■【加波次吉漆器店】について
こんにちは。石川県輪島市で輪島塗製造販売を行っている、加波次吉漆器店と申します。
明治年間、
初代加波次吉(かばじきち)が塗師屋(ぬしや)を起こしました。
塗師屋という聞きなれない言葉は、実際に漆器を作る職人としての仕事だけにとどまらず、販売までを行う人やお店のことを指します。
当時の加波次吉漆器店は、輪島では1.2を争う隆盛を誇り、多くの蔵を所有していましたが、
後の後継者が塗師屋ではなく職人として活動したため、塗師屋としての姿を消してしまったのです。
私は4代目として、先代である父に職人として師事しながらも、初代のような『職人が切り盛りする塗師屋』として、製造から販売までを一貫して行っております。
一度は途絶えてしまった先代の名を守りながら、新しい漆の可能性を日々模索しています。
『塗れるものならなんでも塗る』のポリシーのもと、
ヘルメットやガラス、自転車など異素材とのコラボレーションを積極的に行っております。
これまで自転車ロードレースの漆塗りヘルメットや、フランス『ル・マン クラシック』にて使用する漆塗りヘルメット、映画スターウォーズのBB-8、エヴァンゲリオンとのコラボ商品など輪島塗×異業種を強みとし積極的に行ってきました。
また、昨年末よりニューヨーク マンハッタンにて展開している蒔絵グラス『夜桜』。
当初の予定数を完売!との吉報を受けた昨年の仕事納めでした。
■このプロジェクトについて
輪島塗の廃業や職人の流出を防ぎたい
新年を迎え、これから!と新展開に心を弾ませていた矢先のことでした。
この度の令和6年(2024年)1月1日の能登半島地震の影響により、私を含め、共に仕事をしている仲間の職人や、輪島塗製造関連業者が甚大な被害を受けました。
(写真/立ち入ることが出来なくなった蒔絵師の住宅兼工房)
たくさんの作品を生み出した旧工房兼自宅は大規模な土砂崩れが発生した、輪島市市ノ瀬地区です。この家を快く貸してくださった大家さんは、まだ土砂の中から救出されずにいます。荷物を残したこの建物は倒壊と土砂崩れの為ほとんど立ち入ることが出来ません。かつてカタログ撮影に使用した縁側も傾き、床が抜け落ち足を踏み入れることが出来ません。
地震発生から1ヶ月が過ぎ、輪島から離れ職人を諦め廃業する人、新しい職種への転職を余儀なく迫られている人が、私の周りだけでも沢山います。
そんな中、自宅兼工房が全壊した友人でもある蒔絵師が、避難所や車中泊という不便な生活のなか持ち出せる限りの材料と道具を運び出すことが出来ました。
「やっぱりみんな諦めていないんだ。」
と嬉しくなり、なんとしてでも再起したい気持ちで一杯になりました。
輪島塗は木地製造、塗師、蒔絵(架飾)などの分業制です。
職人たちは作ることに専念し、それを売り歩くのが塗師屋
職人たちの多くは、個々で販売のルートを持ちません。私たち塗師屋が受注や製造販売をストップしてしまうと、職人は仕事をなくし未来を失うことへとつながります。
しかし、輪島塗のもととなる木地や原材料を作ってくださる職人さんも大きな被害を被り、市内で調達する事が当面難しい状況です。
いわゆる輪島塗と呼べる工程を踏まえた物が作れません。
今こそ、私たちの強みを活かす時です!
『塗れるものならなんでも塗る』
異素材に漆を塗る事を得意とする加波次吉漆器店。
木地(木の素地)が手に入らない今こそ、私たちの強みを活かす時です!
様々な素材を使い、すぐにでも作品の製造を開始・継続することが出来ます。
これから順次、国や市、関係各所より助成金や義援金などが準備されると聞いています。
もちろん大変ありがたい限りです。
しかし、その支援が手に届くまでにはまだまだ時間がかかります。
今!この毎日をしのぐ力が必要です!
職人魂やプライドがある彼ら職人には、仕事を受けるという着手金でのご支援の方が気力や活力が湧いて、
「負けるもんか」と、彼らの背中を押す糧になります。
代表作の漆塗りヘルメット。例えばこの作品一つでも、塗師・絵付け師・呂色師と最低3人以上の職人の仕事を産み出す事が出来ます。彼らに職人としての仕事が生まれ、生活再建への支援となります。
■これからのこと
まだまだ断水は続き、倒壊家屋や道路の寸断など、日々の暮らしを確保するだけで精一杯です。
しかし、過疎化したこの能登へ見たこともないほど多くの方々が駆けつけ、復興への手助けをして下さっています。
いつまでも被災者ではいられません。
私には水道を修理することも、道路を作ることもできません。
でも、商品を受注し流通させ、輪島塗の職人の仕事の流れを止めないことは出来ます!
