■能登半島地震で醤油・味噌を作れなくなった小山屋醤油店を復活させたい!

はじめまして。石川県七尾市にある小山屋醤油店の小山和助と申します。ページをご覧いただきありがとうございます。弊店では大正元年の創業以来、能登で代々受け継がれた技で味を守ってきました。

しかし、令和6年1月1日16時10分、石川県能登地方を震源とするM7.6の大地震が発生し、私たちがお店を構える七尾市も甚大な被害を受けました。
明治時代に建設された小山屋醤油店は倒壊をなんとか免れたものの、作業場や糀室(コウジムロ)のある蔵等の至る所が崩れ、壁は剥がれ落ち、床も地盤沈下により歪んでしまいました。醤油づくりに欠かせない井戸水の汲み上げポンプと貯蓄タンクも破損し、現在は製造を行うことができない状況です。

まずは一日でも早く作業場と糀室を立て直し、小山屋醤油店の醤油・味噌の味を復活させたい。そして地震に負けることなく伝統を守り、後世に伝えていきたいと思い、このプロジェクトに挑戦することにしました。

崩れた糀室(こうじむろ)のある蔵

▽小山屋醬油店紹介▽
創業大正元年、能登で代々受け継がれた技で味を守ってきました。家族で製造販売する七尾の小さなお醤油屋さん。 地域に愛されて醤油・味噌を作り続けて百年以上地元のお客様をはじめ全国の皆様にもご愛用いただいております。 能登の里山が生み出すおいしいお米や野菜。 能登の里海からとれる新鮮な魚。 能登半島・七尾は北前船が寄港した古くからの港町。四季を通じておいしい魚がとれる町から生まれた醤油は、食材のおいしさを活かします。

■二度目の地震であきらめかけた醤油づくり

今から17年前の平成19年3月25日、能登半島を地震が襲いました。明治時代に建てられた小山屋醤油店の建物も地震を受け、大きな被害を被りました。
しかし、多くの方から励ましの言葉をいただき、蔵を改修することができ、醤油・味噌づくりを続けてくることができました。前回の地震では大きなもろみ蔵の損傷が最も酷かったのですが、醤油・味噌づくりを続けながら何とか少しずつ修復してきました。新しく発酵体験や見学ができる施設も整え、やっと元の工場に戻って息子に代替わりができると思っていました。

そんな矢先の令和6年の元旦、家族との団らんの時間を再び大地震が襲いました。

やっとの思いで整えてきた建物の壁は剥がれ落ち、床はひび割れ、屋根瓦は崩落し、前回の地震の時よりもさらに大きな損傷を受けていました。
私たちは、崩れた建物を目の前にして、今までの努力がすべて失われてしまったかのような無力感に包まれました。

ボロボロになった作業場

被害の大きかった糀室
柱が倒れてしまっています
 前回よりも被害が大きく、二度目はもう無理だと思い「廃業しようか…」と家族で話し合っていた時、小山屋醤油店をご贔屓にしてくださっているお客様方からたくさんのメッセージが届きました。

「また醤油買いに行きたいです!」
「どうか辞めないでほしい…。」

たくさんのメッセージを読むうちに、「そうだ、小山屋の醤油を待ってくださっている方たちがたくさんいるんだ。」と、気づかされ、事業を辞めずにもう少し頑張ろうと前向きな気持ちになることができました。

しかし、修復を終えたばかりの蔵を再び修復するには自己資金だけではとても困難です。
今回、周りの方々に協力を仰ぎつつクラウドファンディングに挑戦することにしました。
たくさんのメッセージを寄せてくださったお客様方のためにも、小山屋の味をここで終わらせたくありません。

小山屋醤油店にチャンスをください! 

