ハマラノーエンの想い:共同代表・折井祐介(左)

 はじめまして、ハマラノーエン共同代表の折井です。ハマラノーエンは、私と幼馴染の柳沢(右)の二人で始めた共同農園の名前です。今では農園ブランドにもなっていますが、元々はHAMARA FARMという名前で、私たちの地元長野県諏訪郡原村(はらむら)から、日本には無いような農業をしようと友達同士で始めました。その聞き覚えのない「HAMARA」という言葉は、自分たちが出身の村「原村」の原「HARA」と、そこに原村の仲間で始めたという意味で、HARAのあいだに「MA」(→なかま)を足して作った造語です。昨年、農園名を「ハマラノーエン」に一新、日本固有のカタカナで農園を「ノーエン」とすることで、本当に表現したい本来の日本の素晴らしさと、物事に捉われないこれからの農業の在り方を表現をしようと考えて改名しました。

自分らしさの発見、新しい感動体験ができる場づくりを

 農家だけでなく会社員時代に営業マンとしての経験をもつ私たちには、ただの農体験だけでなくアグリカルチャー(農の文化)を感じてもらえるよう双方の視点で働きかけて、ここに訪れる大人も子供も一緒になって素直に自然を楽しんだり感じたり、本気で考えたり出来る場を作りたいという想いがあります。昨年も有難いことに多くのお客様から喜びや感動の声をお寄せいただいたのですが、私たちが取り組む新しい農業なら、もっとやれることがあるはず、、、という考えも拭いきれません。そこで“誰でも自由に自分らしく過ごせる場づくりがしたい”そんな想いで始めた『ハマラハウス』の体験コンテンツを拡充することで、これまで以上に新たな農を感じられる場所となり、自分らしさの発見や新しい感動体験ができる場となる。そして、八ヶ岳地域の魅力とともに農の魅力を全国に伝えていけると考えました。このプロジェクトは、それを実現するためにはじめました。

幼なじみと始めた農園ハマラノーエン。

 もともと普通の会社員だった二人(折井、柳沢)は、それぞれ違う会社の営業マンとして、様々な現実社会を生きていました。そんな中、地元八ヶ岳高原の素晴らしさに気付き、いつしか地元の魅力を引き立たせる仕事がしたいと思うようになり、その方法を模索する中、“地元の主産業である農業なら、魅力を引き立てて地域活性化もできるのではないか”という一つの可能性に辿り着きました。そんな想いで農作業の手伝いなどを続けていたある日、一大発起して二人同時に農家になりました。営業畑出身の私たちは「会って、話をして、ちゃんと知ってもらう」というアナログな対面販売方法で、作っては自分で伝えて売る、そんな農業を十数年続けています。そこで出会った多くの方々のおかげで、年々少しずつ仲間や地域の広がりが続き、いつの間にか昨シーズンでは八ヶ岳生とうもろこしを20万本以上、全国のお客様へお届けできるほどに成長することが出来ました。

「農業なんて気軽にやるもんじゃない」祖父母の反対からスタート。

 農業は手伝った事はあっても基礎知識もなく、全くの素人だった私たちは、はじめは農業を引退した折井の祖父母の畑を引き継ぐところからスタートしました。祖父母は担い手がいることを喜んでくれる!そう思って「農業をやりたい!」と伝えたものの、最初に言われたのは「農業なんて気軽にやるもんじゃない!」という意外な一言。でも、それは心配する祖父母の優しさからでた言葉だと感じて、自分たちの若さと有り余る体力で、簡単に農業ができるという思い込みから、とにかく自分たちだけで農業を始めてみました。でも実際にやってみると、予想以上に全ての作業が難しく、農業の勉強もあまりせず始めた自分たちにはろくな野菜も作れないまま途方に暮れる毎日でした。それでも二人でやる農業が楽しくて、諦めることなく毎日畑にいると、ようやく祖父母が根性を認めてくれて、師匠として指導してくれるようになりました。とはいえ、最初の数年は生計もままならず、他の農家のバイトと掛け持ちをしながら農業を続ける日々。その時に初めて自分たちが興味本位で始めた農業という産業の厳しさを実感し、祖父母から最初に言われた言葉の重さを身をもって学ぶことが出来ました。


