箪笥で受け継がれてきた巻物などとともに「稲吉老松神社天神信仰資料」として福岡県小郡市の有形文化財(歴史)に指定されました。 

「稲吉老松神社天神信仰資料」が市指定文化財に指定された翌月の広報

『稲吉老松神社天神信仰資料』が市指定文化財になったことを紹介する広報記事
(令和元年9月1日発行『広報おごおり9月1日号』)

 

 私達は、そんな「稲吉老松神社天神信仰資料」を後世へ伝えていくため、地元住民を中心に結成された保存会です。
 「縁起絵を守っていきたい!」「縁起絵をきっかけに、まちを盛り上げていきたい!」
 そんな想いを胸に、令和4年1月15日に結成されました。
  令和4年には、掛軸修繕のために慣れないクラウドファンディングも行い、地元のショッピングセンターで募金活動も行いました。
 平均年齢約70歳の出来たばかりの会ですが、熱い想いは溢れんばかりにほとばしっています!

 どうぞ宜しくお願いします。 

稲吉老松神社天神信仰資料保存会のメンバー


プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 平成28年4月に発見された掛軸「稲吉老松神社菅公縁起絵」。
 令和元年8月には文化財として市全体の宝物となり、後世へ伝えるために博物館で保管されることになりました。
 地域の宝物が多くの人にとっても特別な物となり、大切にされていくのは、とても誇らしいことです。

 しかし……

 保管のためとは言え、それまで「地域の宝物」として地元にあったものが地元を離れてしまう寂しさは、どうしても否めません。

 また、縁起絵のことを知り、実際に実物を見たいと稲吉老松神社に足をお運びいただく方も増えてきているのですが、残念ながらお見せできるものは何もないのが現状です。

 地元で掛軸をきちんと保管できればいいのでしょうが、福岡県小郡市稲吉区は高齢化が進んでおり、世帯数も62世帯しかありません。
 管理し続けることができる人も、適切に保管できる設備もありません。

 諦めるしかなかったそんな折、「レプリカをつくって飾ったらどうか?」という声が上がりました。

 早速調べたところ、レプリカも本物の掛軸と同じようにきちんと管理しなければなりませんが、それでもあくまで「レプリカ」なので、私たちの力で保管・展示ができそうだということが分かりました!

 また、「レプリカ」とは言え「地域の宝物」であることに変わりはありません。
 それを私たちの力で保管・展示していくということは、地域の活性化にもつながります!

 さらには地域の若者も巻き込み、文化財の保存だけでなく、地域の魅力も発信し、新たな観光資源としての役割を果たすことも目指します!

 

リターンについて

 稲吉老松神社は菅原道真公をまつる神社ですが、実は犬飼さん(彦星)もまつっています。

  福岡県小郡市は「七夕の里」。
 天の川に隔てられた織姫と彦星のように、小郡市を流れる宝満川の対岸に織女神(織姫)をまつる七夕神社と、犬飼さん(彦星)をまつる老松神社があります。

 

(宝満川(中央)を挟んで、西に七夕神社(左)、東に老松神社(右))

 

 菅原道真公にあやかる「学業成就」だけでなく、七夕にあやかって「恋愛成就」もできる稲吉老松神社。

 ご支援いただいた方々には、掛軸「稲吉老松神社菅公縁起絵」の一場面を描いた絵馬をお送りいたします。

 ご記入いただいた絵馬をご返送いただきましたら、皆様の願い事が叶いますよう心を込めて、稲吉老松神社に奉納させていただきます。

七夕伝説で語られる、天の川に隔てられた織姫と彦星のように、小郡市を流れる宝満川の対岸には織女神(しょくじょしん)をまつる七夕神社(正式名称は媛社(ひめこそ)神社)と犬飼(いぬかい)さん(牽牛、彦星とも)をまつる老松神社があります。小郡には織姫と同じように機織りが得意な人が多くいたと考えられるため、古代から「棚機(=七夕)」の信仰が根付いていたのでしょう。

そんな「七夕」を地域ブランドとして確立し、地域活性化に取り組むべく、平成30年に「七夕プロジェクト」が始まりました。その取り組みの一つとして、「夜空に願う七夕の里おごおり」と「織物が盛んであった小郡」ならではの文様が生まれました。それが「叶え星文様」です。

絣(かすり)技法(織物技術の一つ)で「叶」という文字を表現するデザインであり、「十」の横と縦の線が重なる部分を色濃くデザインしています。また、「叶」を「□」「十」で表すことは、表裏で「□」「十」をあらわす縁起の良い「叶(かのう)結び」の意味も込められています。

「叶」という文字を表していること、横と縦の線が重なる部分が「星(ほし)」と呼ばれていることから、この文様を「叶え星文様」と名付けました。

「人々の願いに寄り添えるふるさとでありたい」という想いから生み出された「叶え星文様」。皆様の願いが叶うよう、さまざまな場所で活用しています。その「叶え星文様」を使ったハンドタオル一枚

「叶え星文様」が入った絣で作りあげた酒袋一つをそれぞれ支援金の額に合わせてお送りします。

実施スケジュール

プロジェクトの実施スケジュールは以下の通りです。

令和6年2月12日 - プロジェクトの立ち上げ

令和6年4月30日 - リターンの発送


最後に

 私たちは、このプロジェクトを通じて地域の伝統文化を守り、次世代に継承していくための一歩を踏み出したいと考えております。

 皆様のご支援を心よりお待ちしております。

 地域活性化に向けた取り組みにぜひご参加ください。


支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 掛軸のレプリカ作成費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

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