ケーテ・コルヴィッツとピエタ
ケーテ・コルヴィッツは20世紀前半のドイツを代表する女性芸術家です。
彼女の人生は第1次世界大戦で息子が戦死したことで大きな転機を迎えます。彼女は、我が子を失った悲しみを生涯抱えながら創作を続け、作品を通じて戦争の理不尽さを訴えました。
第2次大戦時にはナチスによって発表の場を奪われながらも諦めることなく作品を制作。ナチスの監視を避けて制作された母子像「ピエタ」には戦争で我が子を失った母の想いが溢れています。
作者 和田庸子とは
川崎の市民劇団「京浜協同劇団」で活躍していた和田庸子は、ある日ケーテの作品と出合い一瞬で心を奪われてしまいました。「ケーテの生涯を芝居にしたい!」そう決意した彼女は、長い年月をかけて本作品を書きあげ、2010年に同劇団によって上演されました。
しかし、誰もが彼女の次回作を楽しみしていた2022年5月、彼女は急な病に倒れそのまま帰らぬ人となりました。享年66歳。志半ばでの、あまりにも早すぎる死でした。
再演に向けての私たちの想い
種子を粉にひいてはならない
この公演のサブタイトルでもある「種子を粉にひいてはならない」は、ケーテの晩年の版画作品の題名から取られました。「未来の種子である子どもたちの命を戦争で理不尽に失うことはあってはならない」というケーテの想い、それは時空を超えて和田庸子に受け継がれました。
そして今、戦火の絶えないこの世界だからこそ、再びこの思いを伝えたいのです。2人のアーティストの遺志を多くの人と分かち合いたいのです。
京浜協同劇団とは
1959年創立の川崎市の市民劇団。「この日、この地で、この人々と」をモットーに地域に根差した活動を展開。演劇だけでなく、和太鼓公演「日本の太鼓」も高い評価を得ている。1994年には、地域劇団としては日本最大級の規模の稽古場兼小劇場「スペース京浜」を建設。川崎市文化賞・神奈川県弁護士会人権賞など数々受賞歴多数。
■上演履歴
https://keihin-theatre-kako.jimdofree.com/
「黒と白のピエタ」公演概要
■公演日
11月29日(金)〜12月1日(日)
12月7日(土)〜12月8日(日)
■場所
スペース京浜
神奈川県川崎市幸区古市場2-109
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