私たちは家族でつくる小さな醤油屋ですが、地元のたくさんの飲食店や旅館で使って頂けていることが誇りです。これからも醤油づくりを通じて、地元七尾のお店と一緒に復興していきたいと考えております。皆様のお力添えいただけますよう、お願い申し上げます。


■小山屋が大事にしていること

小山屋の醤油屋としての歴史は大正元年にまで遡ります。幕末から明治にかけてこの地で廻船業をなし醸造業を兼任していた西尾与平から旅館業をしていた小山屋が引き継ぎ、以降百年以上醤油・味噌の醸造を行ってきました。

当店のお醤油たち

そんな長い歴史を持つ当店では、醤油・味噌を作るうえでいくつか大事にしていることがあります。

【その壱】昔ながらの木樽を使う

小山屋醤油店の醤油づくりは昔ながらの木樽(木桶)を使っています。
江戸時代までは、和食の基本となる醤油・味噌・酢・味醂・酒等は木桶で製造・貯蔵されていましたが、現在では醤油の木桶を作ることのできる職人はほとんど残っておらず、2021年の東京聖栄大学健康栄養学部・福留奈美先生の調査によると、全国的に木桶を保有する醤油メーカーは281社。これらのメーカーのほとんどは当店のような小規模の醤油屋です。
当店では、火入れした後の醤油の沈殿物(おり)を沈め、澄んだ醤油にするために木樽で貯蔵しています。
醤油を作る木桶は長年の使用によって深い香りが染み込み、小山屋醤油店にしか出せない醤油の風味や味わいを醸しています。

小山屋醤油店の「木樽」
火入れ後の沈殿物(おり)を沈め、清澄を待つ
©石川県観光連盟

【その弐】ふるさと「能登・七尾」の食を支える醤油・味噌をつくる

能登の里山が生み出すおいしいお米や野菜。能登の里海からとれる新鮮な魚。能登半島・七尾は北前船が寄港した古くからの港町で、四季を通じておいしい魚がとれます。当店では能登・七尾の地元の食材の味を最大限に生かせるような醤油・味噌を作ってきました。多くの地元の飲食店・お寿司屋・旅館さんにも当店の醤油を使っていただいており、ありがたいことに「小山屋さんの醤油と味噌がうちには必要だ」という声もいただいております。

当店とお付き合いのある能登前寿司のお店でも使っていただいております

こだわりの「本醸造醤油」のほかにも、「天醤油」「旭醤油」「淡口醤油」「さしみ醤油」「だしつゆ」や「ヤマショウ味噌」など様々な料理に使っていただけるよう、たくさんの種類をご用意しております。

たくさんの方々に愛していただけるような醤油づくりを目指して日々励んでおります。

「本醸造醤油」添加物を一切使用していない醤油。味・色・香りが濃厚で、味わい深さが特徴。

「珠洲塩味噌」材料は地元産大豆と天然珠洲塩。日本名水に選ばれた中島藤瀬の水と代々引き継がれた技術で仕込んでいます。材料にこだわった特別な味噌です。

左から「天醤油」「淡口醤油」「旭醤油」「さしみ醤油」「だしつゆ」「ヤマショウ味噌」
あらゆる料理に使っていただけるようたくさんの種類をご用意しています。

【その参】醤油・味噌の醸造をみんなに知ってもらう

100年以上の歴史を持つ小山屋には、ただのお醤油屋さんとしてだけではなく、技術を広く伝え、守る使命があると考えています。そのためにはまず、醤油を買ってくださる皆様にお醤油について知ってもらう必要があります。
当店ではたくさんの人に伝統の醤油・味噌醸造のすばらしさ・奥深さを知ってもらうために、また、古くから残る醤油蔵の建物をもっと見てもらえるよう、発酵体験や蔵の見学会を実施しています。最近では海外からのお客様もご来店いただいており、日本の素晴らしい食文化を世界へ伝えられるよう活動を行っています。
また、醤油蔵の上階部分の多目的スペースを利用した講座やコンサートを開催するなど醤油づくりの場を身近に感じてもらうための貸し出しも行っています。

体験会で作る「てづくりしょうゆこうじ」

麹にブレンドする醤油も選べます

海外からのお客様もいらっしゃいます

平成19年の能登半島地震(前回の地震)の復興1周年を記念して、平成20年4月29日、「蔵でクラシックコンサート」を開きました。
オーケストラアンサンブル金沢による弦楽四重奏を市民や観光客、約70人が楽しみました。蔵の雰囲気と、間近で奏でられる演奏が観客を魅了しました。

■修復したいもの

1.  糀室(こうじむろ)のある蔵

味噌の米糀(こめこうじ)を作る場所です。高温多湿の密閉されたこの「糀室(こうじむろ)」で3日間ほどかけてつくられ、適度に人が手入れをすることでよい麹ができあがります。