対面販売での感動体験が、原動力。

 農業を始めた最初の数年間は、市場に出荷できる野菜を中心に、約20種類ほどの野菜作りに挑戦しました。作った野菜をただ持っていけば出荷できるという手軽さに驚きながらも、まだ農業界では年齢的にも若かった自分たちが作った野菜は、本当に喜ばれているのか、誰に食べられているのか、それが全くわからないという手触り感の無さから、“やりがい”というものが失われつつありました。どうせならやっぱり本当の意見が知りたい、作ることの難しさや農業の楽しさも伝えられたら、もっと野菜の価値を感じてもらえるのではないかと思い、観光施設へ対面販売をさせて欲しいと様々な場所をめぐり直談判。県内だけではなく都会のマルシェや商談会、オフィス街など、場違いでもなんでもやってみようと出店を続け、結果的にそこで対面販売でしか味わうことのできないお客様のリアルな反応や、こんな自分たちでも興味を持ってくれて応援してくれる人がいるんだということを改めて知ることが出来ました。そして初めて作った野菜でお客様に「本当に美味しいね、まだ若いのにこんな想いのこもった野菜を作ってくれてありがとう。そういう人たちが増えたらいいな。頑張ってね!」と笑顔で言われた時、初めて心から農業やっていて良かったなと思えました。その経験が今でも私たちの原動力です。

「八ヶ岳生とうもろこし」との出会い、対面販売を続ける理由。

 現在の主力商品となる八ヶ岳生とうもろこしとの出会いは、もともと近所に住む私たちの“とうもろこしの師匠”の農家が何気なく食べさせてくれたのがきっかけでした。初めて見るサイズで、なんとも小ぶりな採れたての淡い黄色のとうもろこしを「生でそのまま食べてごらん」と渡された時に、生でとうもろこしを食べても美味しくないと知っていた私たちは渋々とうもろこしをかじりました。すると、口の中に広がったのは驚くほどの甘さ、そしてはじけるような食感と瑞々しい粒のはじけ感。生なのに青臭さがなく、もはや今までのとうもろこしの味ではない。これは新たなフルーツなんじゃないか?と驚きの連続で、こんなに衝撃を受けたのは初めてでした。

でも「こんな美味しいのになぜ普通に売られていなんですか?」と疑問を投げかけると、「とうもろこしはそもそもまだ生で食べる認識があまりないし、この品種は特にサイズも小さいから、今の市場のルールでは需要がないんだよ。いくら農家が美味しいと言っても今の市場のほとんどは、見た目やサイズでしか値段をつけてくれない。本当は美味しいとわかっていても、“伝える場がない”から、こんな風に無くなっていく野菜たちがあるんだよ。」と寂しそうに話すとうもろこしの師匠。それを聞いた私たちは、営業をやってきた自分たちが農業をやっている意義は、もしかするとこういう野菜たちを知ってもらう事なんじゃないかと気づかされました。そして農家自体が伝えられないなら、自分たちが伝えられる形にして表現しよう、作るのが下手でも、農家だからこそ本当に美味しい野菜の味と想いを伝えることができる!そう思って対面販売を続けるようになりました。

こだわりからなる苦労を乗り越えられたのは、こだわって会いに来てくれた人たちのおかげです。

 対面販売だけをしようと決めてから市場への出荷をしなかったため、最初の数年は知名度もなく、お店に立っても一日の売上が一人分の日当にもなりませんでした。とうもろこしは収穫したタイミングから糖度が落ちてしまうという特性があります。それでも私たちは本当に美味しいと感じた味だけを伝えたかったため、朝どりのみを届ける、品質安定のため1日の収穫量を制限する、必ず試食をしてもらってから買ってもらうなど、強いこだわりをもって販売をしていました。でも、手に取ってもらえるまでのハードルは高く、多く売れ残る日も。そんな中でも自分たちの話を聞いてくれて、対面でもわざわざお手紙で応援してくれたり、「毎年待ってました」と遠方から会いに来てくれる人たちが増えてくれたことが励みとなり、どんなに苦しくてもやり抜こうと思わせてくれました。

いつしか噂が噂を呼び、行列ができるほどに。

 直売所やマルシェでは八ヶ岳生とうもろこしを中心に売れ行きが増えていき、お客様の要望に応じて通販でも購入できるようにしたり、会社員時代に培った営業経験を活かして積極的な営業活動を展開。地元の宿泊施設や商業施設での取扱いや地域のブランド野菜としても少しずつ注目されるようにもなりました。そんな中、当時はとうもろこしに特化したギフトブランド化を目指して、生産から直接販売までを一貫して行う個人農家がほとんどいなかったため、近隣の農家から珍しがられたり、時には地元っぽくないとバッシングを受けることもありました。でも私たちは、自分たちが目指す"本当のおいしい野菜を知ってもらい、野菜自体の価値向上を考えている"ということを知ってもらいたいという想いで、農業を続けてきました。すると年々地元の方でもリピーターになる方が増えていき、直売所や施設内のマルシェは有難いことに行列ができるようにもなりました。今では想いに賛同してくれた地元農家と契約栽培をし、毎年生産できる量を増やしています。地元地域でもとうもろこしを栽培する農家も増えていき、少しずつ地域活性化に繋げられているのではと思っています。

農業の師匠・祖父母から最期の贈り物。

 農業の転機は「ハマラノーエンの八ヶ岳生とうもろこしが日本ギフト大賞に選ばれました」という一本の電話からでした。その出来事は、なにひとつ農業のことを知らなかった私たちに、一から農業のことや考え方を教えてくれた師匠の祖母が亡くなって間もなくのこと。自分たちで応募した覚えも無く、これは詐欺の電話ではないかと疑いながら、何度も確認して正式な受賞であることがわかりました。この受賞で、とうもろこしの需要は増え続け、とうもろこし専門にしようと決めたきっかけにもなりました。実はこの受賞、名乗ることのない審査員の方が、とにかく無我夢中で様々なマルシェに行って対面販売をしていた私たちを見て、熱意と味に感動したことがきっかけで受賞できたことを後になって知りました。でもこれはきっと陰でいつも支えてくれていた祖母が、天国から贈ってくれたものだとも感じています。そして、同じようにずっと心配していた祖父も私たちからギフト大賞受賞のことを聞くと、初めて嬉しそうに笑ってくれました。それから間もなく、祖父も祖母を追うように亡くなります。私たちにもう師匠の祖父母はいませんが、今があるのは、厳しくも優しく、周りの批判や反対があろうとも誰よりも最後まで自分たちを信じて見守り続けてくれた祖父母のおかげです。

その後も様々な賞を受賞し、メディアから取材を受けることも増えていきました。農業をはじめて十数年が経ち、需要とともに栽培量が増えるのと同時に、一緒に栽培する仲間も増え、八ヶ岳生とうもろこしは地域のブランド野菜として認知してもらえるようになってきました。

人々の「らしさ」を“農”で引き出す場づくり。新しい「農」に関わりたいという皆さんと共に発展させたい

 そんな今の私たちだからこそ、農を通してできることはなんだろうと本気で考えた時に、「農」体験を通して、人々の「らしさ」を引き出す場づくりをすることが、ひとつの答えではないかと思っています。それを具現化したのがこの「ハマラハウス」です。この「ハマラハウス」を誰もが居心地良く、農を気軽に感じながら、第二の故郷(ふるさと)だと思っていただける場所にしたいというのが、このプロジェクトの本質です。そして、ハマラハウスを自分たちだけで作るのではなく、新しい「農」に関わりたいという皆さんの力と共に発展させたいと考えています。皆様からのご支援は、発展のカタチのひとつでもあるコンテンツを増やす(施設拡大、新たなサービス提供)ために活用させていただきます。私たちが贈る「農」体験を通して、人々の「らしさ」を引き出す場づくりにぜひご期待ください。

最後に

 ここまで私たちハマラノーエンの過去と想いを読んでくださり、本当にありがとうございます。農業はいまでも3K(きつい、稼げない、格好悪い)の仕事と言われ続け、自分でやる、関わるには覚悟をしないといけないとも思われがちです。でも私たちハマラノーエンはそうは思っていません。本当はもっと楽しいですし、稼ぐチャンスもあるし、格好だっていい。もっと自由なんだと。私たちが表現する新しい農業のモノコトで、「これも農業なんだ」と見方を変えて新鮮に感じてもらったり、もっと気軽に世の中に関わってもらえるようになれたら嬉しいです。

今回ご理解いただき、ご支援いただけましたら、責任を持ってお返しをさせていただきます。そしてご支援により多くの方が新たなハマラハウスにお越しいただくことで、新しい農業の在り方を自分事のように感じていただきたい。これから将来の農業にワクワクしてもらえますよう努めていきますので、何卒ご支援のほど、よろしくお願い致します。

ハマラノーエン一同

▪️リターンについて

八ヶ岳生とうもろこしのCAMPFIRE限定セット、現地での様々な特典や、公式通販でも特典が受けられる2024年VIPカード、CAMPFIRE限定枠・収穫体験の利用権の組み合わせ、その他にも体験ツアーやもろこし畑の主になれる"もろこしの株主制度"もご用意しています!


【CAMPFIRE限定パッケージ】

・折井のレター+2024 VIPカード(3,000円)

・八ヶ岳生とうもろこしCAMPFIRE限定セット8本+2024年VIPカード(6,000円)

・八ヶ岳生とうもろこしCAMPFIRE限定枠・収穫体験の利用権(4人分)+折井の感謝レターを添えて(8,000円)

・八ヶ岳生とうもろこしCAMPFIRE限定セット16本+2024年VIPカード(10,000円)

・八ヶ岳生とうもろこしCAMPFIRE限定セット8本+CAMP FIRE限定・特別収穫体験(13,000円)

2024年VIPカードは現地での様々な特典や、公式通販でも特典が受けられるカードです。支援をしていただいた方へは電子メールでお届けします。

【体験ツアー】

・折井のしゃべくりとハマラハウスで地域野菜を使ったBBQランチ付きツアー(15,000円)

※現地までの交通費及び宿泊費等はお客様にご負担いただきます。

【株主制度:畑をやってみたい人オススメのリターン】

・小株主(お試し株主)/ 50,000円

株数150本分の畑の主に

・中株主(ちゃんと株主)/ 100,000円

株数450本分の畑の主に

・大株主(すごい株主)/500,000円

小さい畑1つ/5畝程度、株数2500本の畑の主に

※八ヶ岳生とうもろこしを換金することはできません。


  • 2024年の『ハマラハウス』は7月20日から開園予定。
  •  私たちが本当に伝えたい、本当に感動する採れたてのとうもろこしを感じて欲しいと、八ヶ岳にあるハマラノーエン運営のビニールハウス通称「ハマラハウス」は、7月20日からオープンします。私たちハマラノーエンのナカマ(仲間)と直接話してご購入いただけるほか、収穫体験や季節に応じたナカマの野菜や加工品も楽しめます。また写真家ナカマによる個展やイベントも開催予定。SNSや当WEBサイトで開催日時をチェックしていただけると嬉しいです。畑周辺は壮大な八ヶ岳を眺めることができる場所にあり景観も良く、魅力的なお店がいくつもあるエリアです。朝の清々しい空気を楽しみながらドライブ、ツーリング、散策ついでにぜひお立ち寄りください。

支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 設備費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

  • 2024/06/28 14:41

    たくさんの皆様にご支援いただき、目標の1/3以上に達することができました。心より感謝御礼申し上げます。またこの度、私たちのプロジェクトが長野日報様にも取り上げていただきました。まだ目標までの道のりは長いですが、最後まで全力で頑張りますので、どうかご支援ご協力よろしくお願い致します。https:...

  • 2024/06/24 22:31

    皆様からの暖かいご支援により、3日間で目標の約1/4まで達成いたしました。心より感謝御礼を申し上げます。目標の100%達成を目指すため、ぜひぜひプロジェクトページをご自身のSNSなどでシェアしていただけると大変嬉しいです。ハマラハウスが新しい農業の可能性を切り開く発信拠点になるように、さらに魅...

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