プロジェクトオーナーの手数料の負担は一切なく、支援者さまからのご協力費(12%+税)により運営しています。

プロジェクトの実行者について

皆さま、はじめまして!一般社団法人とみ田やです。私たちは埼玉県羽生市を拠点に活動しています。 

私たちが所在している「とみ田や」は、昭和初期、藍染業を営んでいた「冨田染工(とみたせんこう)」が建てた迎賓用の建物です。
いまでは珍しい伝統工法を用い、内部にはさり気なく、美しい誂えが所々に施されています。
材料は木、土、砂、漆喰、竹などの自然素材で、素材が持つ色、木目や形をそのまま活かし、長さ15m程にも及ぶ大木の丸太は圧巻です。家の中でありながらも自然を感じられ、とても心地よい空間です。
このような伝統建築は再現できる職人さんも少なくなり、材料も手に入りにくく、大きな木材の運搬が困難ないまでは、再現不可能であろう…本当に貴重な建築物なのです。

しかし、「とみ田や」は空き家になってから20年以上が経過。瓦は落ち、雨漏りで壁は崩れ、床や畳は腐ってしまい、かなり傷んでしまいました。私達は、大切な伝統建築を失いたくない!子供達にもこのすばらしい空間を感じてもらいたい!羽生の歴史を地域に残したい!と強く思っています。
日本の木造建築は、壊れた場所を修理することで何年も使い続けることができます。私達は「とみ田や」を再生し、子供の居場所と地域コミュニティスペースとして、未来に活用されることを目指しています。

【広々としたガラス張りの縁側から望む庭には、溶岩や赤い石など珍しい石がごろごろ】

【室内には、希少価値の高い藍漆喰とささやかれる美しい青の漆喰】

【砕いた貴石を混ぜた壁、節や曲線を活かした内装】

このプロジェクトで実現したいこと

日本家屋は、傷んだ木の部分のみ入れ替える、瓦を履き替える、畳を入れ替える、襖を張替える等、修理すれば使い続けることができます。しかし、材料高騰、希少性、再現する職人不足など、修理費用は決して安くありません。
これまでの地震や台風により、瓦は落ちたままだったため、ひどく雨漏りしており、屋根は朽ち、壁から床まで崩れています。木造住宅にとって雨漏りは最大の敵。まずは雨漏りを防ぐため、3月から地元の職人さんによる修繕を開始しました。一枚ずつ手作業で瓦を入れ替えていく作業は、2か月以上を見込んでいます。建物をこれ以上傷ませないために、この資金をご支援頂ければ幸いです。

【屋根瓦の泥が垂れて壁は雨だれに、床の木材も畳も腐っている】

【貴重な砂壁も雨ではがれている】

現在の準備状況

私達は週末を利用し、手作業で少しずつ修理を進めています。この活動に賛同してくださった仲間達にもご協力頂いており、これまで50名以上の方が参加してくださいました。
屋根の修理コストを削減するために、まだ使えそうな瓦は分別して再利用。地域の方にも「とみ田や」を知ってもらおうと、瓦下ろしの作業メンバーを募集したところ、親子でのご参加もありました。おかげさまで、この2年間で様変わりしました。

修理だけでなく、羽生特産・藍染ワークショップなどを開催し、メンバーの友人や子供達も参加し、楽しく活動できる工夫をしています。大人も子供も、古民家修理は初めて体験することばかり!雨染みでボロボロの障子をはがして、真っ白に貼り直すと、達成感で一杯です。「壊れても直せば使える」という実体験は、子供達にとって良い学びだと実感しています。
かながわヘリテージマネージャー協会、認定NPO日本民家再生協会の方々からも関心を寄せて頂き、「とみ田や」の再生活動を応援して頂いております。

≪Before≫ -活動始めの頃、空き家だったころのとみ田や-

【貴重な襖の奥は物がいっぱい】

【瓦が落ちて雨漏りが激しかった】


【雨漏りで屋根の泥は室内に】

【建物の間取り図がなく、測量から開始】

【玄関から縁側まで物置状態】

【障子は破れて埃が積もっていた】

【子ども達がきれいにはがしてくれた障子】

≪After≫ -現在のとみ田や-

【腐っていた床はDIYで杉板に張替え】

【障子は全張替え、1、2階合わせて60枚以上】

【家具を掃除して再配置】


プロジェクトの最終ゴール

ゴール①:文化財登録に挑戦
私達は、子どもから大人まで、「とみ田や」が羽生の地域に愛され、様々な才能を発揮できる空間になるために、まずは羽生市の文化財登録第一号(建造物として、社寺建築以外)を目指し、この素晴らしい建物を多くの方にご覧いただけるように修復を進めていきます。
ゴール②:地域のお茶飲み場&子どもの居場所づくり
修復後は、「とみ田や」の広々とした縁側を活かして、友人宅のような気軽さで立ち寄ることができる、無料のお茶飲み場をオープンします。家事、育児、介護、仕事の合間に、お茶でひと息ついて頂き、おしゃべりが生まれる場にしたいと思います。
(ご家庭で使わないお茶のご提供、大歓迎です!)
また、子どもの居場所として、畳の上で昔遊びの体験や、「とみ田や」の古い瓦でストーブを作ったり、庭の野菜を調理する食育、柿渋の床を米ぬかで艶出しする伝統的なお手入れ、羽生の藍染など、子ども達の様々な興味につながる&体験ができる企画をしていきます。

