タイ・バンコクを活動拠点としている演出家・篠田千明。今年2018年の7月から9月にかけてバンコクで開催されるアート・フェスティバル「Bangkok Biennial」に参加します。約5年の間に知り合ってきた友人たちとともに、新作を含む3つの作品をメインに「超常現象館」を作り上げていきます。

プロジェクト本文

▼はじめに

このプロジェクトに目を留めてくださってありがとうございます。演出家、作家の篠田千明です。

2018年7月から9月まで、東南アジアの都市であるタイ・バンコクで、「Bangkok Biennial(BB)」という大規模なアート・フェスティバルが開催されます。このフェスティバルにはキュレーターが存在せず、プラットホームだけが用意されているのが特徴。そのため、各自が自由に企画して作品を発表するというスタイルをとっています。

 

日本・東京を離れて、タイ・バンコクを拠点にして活動をはじめて約5年となる私は、そのバンコクライフで知り合ってきた友人とともに、今回、「超常現象館(Supernatural pavilion)」としてバンコクのお寺で3つの作品を発表します。ここでは、その資金をクラウドファンディングで募る理由や制作する作品のテーマなどについて説明していきます。

▼クラウドファンディングで資金を募る理由

私が参加する「Bangkok Biennial(BB)」を運営しているのは、アノニマスで集まった人たち。バンコクやタイ、東南アジアで活動している同士で、そのネットワークのなかで人から人へ、口コミ的に参加するメンバーが集まったのです。場所や資金を誰かが提供してくれるわけではなく、自主的に企画し、誰でもwikiでイベントが編集できて、開催期間中はアプリで全体の情報を流す。資金も自力で集めてみよう。今回、クラウドファンディングで資金の募るのは、そういった理由からです。

▼メインは3つの作品制作

超常現象館の会期は三つに分かれていて、それぞれひとつずつ計3つの作品を発表しようと考えています。3つのうち、2つが再演で1つが新作です。

1つめは、ダンサーの福留麻理とのコラボ作品「5x5 Legged Stool」。この作品は、1964年に描かれたダンススコアから時間を立ち上げていくものなのですが、同じ踊りの過去の映像が重ね合わせていき、まるで幽霊のようにもみえる過去の自分の映像とともにダンスを上演するという作品。こちらは以前の作品の再演です。

(photo by 加藤和也)

2つめは、ダンサーのAokidとのコラボ作品「Tiger, Tiger(仮)」。こちらは新作となります。今回のイベントで「超常現象」をテーマになったのは、5年くらい関係しているバンコクの「ナンロン」という地域で聴いた七不思議の話がきっかけでした。このナンロンという不思議な地域をリサーチした結果を、アーティストのインスピレーションとともに作品としていきます。

 

3つめは、「ZOO VR installation」というVR(ヴァーチャル・リアリティ)を使ったインスタレーション作品。「現代魔術師」という肩書きを持っているゴッドスコーピオンとのコラボです。この作品はZOOという演劇作品のインスタレーション版です。ZOOは2016年に京都エクスペリメントで初演し、2018年2月には東京で再演されました。見えないものを見る者と、その姿をみる者の関係を作品化したものです。

またゴッドスコーピオンがNYOTAIMORI TOKYOのMyuと組んで制作中の死後の世界を生きながら体験する新作VRコンテンツも展示されます。

 

これら三つは、ナンロンにあるお寺にて連続上演、敷地内での展示になります。

⬇️⬇️⬇️候補地、雰囲気ありすぎ

この3つの作品を通して、「超常現象」というキーワードとの重なり合いを可視化していくこと。これらの作品を連続して上演することで、浮かび上がってくる何ものか。それを皆さんと一緒に体験してみたいと考えています。

「演劇という方法」と「幽霊をみること」の共通点のようなものを浮かび上がらせることも隠れテーマのひとつです。

▼バンコク心霊スポットのリサーチ

今回の企画では、まずバンコクの心霊スポットのリサーチから始めました。このリサーチの舞台の中心は、「超常現象」というテーマのきっかけとなった「ナンロン」という地域。この地域に暮らしている歴史の生き証人たちのインタビューや、地元の寺院の儀式などを詳しくリサーチしていきます。

