この度の能登半島地震によって、多くの命が奪われております。ここに謹んで哀悼の誠を捧げるとともに、被災した方々に衷心よりお見舞い申し上げます。


一瞬で、能登のほとんどのお寺が被害に

〜能登はやさしや土までも〜

江戸時代の旅の日記に由来するとされ、能登の素朴さ、快く受け入れる気持ちのあり様を表す言葉とされています。
信仰心が篤い土地でもある能登を令和6年1月1日夕げの支度の時間に発生した「元旦の厄災」が、能登の人々の穏やかな暮らしや思いを消失させ、非日常へと変えました。

なかでも、寺院は建造が古く、本堂は柱と柱の間が長い構造であり、能登のほとんどのお寺が被害にあっています。再建を断念したお寺、まだ住職が他の地域に避難しているお寺、先が見通せないお寺など、過疎化が進む能登において、まさしく仏教のある暮らし、寺院全体が存亡の窮地に立たされています 。

お寺は今現在の能登の人々のみならず、他所へ移り住んだ人々のご先祖様をも静かに供養しています。また、除夜の鐘つきやご近所の相談に応じるなど地域に開かれた空間でもあります。


お寺を支える人も被災

地域に開かれているとはいえ、お寺を支えているのは門徒です。その門徒も被災しており、ご自身の生活再建で精一杯な状況で、これまで本堂の建て替えなどは門徒の寄進をもとにしてきましたが、過疎化も著しく、今回ばかりは頼ることができません。

政教分離のため、基本的に神社・仏閣には政府等からの被災支援は届きません。 
さらに「神社は集落みんなで支える。お寺は門徒で支える」という捉え方があり、お寺は公的支援から一番遠い存在にあります。
※通常の会社等の事業者には再建費用の75%を国が支援します


輪島塗の御膳・お椀が廃棄される

人生の節目の行事や催事に使われてきたのは、輪島塗の御膳やお椀。代々受け継がれてきた“お宝”と言えるものです。蔵や納屋などに保管されていましたが、今回の震災で、その蔵も被害に。蔵の解体と共に、廃棄の危機に瀕しています。


この困難を乗り越えたい

皆様に能登のお寺の救済を切にお願いしたく、ご支援(義援金)を仰ぎたいと存じます。各寺院所蔵の輪島塗の御膳をはじめとした所蔵品や書などを返礼品(リターン)とします。また、被災している門徒からも、ご処分に苦慮している所蔵品をご寄進いただき、その品も返礼にしたいと考えております。

皆様のご支援のもと、ご縁でつながったお寺が寄り合って、この困難を乗り越えていけたらと想います。何卒ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

合掌

                                               

寄り合い(メンバー)

◯願成寺(石川県珠洲市、臨済宗)‐中規模半壊‐

現在の本堂は1780年建立。本尊は釈迦牟尼仏坐像、子安地蔵菩薩などを祀っています。柱と壁が傾き、雨漏りをしていている本堂と庫裡(寺の台所、住職の住居)は修繕する方針です。
※子安地蔵菩薩…33年に1度ご開帳される女人守護と安産祈願の秘仏。膝の上に赤子を抱くお姿。

左 お骨が雨風にさらされないようにブルーシートを掛けています

↓↓↓▼▼▼屋根瓦の片付けの様子です▼▼▼↓↓↓
https://youtube.com/shorts/FlfVpd0HcpY?si=Zih76x7pzqcg_AKi



◯正久寺(石川県志賀町、浄土真宗)‐全壊 本堂解体済‐

庫裏への倒壊被害の懸念があるため、本堂を解体しました。
本堂再建は、現段階では考えることができません。御本尊は庫裏にて祀っております。
ご支援があれば、無縁墓の修復をしたいと考えております。