職人たちの素晴らしい技術を未来へと繋ぎ守る事は輪島を守ること
このプロジェクトがその手助けになると信じています。
生まれ育った能登の未来のために、少しずつですが前を向いて再開して行きたいと思っています。
■リターンについて
当プロジェクトは、
□支援金(返礼品なし)
・※Instagramで支援者様のお名前を掲載。
・掲載期間 Instagramサイトが存続する限り。
□支援金(返礼品あり※お渡しできるお礼の品や、お渡しの時期は状況に応じて検討中です)
・Instagramで支援者様のお名前を掲載
・掲載期間 Instagramサイトが存続する限り
以下の数パターンを設けさせていただきます。
・3,000円 Instagramで支援者様のお名前を掲載
・5,000円 輪島漆塗り箸 1膳
・10,000円 輪島漆塗り箸 ペア ・20.000円 スペーサーペンダント ・30,000円 オリジナルロゴ付タンブラー 1客
・50,000円 オリジナルロゴ付ワイングラス 1客
・100,000円 TUBUシリーズの器 1客(お椀や丸皿など)
〈スケジュール〉
返礼品ありへのリターンは、9月ごろからのお届けを予定しております。
輪島市内の箸製造会社や各職人の再開のタイミングや、今後の地震の影響により多少の前後が生じる可能性があります。
状況については、活動報告を通じてお知らせいたします。
100,000円以上の支援者の方へは、出来る限りご要望やお好みをお伺いしたい為、個別にご連絡いたします。
このリターン品製作も、職人の大切な仕事となります。
皆様のご支援を宜しくお願いいたします。
■最後に
数ある能登の復興支援プロジェクトの中から、弊社をご覧いただき本当にありがとうございます。
テレビや報道で流れる情報は日々減って行きます。
でもそれは、被害がなくなったからでも、日常が戻ったからでもありません。
この非日常の中で、これまでの仕事を続けるという日常をみんな欲しています。
毎日仕事をして、誰かと話をして、”なんとかなる!”そう思えることが一番の復興です。
まだまだ職人で居続けたいと願う人が輪島を後にすることがないよう、塗製造関連業者が諦めないよう
ぜひご支援いただければ幸いです。
私たちは能登と輪島の復興を願い、これからも輪島塗の魅力を広める活動を続けていきます。
皆様のご支援に心から感謝申し上げます。
加波次吉漆器店
最新の活動報告
もっと見るリターン箸の発送
2024/09/27 06:03たくさんの温かいご支援ありがとうございます。大変お待たせしてしまいましたが、ようやくリターンのお箸の発送準備が出来ました。先週には完成していたのですが、ご存知かと思いますが、輪島はまたも豪雨という災害に見舞われてしまいました。自宅前の普段は穏やかな小川も僅か数十分のうちに玄関先まで溢れ、周りの田畑や道路もわからなくなる程になってしまいました。間一髪、高齢の両親と逃げる事が出来ました。今輪島は、報道にもあるように、悲しいくらい悲惨な景色が広がっています。震災からやっと先が見え出したところだっただけに、中々気持ちを切り替える事が出来ずにいます。自衛隊のヘリやドクターヘリ、レスキューの車が飛び交う光景は、震災直後とまったく同じで、また逆戻りしたかの様です。ただ、あの時と違うのは皆さんの温かい支援や応援が支えであり、モチベーションになっているという事。本当に感謝しております。少し落ち着きましたら、また改めて頑張って行きますので、今後とも温かいご支援、応援をお願いいたします。 もっと見る
仮設工房建設
2024/08/20 06:35こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
半年。
2024/07/01 21:49たくさんのご支援応援、ありがとうございます。皆様のご支援のおかげで、無事展示会開催することが出来ました。改めて感謝いたします。会場には、震災で残り、蔵から出てきた古い輪島塗を普段使いにリメイクした【RE・TUBU】を中心に準備致しました。おかげ様で好評をいただき、輪島塗の新しい可能性も感じることが出来ました。とはいえ、次の展示予定がないのでお披露目はまだ先かもしれません。もう一つご報告です。本日、リターン用のお箸が仕上がってまいりました。これからようやくリターン製作に取り掛かります。もうしばらくだけお待ち下さい。今日で地震発生から半年。まだまだ復興にはほど遠いですが、自分の出来る事を精一杯頑張って行きますので引き続き応援いただけますと幸いです。 もっと見る
輪島漆器ヘルメットを被った選手が伊豆のベロドロームを走る姿が見たいです。感謝と応援の気持ちを込めて。
震災に遭われた事お悔やみ申し上げます、伝統と文化・技術の復興を応援しております。 輪島塗りのヘルメットを納期復興次第で受注してもらえるリターンはございませんでしょうか? プロジェクトのサムネイルがヘルメットだったもので、根っからのライダーとしては貴社の造ったヘルメットを装着して復興後にツーリングで輪島を訪問するイメージが湧きました。 それでなくても復興後の地域にはツーリングで地産品を買って回るのが目的になっています。 福島しかり、鋸南しかり