例えば、今回の取材の過程で虎憑きを見ました。

ガイドのような人が龍の鞭で白い服をきた青年に虎の霊を呼び込み、憑依した青年はそのまま四つ足でゆっくり歩きまわり、祠の前で生肉を食べ始めました。

 

またそれ以外の地域でも、昔から幽霊が出ると噂のエリアを取材し、そのあたりのお寺では今でも一番強い霊力のあると言われる胎児のミイラが、今でもまだ保管されているそうです。お守り市場で商売を営む家族にインタビューをしたり、今でも呪術に使うようなものが売ってるか調べてみたりする予定です。

〓〓これらのインタビューやレポートは全てアーカイブ本に掲載されます〓〓

▼イベントの会期

 

BBは7月1日から始まりますが、超常現象館は以下の日程で開催されます。

1) 2018年8月17・18・19日

 「5x5 Legged Stool」
  福留麻里

2) 2018年8月25・26日

 「Tiger, Tiger(仮)」
  Aokid

3) 2018年9月7〜15日

 「ZOO VR installation」

「KANNAGARA(仮)」 

God Scorpion, Myu(NYOTAIMORI TOKYO) and more!!!

▼資金の使い道

 

 

今回、皆さまからのご支援で集められた資金は、リサーチ経費や冊子の制作、作品制作費などの費用として大切に使わせていただきます。

〈必要経費〉

・アーカイブ制作:25万円
・zine制作:5万円

・郵送費:5万円

・お土産、ステッカー:3万円

・作品制作費(機材や設営費など):15万円

・3組のアーティストのバンコクまでの交通費や宿泊費、報告会交通費:30万円

▼リターン(お返し)について

バンコクのオカルト・リサーチのアーカイブ冊子(300部限定)をお送りします。

また、そのリサーチでつくられたゴーストツアーを旅のしおりとしてまとめたzineも制作(英語)。デザインにはメインビジュアルのお化けたちのイラストも描いた、Jay Vatanakuljaras。リソ刷りでオカルトスポットを2泊3日で回れる工程表と、お化けと地図が一緒に描かれたzineは、超常現象館の期間中会場でも発売します。

さらには、オリジナルお守りステッカーやタイのおみやげも。東京での報告会も11月上旬に行われます。

また期間は限定されますが’バンコクに来た人が参加できるツアーのアテンドもあります。

昔販売されてたのが’このステッカー。もう売ってないらしい。

Pisitakun Kuntalangにリデザインをお願いしている。

▼アーカイブ本の仕様

表紙はTada Hengsapkul

(画像は彼の作品でサンプルです)

A5サイズで108ページ程度になる予定です。

主なコンテンツ

☆リサーチ

・会場でもあるナンロン近辺、虎憑き、火渡りレポート
・古くからバンコクの心霊スポットとして有名なワット・ドン近辺レポート
・河沿いにあるお守り市場で仏像を売っているお店レポート

☆インタビュー

・踊りの先生から聞いた、過去にやっていた悪霊払いの話
・廟に常駐しているシャーマンへのインタビュー

☆対談

・福留麻里×Aokid
・地獄ちゃん×ゴッドスコーピオン

☆寄稿

・高田胤臣(現代タイの都市伝説)
・地獄ちゃん(タイの神々について)

ーーーーー

コンテンツはもっと増えます。

▼参加アーティストたちのコメント
Aokid(ダンスアーティスト)

2008年に一度ブレイクダンスのアジア大会でタイに足を踏み入れてその年にブレイクダンスを離れました。 現在は音や物理的な連なりなどからダンス作品を作っていくことが多く、今回は超常現象ということを相手に作品を制作していくわけですが、過去に取り組んだブレイクダンスは果たして役に立つのかとか考えています。 作品を制作にしに行くわけですが相手が相手なだけに気分は冒険しに行くような気分です、なんとかトラベラーみたいに頑張りたいと思います!ご支援よろしくお願いします!ピース!(photo by KABO)

