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自己紹介

はじめまして。Mikuと申します。私には生まれつき脳性麻痺という障害があり、電動車いすに乗って生活をしています。普段は障害のある方々の就労を支援する仕事をしながら、障害当事者としての経験や想いを伝えるソーシャルワーカーとして活動しています。
今回、私にはどうしてもどうしても諦めきれない夢があり、勇気を振り絞って一人で人生で初めてのクラウドファンディングに挑戦することにしました。


はじめに、私のこれまでを簡単にご紹介させてください。

生まれた時から手足に障害がある私の毎日は、日々の小さな幸せと同じくらい、大変なことや理不尽な想いをすることがたくさんあります。自分に障害があることで「前例がない」とたくさんの幼稚園や学校に入学を断られる経験をしたり、車いすに乗っている私を見て「かわいそう」という視線を向けられたり、学生時代に就職活動をした際にも「車いすの人にこの仕事は難しい」と挑戦する前から無理だと決めつけられてしまったり。

生まれた時から障害がある私にとっては、車いすに乗って手が不自由なことが「普通」なのに、友人にも恵まれ幸せなことも多くあるのに、「多数派の普通」から少し外れてしまうだけで、そんな私の日常を何も知らない人々から「大変そう」「不幸だ」「無理だろう」と決めつけられてしまうことに、私は言葉にできない悔しさと悲しさを強く抱いて生きてきました。




大きな転機

そんな社会に対するもやもやを誰にも言えずにいた大学生の頃、私はとある障害者向けの財団からご縁を頂き、約半年間アメリカのボストンにてリーダーシップの研修を受ける機会を得ました。その中研修の中で私は「障害に関する問題は個人の責任ではなく、社会全体の在り方の課題である」という、社会モデルと呼ばれる考え方に出逢うことになります。



私はそれまで、障害が理由で理不尽な思いをしても「障害があるから仕方ない」「悔しくても悲しくても自分が耐えれば良い」と思っていました。「自分さえ我慢すれば周りは何事もなく平穏でいられるのだから」と自分の痛みを隠して無視をすることで、私は自分の心を守っていたのだと思います。当時の私には、それが自分を守る精一杯の術でした。

しかし、たくさんのあたたかい人々と社会モデルの考え方に出逢えたことで「好きで障害者になる人なんて誰もいないのに、理不尽な理由で傷ついても仕方のない人なんていない」「障害のある人もない人も、平等に人としての尊厳と権利を与えられるべきである」そう心から思えるようになりました。そして、「社会に変わって欲しいと思うなら、まずは自分自身が変わらなければいけない」そんな私自身の信念が生まれ、社会に対する悔しさを前向きな力に変えて周りの人達と一緒に社会に変化をもたらすことの重要性を私は強く感じるようになりました。



私のいま

私達障害者が日々直面する社会にある壁をみんなで壊していくためには、壁そのものの存在や、壁にぶち当たった時の悔しさや無力感、孤独感といった私達のありのままの気持ちを一人でも多くの人に知ってもらう必要がある。


そんな想いから、私は帰国後から「等身大の私の声を届ける」ということを大切に講演会を行うようになりました。
大学在学中の海外研修報告会から始まったこの経験は様々なご縁のおかげで少しずつ活動の幅を広げ、今では小学校や市民向け講演会、障害のあるお子さんのための家族会など年間100名以上の方を対象に講演会を行っています。

障害当事者としての私の経験だけではなく、「できないことがあっても良い」「人ぞれぞれの”普通”があって良い」「大切なのは偏見をなくすことではなく、まずは自分の中の偏見に気づくこと」といった障害の有無に関係なく私が伝えたいメッセージをそれぞれの講演会に込めています。





また、SNSでは車いすユーザーかつソーシャルワーカーとしての私の日々を継続的に発信しています。特に私と同じような障害当事者の方や障害のあるお子さんを育てるご家族からの反響が大きく、「自分が言葉にできなかったモヤモヤを代弁してもらえた」「自分だけじゃないと思えた」「こどもの気持ちを代弁されているみたい」と言っていただくことが増えました。ここでも「飾らないストーリーをわかりやすく伝える」 ことを大切にしています。



2022年にはSNSのフォロワーさんの声をきっかけにJRの車いす対応の改善策を求めて約42,000筆の署名を国土交通大臣に提出する署名活動も行い、現在では約45,000筆の署名が集まっています。
JRも他の鉄道会社と同様に、車いすユーザーが何本も電車を見送らずに電車に乗れる駅間連絡の仕組みを作ってください!