【これまでの改修作業や藍染ワークショップに子ども達も参加、みんなで食べるご飯やおやつは美味しい】

ゴール③:夢を応援する場に
羽生でやってみたいこと、叶えたいことがあるけれど、場所の確保が難しい…という方のために、スペースを提供したいと考えています。お店を始めてみたい、得意を活かしてレッスンを行いたい、等、場所をご提供させていただきます。
お茶飲み場でつながりが出来、良きご縁が生まれる場所になりたいと思います。

プロジェクト立ち上げの背景

「とみ田や」が所在する羽生市は、江戸時代は藍染で栄えた町でした。最盛期には200以上の染物屋がありました。その1件である冨田染工は、「とみ田や」を建て、お客様や地域の方々のおもてなし、職人さんが寝泊まりできる場として使っていました。 
廃業後は住居として使われていましたが、先代が他界された後、20年以上空き家になっていました。骨董品や、襖の書、見事な書院障子や欄間は、侵入者によって盗まれてしまいました。家主は「とみ田や」を大切に思っていましたが、建物の維持は経済的にも労力的も厳しい状態でした。このプロジェクトを通じて、「とみ田や」が後世に残されること、地域コミュニティスペースとして活用されることに、家主も全面賛成してくださり、立上げに至りました。

【破れた襖の中身は明治時代の大福帳!丈夫な紙はこうして再利用されていた】

【豪華な欄間は部屋ごとに裏表の模様が異なり圧巻】

リターンについて

3千円から、様々なリターンをご用意し、ご支援を募っております。

<とにかく応援したい!という方へ>

返礼のリターン品はなく、メールにて感謝の気持ちをお伝えさせていただきます。
3千円、1万円、5万円のプランがございます。

<武州藍染に興味あり!という方へ>
羽生市、明治創業の小島染織工業様による、オリジナルコースターとバッグをご用意しております。

<とみ田やを体験してみたい方へ>
スタッフの得意を活かして、「とみ田や」にて茶道、お三味線、瞑想の体験プランをご用意しております。
(建物の修理後を予定しており、10月以降になりますことをご了承ください。)

<空き家再生!とみ田やに纏わるエトセトラを知りたい方へ>
建築士による建物の見どころ、とみ田や再生の道のりなど、ご紹介させていただきます。

~詳しくは「リターンを選ぶ」→各メニューの詳細をご覧ください~

スケジュール 

5月 雨漏りしている屋根の瓦の葺き替え
6月 トイレと水場の設置、傷んだ畳の張替え
7月 障子、襖など内装修理 ★お茶飲み場「とみ田や」オープン★
8月 クラウドファンディングのクローズ
9月以降 返礼品のご連絡(随時)

資金の使い道

1階瓦屋根の履き替え費用(約250万円)に充当させて頂ければと思います。

【崩れた瓦屋根はブルーシートで応急処置】
【屋根から染みた雨は壁へ・・・】


募集方式について

本プロジェクトはAll-In方式で実施します。とにかく雨漏りは何としてでも止めて、次のステップに進む予定です。

最後に

私達は「 とみ田や」の美しい建物を復活させ、羽生市の歴史を残し、未来へ活かします!
羽生の街で人がつどい、つながり、触れ合いを感じる場として、伝統家屋「とみ田や」を現代に活躍させるために、どうぞ皆さまのお力添えをよろしくお願いいたします。

~~運営スタッフ紹介~~

◎◎さっちゃん◎◎
「とみ田や」の元住人。当時は寒くて古いこの建物が好きではなかった。就職で地元を離れ、ライフステージが変化していく中で、心身の不調をきたした時に、古民家の心地よさに癒され、古き良き物への愛しさがぐっと芽生えた。一方、誰も住まなくなってから20年以上が経過した「とみ田や」は、風雨で傷み、負の財産とみなされ、壊されることが検討されていた。「とみ田や」の良さに気付いて、建物を活かしたい!と思ったプロジェクト発起人である。茶道の先生でもあり、「とみ田や」で美味しいお茶を提供したいと思っている。