福留麻里(ダンサー・振付家)

50年以上前にアメリカで書かれたダンススコアと、そのスコアをうんうん唸りながら読み解いて4年前に立ち上げられた動きたち、それを映し出すタイで撮られた3年前の映像。スコアを作ったアメリカの振付家アンナ・ハルプリンさんは、97歳でまだ生きていて、そんないくつもの時間軸を、ゆらゆらと共存させながら5×5はこの夏、タイのお寺に出向きます!お寺のお墓で眠る幽霊の皆さんも、一緒に踊りだしてもらえたら幸いです。ご支援よろしくお願いします!(photo by Kazuyuki Matsumoto)

 

God Scorpion(メディアアーティスト)

師匠である篠田さんが普段タイに住んでいるので
自分も過去トータルして1年の半分くらいをタイで過ごしました
コンビニ間隔の距離感で占い師が存在し
お坊さんにLineで相談するのが当たり前の感覚としてある国タイ
デジタル魔術サイトスペシフィックであり続けるこの街に
「超常現象館」が出現するというアクチュアリティの爆発に
今回巻き込まれる事をとても嬉しく思います

▼現地での取材アシスタントからコメント
ぷーあん

子供の頃からずっと聞いてたけど、1度も見たこともないし、よく知らない悪霊払いとか、シャーマンのこととかを逆に日本人の篠田さんに教えてもらって、おー面白い!と気づきました! お寺で自分たちのその怖い文化が日本のダンサーさんを通って現れるパフォーマンスを見ればタイの人たちもとても喜ぶと思います。 そして、劇場じゃなくて、お寺とか街でパフォーマンスして、ダンス、演劇観るのに普段は興味のないおばさんたちとか子供たちとかそこらへんに住んでる普通の人たちが見れるのがすごくいいことだと思います。楽しみにしています。

▼さいごに

最後に、バンコクで友達から聞いた20年前くらいに流行ったと言う話を一つ。

バンコクのとある高層住宅にカップルが住んでいた。

ある時女がその部屋から飛び降り自殺をしたが、 男はそのままそこに住んでいた。

けれど、夜になると、女の声がしたり動き回る音がしたりするので男は怖がって、寺に相談に行った。

お坊さんは、「それでは、ベッドの下で寝なさい」と行ったが、言う通りにベッドの下で寝た男はそのままベッドの下で死んでしまった。

友人たちは「なんでそんなこと言ったんだ!!」とお坊さんにことの次第を言うと、

「待て待て、そもそも、その女はどうやって死んだのだ」と聞く。

「飛び降り自殺です」「どこから地面に着いた」「頭からです」

お坊さんは、そうか、と、こう説明した。

女は頭から落ちて死んで、死んだ状態のまま幽霊になっている。

つまり頭を地面につけて逆さまの状態で男を探し回っていたから、ベッドの下で寝たことで見つかってしまったのだ、という。

〓〓〓

初めて聞いた時、なんか想像したことないタイプで怖かったです。。。

今回のアーカイブ本は、バンコク好き、オカルト好き、旅行好き、パフォーマンス好き全方向に楽しい感じで作りますので、ぜひみなさま、手に入れてください!!

 

▼自己紹介

■篠田千明


演出家、作家。1982年東京生まれ。
2004年に多摩美術大学の同級生と快快を立ち上げ、2012年に脱退するまで、中心メンバーとして主に演出、脚本、企画を手がける。
以後、バンコクを拠点としソロ活動を続ける。近年は「四つの機劇」「非劇」と、劇の成り立ちそのものを問いながら作品を制作し、最新作はチリの作家の戯曲を元にした「ZOO」。
2016,17年度セゾンジュニアフェロー。 

  • 活動報告

    会場エリアの関羽公廟のお祭りに行く

    2018/06/23

    プロジェクトを公開して一週間経ちました。 すでにご支援していただいた皆様には、全力で感謝してます!! 今日は、前回、虎憑きを見た時に、今度はみん…

このプロジェクトの問題報告やご取材はこちらよりお問い合わせください