この糀室のある蔵は、本震では何とか耐えていましたが、その後の余震で蔵に付属していた下屋の部分は完全に倒壊し、蔵も至る所の壁が落ち、床も地盤沈下により歪んでしまいました。被害がかなり大きく残った部分も倒壊の恐れがあるため、外壁に筋交いや柱、蔵の中にはワイヤーを張ったり支えを入れて、曳家さんに倒壊予防をしてもらっています。
作業をするには危険なほど壊れているため、優先的に修復したいと考えています。

「本震直後の蔵」
この時点では屋根の一部が崩れているものの何とか耐えていました。

「余震発生後の蔵」
完全に下屋が倒壊し、ボロボロになってしまいました。
「瓦礫撤去後の蔵」
地震により外壁が剥がれ落ち、
下屋部分がなくなったことで中がむき出しになっています。

「糀室(こうじむろ)」
建物が傾き、壁の至る所がひび割れ剥がれ落ちています

2.  作業場

醤油・味噌づくりの作業を行う場所です。
地震の被害を受け、壁が剥がれ落ち、床の至る所に亀裂が入ってしまいました。現在、建物自体にも倒壊の恐れがあるため作業はできない状況です。醤油・味噌づくりを再開するためにも優先的に改修したいです。

「作業場」出入口周辺
地震で壁が崩落し壁全体に亀裂が入りました。

地震で地面が歪み、
大きな亀裂が床のあちこちに入ってしまいました

3.  井戸水の汲み上げポンプと貯水タンク(醤油蔵二階)

ここ七尾には、能登の里山や立山連邦からミネラル豊富な地下水が流れ込むため、それを地下からポンプでくみ上げ、醤油・味噌づくりに生かしてきました。
しかし、能登半島地震でポンプと汲み上げた水を入れておく貯水タンクが破損してしまいました。
これらを設置していた醤油蔵(登録有形文化財)も現状倒壊の恐れはありませんが被害を受けました。
醤油・味噌づくりにはおいしいお水が欠かせません。早急な修復もしくは再購入を考えています。

醤油蔵(登録有形文化財)内の3階ギャラリーにある「揚水ポンプ」と「貯水タンク」

4.店舗と土蔵【登録有形文化財】

明治時代に建てられてから長年に渡りたくさんのお客様をお迎えしてきました。
当店の顔として小山屋醤油店の長い歴史を共に歩んできた思い入れのある建物です。

被災前の店舗今回の地震では店舗出入口付近の建物が全体的に道路側に傾いてしまいました。特に店舗右側の土蔵は損傷が激しく、写真ではわかりづらいですが傷んだ外壁が道路側に30㎝ほど膨らんでおり、とても危険な状態です。また、店舗内は出荷前の大量の醤油瓶も地震で倒れ、床中に散らばっています。
耐震補強を行い、安全な建物として皆様をお迎えしたいと思っています。

「被災後の店舗と表土蔵」
特に右側の土蔵が道路側に傾き、大きく膨らんでしまいました

倒れた醤油瓶

■守りたい味と伝えたい技があります

前述のとおり、近年では木樽を使用した方法で醤油を製造する蔵元は減少傾向にあります。
世界無形文化遺産にもなった日本食文化の基本である醤油・味噌は後世に残すべきもので、守っていくことが重要だと考えます。今回の地震では小山屋の木樽は被害を免れることができました。しかし、他にも醤油づくりに欠かせない大切なモノたちが壊れてしまっています。
このプロジェクトでは、壊れてしまった糀室・作業場・揚水ポンプ・貯水タンクの修復を目標としています。一つでも欠ければ醤油は作れません。
当店は小さな醤油屋ではございますが、ふるさとの味を守るためここまで頑張ってきました。お醤油の味には自信があります。私は、先人たちが守ってきた当店の醤油の味と伝統の技術を私の代で終わらせたくないのです。どうか宜しくお願いいたします。

■計画内容

◇目標金額:1000万円

◇スケジュール
・令和6年2月13日  クラウドファンディング開始
・令和6年4月19日 クラウドファンディング終了

・令和6年4月   設計開始予定
・令和6年10月  工事着工予定
・令和7年6月   工事完了予定

◇支援金の使い道
リターンでお申し込みいただいた分のお礼のメッセージと店舗・オンラインショップで使用できる商品券をお届けします。生産体制が整い次第オンラインショップでご購入できるようにいたします。皆様からいただくご支援は、まずは被害の多かった糀室(こうじむろ)・作業場・揚水ポンプ・貯水タンク等の改修費用に充てさせていただきます。本見積後に資金の余剰があれば店舗の改修やその他破損した備品の購入費用等に充てたいと考えております。

※本プロジェクトはAll-in形式での実施となります。ご支援金が目標金額に届かない場合でも、自己資金等で補填をするなどして修繕を実施いたします。また、ご支援いただいた皆様へは商品を製造できる準備が整いましたら各商品券をリターンとしてお届けいたします。

■最後に

このページをご覧いただき誠にありがとうございました。

前回の地震から17年。修復も終わりもう大丈夫だと思っていた時に地震は起きました。二度地震による蔵の損傷を体験し、当初は立ち上がれないほどにショックを受けていました。ですが、お醤油を買ってくださるお客様や、建物の状態を見に来てくださった建築・建設関係の専門家の方々などに温かい言葉をいただき、現在は同じく被災した近隣の方々と助け合いながら復興を目指しています。

本当にたくさんの人に支えられていると感じます。

能登の復興はまだまだ始まったばかりです。当店も受け継いできた醤油・味噌と建物を守るため、できるだけのことはやりたいと思っています。小山屋醤油店がまた元気に営業できるように少しずつ頑張っていきます。

地震が落ち着いて復興が完了した際には、ぜひ能登・七尾までお越しになってください。
小山屋醤油店一同、お待ちしております。

小山屋醤油店 小山和助

■応援のメッセージ

河邉哲司
久原本家グループ 社主

この度、小山屋醤油店さんの現状をお聞きし、本当に胸が痛みます。小山屋醤油店さんは、大正元年から続く醤油屋さんです。私たち久原本家も、福岡県久山にある久原村の、ちいさな醤油屋でした。100年を超えて時代や社会状況が変わりゆくなか、醤油業を続けていくということは、並大抵ではなかったと思います。そのなかで地元の方々に愛され、ここまで続けてこられたこと、そして再起し能登の食を守りたいという志に心から賛同します。ぜひまた多くの方々に小山屋醤油店さんのおいしいお醤油を届けて欲しいと心から願います。どうかご支援、ご協力をお願いいたします。


石川伸
株式会社おとうふ工房いしかわ 代表取締役

この度の地震の被害の甚大さを報道などで目にする度に胸が締めつけられます。小山屋醤油さんと同じく、地域の食文化に関わるものとして、復興プロジェクトを応援しています。私たち「おとうふ工房いしかわ」は愛知県三河地方で、白醤油やみりん、八丁味噌、日本酒などの醸造業の社長や地元の食に携わる方を中心とし、独自の食文化を継承・発展しようという取り組みも行ってきました。長年、地域で愛されてきた小山屋醤油店さんの伝統と能登の食文化を守りつづけてもらいたい。どうか小山屋醤油さんの復興のため、皆様ご協力お願いいたします。

支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • リターン仕入れ費

  • 麹室・作業場・店舗・その他小山屋醤油店で損傷した建物の改修費及び
    揚水ポンプ・貯水タンクなど備品の再購入費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

  • 2024/04/20 21:15

    たくさんの方々からご支援を頂きました。感謝の気持ちでいっぱいです。七尾の小さな醬油屋が大きな目標を掲げたプロジェエクトでした。躊躇していた私たちのためにサイトを作ってくれた岡田さん。操作のアドバイスをしてくれた人々。そして、273名の支援して下さった方々ありがとうございました。目標達成にはなり...

  • 2024/04/19 10:27

    プロジェエクト終了の日となりました。画像は蒸した大豆を出しているところです。取材のことですが、残念なことに放送が間に合いませんでした。1月中から何社からも依頼があったのですが、病気でも重体の時は「辛い、痛い。」と言えないように、取材を受ける気力がありませんでした。今はマスメディアの発信力に頼る...

  • 2024/04/15 22:31

    プロジェクト終了の19日まで4日となりました。これまでご支援して下さった253人の皆様ありがとうございます。心が折れそうな時は、応援メッセージを読んで元気を取り戻していました。お一人おひとりにお返事しないで申し訳ありません。昨日はNHKの取材を受けました。そして21日はBSの撮影があります。最...

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