◎◎エリカ◎◎
物心ついたときから建物が好きで建築士に。子供の頃、長野の伝統家屋「本棟づくり」に一目惚れし、以来、日本各地の伝統的な日本家屋を巡り、その価値を伝えて残していくために日本民家再生協会「民家の学校」や、かながわヘリテージマネージャー協会に参画。

「いくつもの古民家に関わるうちに、伝統の技術や工法といった良さだけでなく、その家がもつ感情みたいなものがあると確信しています。もちろん、自然素材が持つ温もりや心地良さもありますが、それだけではありません。昔は家を建てることは一大事でしたから、柱や床板ひとつでも、木を伐採して加工するときから始まって、素材が大切に扱われ、住む人にも大切にされてきた家はとても温かい気持ちが感じられます。とみ田やは、とても温もりを持った家なので、ぜひ多くの人にこの心地よさを感じてもらいたいです!」

◎◎ユキ◎◎
二児の母。末っ子は発達障がい&知的障がいで、かなり特徴的なこともあり、一般的な習い事や子どもイベントへの参加には、気遣いや配慮が必要だったり、親が気疲れしてしまい、躊躇しがち。いわゆる普通の子よりも経験値が少ないかも…と悩んでいる。親も子も周りを気にせず、楽しく参加できる遊び場やイベントがあったらなぁ… という想いから、「とみ田や」では、凸凹で個性豊かな子ども達も親も、気を遣わずに参加できるインクルーシブな場所づくりをしたいと思っている。インドネシア、インド、アメリカ在住経験あり、英語教室やインドの大学で習得したヨガなど、自身も「とみ田や」で企画を主催したい。


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建物紹介!「とみ田や」
◆◆もっと知りたい!という方へ◆◆
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建築物の特徴

(1)外観

壁:下見板貼り及び鮮やかな青の漆喰。
屋根:瓦、屋号付き。

(2)内部

① ザシキ

・1.2階の4間に床の間があり、主に接客用と考えられる。(2間は床の間なし)  
・書院も1,2階共にあり。(書院障子は盗難にあい、紛失)

【床柱】ブビンガや、こぶ丸洗出しなど 

【床脇】狆潜りを施されている所あり。

・間仕切り欄間にはそれぞれ、異なる縁起物彫刻が施され、縁側側には組子欄間。

・組子の種類も異なる。砂壁部分には貴石を利用した可能性が高い。(目視確認) 

室内の漆喰壁は淡い水色で高い技術の必要な「藍」を使用した可能性あり。(調査依頼中)

【竿縁天井】すべて猿棒で仕上げされている。

障子は引分猫間。

【丸窓】化粧窓(竹小舞) 松皮菱の障子あり

②縁側

1.2階とも広い縁側があり、1階の縁側間口は1間。
縁側に使用されている桁丸太は、1.2階共つなぎもなく長さ15m程にも及ぶ大木。

③玄関

天井は格天井。格縁の間にはケヤキ板。杢目の向きを変えている。

下駄箱の上の違い棚の束はネジレ木を使用。

④階段

箱階段

⑤構造

一部の壁には筋交いあり。火打ち材もみられた。基礎は石場建。

⑥意匠
数寄屋造り、書院造りが混在している


建築物の価値

● おもてなし文化という日本文化の象徴。
● 藍漆喰や複数色の素材を利用した砂壁など左官技術を残す価値としても大きい。
● 伝統工法と在来工法が混在する建築で、伝統工法から在来工法へと移行する形式の流れをを現在に伝える例として貴重な建築と言える。
●良質な材を使用し、高い造作を施され技術、質ともに貴重な遺構といえる。


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  • 2024/06/12 11:39

    とみ田やに初めて来られる方は、その縁側の広さに驚かれる。幅は約170cmと畳の縦の長さと同じ位で、長さは約14mと、かなり広い廊下だ。見上げると15mの一本の丸太が屋根を支えている。立派な縁側は、ウレタンで塗装されていたので、所々はがれてしまい、ざらつきがあった。剥がれかけたマニキュアのような...

  • 2024/06/03 17:30

    羽生市内の商店街などで古くから営んでおられる方は「冨田染工」と言えば、「あぁ素敵な建物よね」と言ってくださるが、殆どの方の反応は「ヤオコーの向かいに、そんな古い建物はあったかなぁ?」と首をかしげる。お庭には沢山の木が植えられており、びっしりと生い茂った枝が、「とみ田や」の外観をほぼ覆い隠してい...

  • 2024/05/27 20:00

    土曜の朝、とみ田や。エリカは荒板(畳の下にある板)を外してみた。何とか潜れそうな高さを確認すると、ワークマンで買った不織布スーツを着て、眼鏡とマスクを装着。いざ、床下へ!何十年も誰も入らなかったであろう建物の基礎を隈なく確認する。やはりあった…シロアリの跡。意外にもごく一部だけで、もうだいぶ前...

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