私の大きな挑戦

様々な発信活動や仕事など、一人ひとりと向き合うことやりがいは多くある一方で、私自身のキャリアや活動の幅が広がるにつれ、私にできることの限界も感じるようになっていきました。

できないこともあるけどできることもたくさんあるのに「できない」「まだ早い」と決めつけられてしまったり。
伝えたい気持ちはあるのに、耳を傾けてくれる相手や場所がなかったり。
「前例がない」「あなたには無理」と言われ続けて自分のやりたいことやありたい姿を打ち消すようになってしまったり。
周りの大人に守られすぎて、自分で物事を決めたり失敗したりしながら自分の世界を広げる機会が少なかったり。
逆に「みんなと同じになること」を求められすぎて苦しい気持ちを1人で抱え込んでしまったり。
障害があるからこそいろんな可能性を模索した方が良いはずなのに、障害のある人達の進路の選択肢がすごく限られていたり。 
悲しいことや悔しいことがあっても「自分さえ我慢すれば良い」「障害があるから仕方ない」と自分に言い聞かせていたり。


こんな風に社会に届かない声を持っている人達は、私以外にもたくさんいることをより痛感するようになったのです。

そして、私と同じような想いをしている障害当事者やそのご家族から様々な声を聴けば聴くほど、
たくさん悔しい思いをすればするほど、そして私を支えてくれたたくさんの味方に出逢えば出逢うほど

「障害や病気を無くすことはできないけれど、
こんな風に私達に無力さを与えてしまうような社会の在り方を変えていきたい」と思うようになりました。


障害のある人達、子ども達、ご家族が、のびのびといられる社会を創りたい。

自分のどんな気持ちも大切にして良いし、
自分達らしく生きたいと願うことはわがままではないと伝えたい。


なんなら、障害だけじゃない。

「こうあるべき」や「普通」に縛られて
自分を見失ってしまったり、自分を諦めてしまったりする人達が
1人でも多く自分自身を大切にして生きられるように
私にできることをしたい。


障害のあってもなくても
自分の素直な気持ちに正直に、相手のことも尊重しながら
何にも囚われず自由に自分の人生に誇りを持って生きられる人が
1人でも多く生きられる社会であって欲しい。


そう考えた時、今の私に必要なことは


私自身が広い世界を見て、いろんな生き方を知って、自分と誰かの自分らしさを守るための知識と経験と感覚を得ることなんじゃないかな、と思うようになりました。
人種も国籍も宗教も性的志向障害の有無も生き方多様な人たちが溢れる環境の中で、私の中の「普通」や「当たり前」をたくさん壊してアップデートしていろんな人が自分らしく生きられる環境を日本に創りたい。障害のある子ども達やそのご家族が自分らしくいられる場所を創るにはどのような環境因子が必要なのかを学びたい。


それからいろんな道を考えた結果、車いすでも過ごしやすくて、アメリカでもトップクラスのソーシャルワークと特別支援教育が学べ、何より7年前の私に大きな学びを与えてくれたボストンの地でさらに学びを深めたいと考えてボストン大学修士課程を受験し、合格を頂くことができました。


トラウマケアという専門的な視点からソーシャルワークを学び、併せてインクルーシブ教育を基盤にした特別支援教育を学ぶ、ソーシャルワークと特別支援教育の二重学位取得を目指しています。

(ボストンの電車に乗ろうとしている私)


もちろん大学院在学中もSNSでの発信やオンライン講演会は引き続き続けていきますが、私にとっての大学院修士課程は、ゴールではなく過程のひとつに過ぎません。

アメリカはソーシャルワークの発祥地であり、インクルーシブ教育の面でも日本よりも制度上整っており進んでいると言われています。
ボストン大学を受けた理由はこれ以外にもたくさんあるのですが、そのような場所で専門知識と経験を身につけて大学院を無事卒業できたら、これまでに私が培ってきた繋がりを大切にして、障害のある子どもも大人もご家族も、安心して弱音を吐けて、ひとりじゃないと思える空間を日本に創りたい。障害のある子ども達の主体性を伸ばすための教育的なサポートをしたいし、日本にインクルーシブ教育を広めたい。

障害コミュニティのためにやりたいことがありすぎるのです。


「お金は降ってはこない」―障害があるからこその壁

それでも、たとえ合格をもらっていても、大学院進学を叶えるのには大きな壁がありました。それは、経済的な負担です。そもそもアメリカの学校は学費や生活費が高いことに加えて、私に障害があることでバリアフリーの住居や日々の介助者を雇うことなども必要になり、障害のない学生に比べて費用がかかります。円安もあり、全ての費用を合わせると1年間だけで日本円で1000万円を超えることになってしまいました。

いくら熱意があっても暮らせなければ意味がない。

奨学金や借金などいろんな道を活用したとしても2,3年間分の捻出は難しく、合格したけれど諦めるしかないのかなと思いました。とはいえ、何年も目標にしていたことを簡単には手放せず、私はどうしたいのか、本当に価値があるのか、価値を学びに見いだせるのか、何度も自問自答しました。


私の夢は私だけのものじゃない

正直今も答えなんて出ていませんが、私がこの道を目指していた時からずっと変わらずに思っていることがあります。

それは「大学院留学を私のためだけのものにしない」こと。

私の周りには、障害や病気の影響で、留学を諦めざるを得なかった人達がいます。
留学どころか、日々のお出かけだって、したくてもできない人達もいます。障害や病気、環境を言い訳にしているのではなく、やりたくてもどうしてもできないことがある人達がたくさんいるのです。

私の叶えたいことを考えると、そういう人達の顔がたくさん思い浮かんできて。おこがましいかもしれないし、ただの私の自己満足に過ぎないかもしれないけれど、私の夢はそういう人達の想いまで背負っているのだと思っています。そうやっていろんな人の声を私のできる範囲で体現することが、私にできること、すべきことだとも感じています。

私の学びと経験は、絶対にみんなに還元する。私の夢ややりたいことは、私だけのものではないのです。



諦める前にできること

そう思うと、やっぱり諦めきれなくて。

ダメ元でも、せめてできることはやり尽くしてから諦めたい。


そう思って、勇気を振り絞ってクラウドファンディングをはじめました。
個人の学資資金のためにクラファンなんて、と思う方もいるかもしれません。
私も思いました。何度も迷いました。海外ならまだしも、日本で見たことない。


私に障害がなかったら、介助者もバリアフリーも関係なくもう少し費用も抑えられたのかな。
そうも思いました。
でも、もしも私に障害がなかったら、きっとこんな夢もできなかった、とも思うのです。自分と、自分以外の誰かのために、こんなにも動きたいと思えるものに出逢えているのは、間違いなく、私自身のこれまでの障害当事者としての経験があったから。

だから、やらずに後悔したくない、と思っています。

何より、もし奇跡的にみんなの力で資金を集められたら、「大学院留学を私だけのものにしない」ことをより強く約束できる。そう思いました。


大学院卒業後の道

先述した通り、大学院卒業後は大学院での学びを活かし、障害のある子ども達とそのご家族が安心して自分らしくいられるコミュニティを創ること、また日本の公教育に多様性をもたらしインクルーシブ教育を浸透させることを軸に活動していきたいと思っています。


また、私が大学院留学を通して目指したいビジョンを話すと「自分らしく生きられる環境を創ることにどのような価値があるのか」「大学院に学びの投資するほどの価値があるのか」と問われることがありました。
確かに、「自分らしく生きられる」ことの対価に目に見えるものはないかもしれません。障害が重度であれば、自分らしく生きられたとしても働いて納税することが難しい人もいます。特に障害者は、「生産性」という意味では劣る場面が多いのも事実です。
でも、だからといって障害のある人々、その他マイノリティーに属する人々、固定概念に縛られて自由に生きられずにいるすべての人が自分らしく生きることが無意味で価値がないとは私はどうしても思えないのです。人の人生の価値は、生産性や目に見えるものだけでは測れない。


そう心から思っているのに、いざ問われると納得のいく答えが言えずいつも悔しい思いをしてきました。
だから、その答えを大学院で見つけたい。
自分らしく生きることの価値、自分らしく生きられる環境を創ることの価値を、自分の言葉で伝えられる人になりたい。そう思ってもいます。



ここまで長い間読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
もし、ここまでの私の想いに共感してくださる方がいたら。
寄付でも、このクラウドファンディングのリンクをシェアして頂けるだけでも嬉しいです。

全額集まっても集まらなくても、私の留学資金に充てさせて頂きます。


▶クラウドファンディングの主な使い道
・渡航費
・日々の介助者費用
・バリアフリーの住居費用
・車いすのタイヤの予備費用
※もし経済的に今年が難しければ、合格を保持したまま貯金して、来年春もしくは秋入学への延期も考えています



皆さんのお力を貸して頂けると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。



2024.5 miku



支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 介助者費用
    バリアフリーの住居費用
    車いすのタイヤ予備費用

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

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  • 2024/06/17 22:06

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  • 2024/06/16 22:29

    クラウドファンディングを始めてから約3週間。先ほど、支援者の数が100名になりました!ここまでご支援下さった皆様、本当にありがとうございます。今目標金額までちょうど半分ほど来ています。これからもコツコツコツコツ、色々な方にこの取り組みを知って頂けたらと思っていますので、引き続き応援をどうかよろ...

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