左 ご支援で無縁墓の修復を
右 震災前の御本尊様(本堂)です

◯長教寺(石川県志賀町、浄土真宗)‐全壊‐

全壊ながらも修復し、本堂を維持します。なお、庫裏は解体しますが、昔からの立派な大黒柱があり、残したいと考えています。 


◯正願寺(石川県七尾市、浄土真宗)‐未調査‐  

のどかな能登島にあるお寺です。村全体が甚大な被害を受けました。殆どの門徒が、半壊以上の判定で、半分が全壊です。本堂の中は全ての土壁が落ち、床が外れ地面が見えます。高齢者の多いこの村で、気軽に立ち寄れるお寺であり、何でも相談できる存在で居続けられるように頑張って行きたいと考えています。


◯慶得寺(石川県穴水町、浄土真宗)‐全壊‐   

全壊ながらも修復し、本堂を維持します。坊守(住職の妻)が2015年から改修した蔵で自然雑貨等のショップとギャラリー、カフェ「すぺーすてら」の活動を続けてきました。交流の場であった蔵も修復したいと考えています。

米袋のエコバックを作っています

◯定林寺(石川県野々市市、浄土真宗)‐被害なし‐

金沢市の隣の市にあるお寺です。幸いにも被害はありません。坊守は能登の出身です。今回の震災は寺院存続の危機との想いで、このプロジェクトを応援・協力しております。


リターン(返礼品)について

〜輪島塗御膳など。暮らしのなかで大切に使っていた品々をもう一度〜

御膳を収める木箱には、持ち主のお名前と製作・ご購入年月が記載されており、多くは、明治、大正、昭和初期製です。毎年のお祭り、子や孫の結婚式、法事などの人生の節目で用い、受け継いできました。多少の傷・色ムラは、能登の人々の営みの証として受け止めて頂けると幸いです。いつの日か、ご都合により処分されてももちろん構いません(御膳は木製)。

その他の品々も、住職が感謝して送付いたします。

百日祝いのお食い初め膳です
昔は自宅で結婚披露宴をし、門出を祝いました

法要の後、精進料理を頂いています

日常使いで「一人御膳」としてのご利用はいかかですか

マリー・アントワネット王妃はダイヤモンドより漆器!?

地元紙・北國新聞に漆芸品の価値と、輪島塗の御膳には地域をつなぎ家族を結んだ物語があるとの記事が掲載されています。歴史あるこれらの”お宝”をなんとか救済したいとの想いがつのります。

令和6年5月9日 北國新聞朝刊

スケジュール


 5月 任意団体 のと合掌 設立
 6月 クラウドファンディング開始
 8月  クラウドファンディング終了
10月 再建事業開始・リターン発送開始


支援の輪を広げ、乗り越えて行きたいプロジェクトのお寺寄り合い資料

ご縁でつながったお寺が寄り合って、このプロジェクトを立ち上げました。
この想いに共感してくださる支援者様のお力添えを賜り、さらなる輪を広げ、困難を乗り越えて行きたいと切望しております。


最後に
震災の起こった元旦は、まだ冬本番で庭の梅の木には蕾さえありませんでした。
梅は春が来たから花を開くのではありません。長く厳しい冬に耐え、自らの力で花を開き、自ら春を切り開くのです。それは能登も人も同じです。
震災の後も、能登の梅が花を付け、芳しい香りを漂わせたように私達も一歩一歩力を付け、未来を切り開いていきたいと思います。
何卒、お力添えをお願いします。

合掌

支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 設備費

  • リターン発送費、復興事業費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

  • 2024/06/20 08:00

    皆様の温かいご支援に心より御礼申し上げます。能登島・正願寺に眠っていた蒔絵の輪島塗椀、穴水町・慶得寺の坊守が厳選した”すぺーすてら”「塗物・お寺・クラフト」セットなど素敵な返礼品が用意できました。是非、皆様にご覧頂き、お手元に届けたい品々です。ご関心のありそうな方へご紹介頂けると幸いです。引き...

  • 2024/06/10 17:02

    皆様のご支援に心より御礼申し上げます。温かいメッセージも大変嬉しく拝読しております。輪島塗にまつわる興味深く心温まる記事「思い出を語り継ぐ時」を北國新聞に許可を頂き、プロジェクト本文に掲載しました。是非、多くの方に読んで頂きたいです!なお、6月1日北國新聞朝刊にこのプロジェクトが取材され「損壊...

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