有機天然素材(オーガニック)素材の温もりに魅せられて気がつけば30年。

はじめまして、天然素材アクセサリー(べっ甲や真珠、珊瑚、琥珀など)のデザイナーをしている和久田和之と申します。わたしは若いころより天然素材の持つ魅力に惚れ込み、天然素材アクセサリーをつくって三十数年になります。

太古の森の化石である琥珀

人類最古の宝石と言われる琥珀は、古代より「人魚の涙」「太陽の欠片」と呼ばれ珍重されてきました。琥珀の原料は古代の針葉樹の化石で、なかに木の葉などが閉じ込められているものもあります。鉱石よりもごく軽いために躰に負担なく大きな粒のアクセサリーもお楽しみいただけます。本来は太陽の欠片の名にもあるような温かい黄褐色の石ですが、ポーランドの独自の染色技術によっていろいろなカラーのものも手に入るようになりました。なかでも柔らかな黄褐色の石は「マスカットアンバー」と呼ばれ、琥珀の原木が生きていた頃の葉の輝きを連想させる美しいものです。
ロココブランドはポーランド産の天然琥珀を使用しています。
皆さんに琥珀の魅力を奈良・京都で活躍されている若き螺鈿工芸家、日下部裕介さんの技とともにお届けしたいと考えました。

若き伝統工芸家の感性が天然素材の魅力をひきだす

前回のプロジェクトで出逢った日下部さんの作品には伝統的な技法を学んだ丁寧な技術とともに、若い人らしいモダンな感性を感じます。日下部さんは、大学で民俗学を学ぶなかで漆の技法に触れる機会があり、卒業後に心機一転輪島に移り、漆の伝統工芸の技法を学んだという変わり種です。その後、奈良の重要無形文化財保持者である北村昭斎氏のもとで螺鈿を学び、普段は寺社の修復などに携わりながらご自身の作品をつくっておられると聞きました。

螺鈿工芸は夜光貝、白蝶貝、黒蝶貝、アワビ、などの内側、虹色光沢お持つ真珠層のの部分お切り出した板状の素材に漆塗りお施した表面に彫刻し、その模様に合わせて切り出した貝片をはめ込み、さらに上から漆塗りから炭で研ぎ出して艶が出るまで磨き仕上げていきます。奈良時代に唐から伝わり日本人の繊細な感性と共に親しまれてきた工芸手法で、正倉院の宝物のなかにも残されています。

貝の螺鈿工とべっ甲はもちろんですが、天然素材の相性はとても良いのです。螺鈿の伝統技法が今もなお若い工芸家の手の中で生まれていく。それは天然素材のアクセサリーをつくってきた自分にとってやりがいのある仕事です。

ウクライナ戦争が影響する素材調達の困難

バルト海沿岸で産出される琥珀はバルチックアンバーと呼ばれ世界の産出量の80%を占める世界最大の産出地域です。バルト海に面したロシアの飛地カリニングラードは琥珀の主産地で産出された琥珀はリトアニア.ポーランドを通り世界へと広がっていきます。
カリニングラードは琥珀の主産地だけでなくバルト海を睨みヨーロッパと対峙するロシアの重要な軍港であり周辺地域に黒い影を落としています。ウクライナ戦争はエネルギー資源のみならず琥珀の流通にも大きな影響をもたらし流通量の減少をもたらしています。
平和な時は世界で分かち合う太古の恵みや天然の素材が、その平和が損なわれると入手が困難になってしまうのは悲しいことです。私たちは大事な素材である琥珀に触れるとき、その生まれ故郷に想いを馳せ、その地が平和に戻ることを祈らずにはいられません。

ひとつひとつが手作業の一点ものです

琥珀、べっ甲、真珠などの天然素材はひとつひとつが一点ものです。
ことに琥珀にはグリッターと呼ばれる太古の木の葉などが閉じ込められていることがあり、細い線のように見える内包物は傷ではなくグリッターなのです。べっ甲もまた斑の入る様相が唯一で、世界に同じものがふたつとありません。
天然素材に螺鈿工芸家がひとつひとつ螺鈿や蒔絵を施しているRococoの製品は時間のかかる手作りの一点ものなのです。

温もりのある天然素材のアクセサリーの魅力をお伝えしたい。

こうして手間と時間をかけてつくられた天然素材アクセサリーは、手仕事ならではの温もりがあり、琥珀に入るグリッター、べっ甲の斑の模様や蝶貝の色はひとつひとつ同じものはありません。
お手元にお届けする作品との出会いは世界でひとつのものです。
天然の命から生まれた素材、いわば命をカタチにすること、日本に昔から伝わる技を守ることを大切に考えて心を込めてひとつひとつおつくりしています。
日本人が古来より愛してきた天然素材のやさしい美しさをぜひ、身に着けてみてください。

アクセサリーを長く使っていただくために。

最後に、お手もとに届いた作品のお取り扱い方法について、お伝えしたいと思います。

琥珀は樹木の樹脂が数千万年の時お経て化石化した植物性の宝石であるため、一搬の宝石「鉱石」と比べ植物特有の柔らかな性質を有しています。

琥珀の取り扱い方法

琥珀は太古の樹木が化石化した植物性のものであり、非常に軽いことが特徴ですが、他にも様々な特徴がありますのでお取り扱いの上でご注意されてください。
まず、鉱石などと比べて柔らかいため、硬質なものとの接触で傷がつく恐れがあります。
また、水、湿度に強い性質を持つ反面、乾燥することを嫌う素材です。
ご使用後は柔らかい布などに包んで箱に入れて保存されることをお薦めします。
傷がつきやすいのですが、磨けば元の状態を取り戻します。
※研磨が必要な際は弊社でもご相談をお受けしております。

べっ甲の取り扱い方法

べっ甲は亀の甲羅が材料です。金属などとは違い、軽くて柔らかい素材ですので貴金属に接触、摩擦すると傷がつく恐れがあります。また、高温には弱いので強いライトの直射は避けてください(太陽光は問題ありません)
お使いになった後は柔らかい布で汗、よごれをぬぐい、保管してください。
天然素材は長年ご使用になると艶が落ちてくることがあります。
艶だしなどの修理の場合は専門の業者にご依頼ください。
※弊社もご相談をお受けしております。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください