●このプロジェクトで実現したいこと

震災によって生まれた能登伝統工芸の珠洲焼(すずやき)の破片を使ったアロマディフューザーと倒木(能登ヒバ)から抽出したアロマオイルを組み合わせた商品を製造販売したいです。その売り上げを産地の支援に役立てる事で、被災した珠洲焼の職人が震災から復興する手助けをしたいです。

●珠洲焼の特徴

珠洲焼は、平安時代末期から室町時代後期にかけて珠洲市を中心に能登半島の先一帯で生産された、中世日本を代表する焼き物の一つです。500年ほど途絶えていた技術だが、60年ほど前に、発掘された中世の壺や甕からつくり方が研究され、再び現代に蘇った、【幻の古陶】と呼ばれています。土と炎によってできる黒灰色の独特な風合いと、無釉であることから一般的な焼き物に比べ吸湿性がある事が特徴です。

↑アロマオイルが吸収される速さの実験の結果、通常の釉薬を塗られた陶器に比べ、2 倍以上の速さでアロマオイルが吸収され、香りが空間に拡散されました。また、アロマオイルのしみ込んだ跡が残るため、表面模様の経年変化による震災から復興までの時の経過が可視化できます。


●珠洲焼の産地(能登 珠洲市)の状況

能登半島地震の最も被害の大きかった珠洲市に多くの窯元が存在し、窯が倒壊している工房も多く、大半は復旧ができていない状況です。23年、24年と立て続けに震災の被害を受けており、珠洲地域のライフラインが復旧しない中、産地を離れる作家も出てきており、存続の危機に瀕しています

↑倒壊した工房の窯。復旧は窯だけでなく、その建物自体も修繕しなくてはなりません。この様な危険な状態の工房では継続した制作ができない為です。

↑割れてしまった珠洲焼の一部。多くの珠洲焼がこのような状態で売り物にもならず、廃棄されつつあります。

↑右奥にあるのが陶芸に使用するろくろ。工房の建屋が丸ごと潰れており、いまだ制作ができない状況です。


●プロジェクトの実行者について

能登の若手作家達を中心とした復興支援チーム【繋ぎ】を立ち上げ、珠洲焼の魅力(高い吸湿性)を活かした商品開発とその製造販売による経済活動支援を行おうとしています。今の過酷な状況を乗り切り、再び作陶ができる産地復活させるために、珠洲焼の破片によるアロマデフューザーと倒木である能登ヒバのアロマオイルのセットを販売し、復興までの収入や窯の再建に充てる事を目指しています。

↑珠洲焼の作家のひとりである中島大河さん。自身の作品の多くも割れてしまっており、陶芸活動は再開できていません。現在も珠洲市に留まり、工房再建に向けて【繋ぐ】プロジェクトで破片を収集、制作していただく予定です。※写真は被災した工房にて撮影。


●能登ヒバのアロマオイルについて

今回の地震で多くの山林で倒木が発生しており、そのほとんどが復興の妨げとなる回収不能な廃材となっています。能登半島は能登ヒバの産地であり、防虫、殺菌効果、リラックス効果のあるアロマオイルの原液になる素材です。そんな能登ヒバの倒木を再利用したアロマオイルを地域住民と一緒に製造する事で、孤立しがちな仮設住宅での生活における、住民同士のコミュニケーションを促進します。

↑香りによる記憶の呼び起こしはプルースト効果と呼ばれる現象で、記憶との強い結び付きがあります。震災から復興へと向かう生活の中で能登ヒバのアロマの香りを日常的に味わう事で、復興に取り組んだ前向きな時間が嗅覚を通して記憶に深くに刻まれます

↑多くの能登ヒバが倒木として放置されています。復興と共にその多くは廃棄されてしまいますが、現状はそれすらできず、復興作業の妨げとなっています。

↑アロマデザイナー協力のもと、倒木(能登ヒバ)の枝葉の一部を蒸留し、アロマオイルのエッセンスとして再利用します。アロマメーカーの協力の元、枝葉を蒸留するイベントを現地で実施、志賀町で被災した加賀木材さんがアロマオイルを製造します。


●金継ぎの魅力

古くから割れた陶器を直す伝統工芸として伝わる【金継ぎ】。単なる修復ではなく、使い慣れた陶器を直す事で愛着や価値が増す効果がある。傷を消すのではなく、逆に意匠として活かす。災害で傷ついた能登を忘れるのではなく、逆に震災から立ち治った証として傷跡を美しい形で残すようにしました。この金継ぎされたアロマデフューザーを見るたびに、震災から復興した能登の姿を思い出してもらう。復興の支援をした自分自身の事を思い出してもらう。

珠洲市の陶芸家が中心となり金継ぎを行う事で、作陶のできない期間にモノづくりを通して収入を得る事ができます。そうする事で、震災で分断されそうになっている珠洲焼の過去と未来を【繋ぐ】事ができます。

※金継ぎに使用するのは真鍮になります。

※尖った角はヤスリがけがされており、触れても怪我しにくい様になっています。

●なぜ震災を記憶に残したいのか?

人はいずれ震災の事を忘れてしまいます。阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして今回の能登半島地震。継続的な復興支援において最も重要なことは忘れない事です。災害から立ち直った記憶こそ、未来に向かって強く生きてく心の支えになり、次なる震災の際に支援の輪を生みます。

その為に能登ヒバの香りと金継ぎされた珠洲焼のアロマデフューザーで、震災と復興の記憶を保存したい。そして、将来、割れた陶器を再利用し復興支援に充てる活動は日本国内の60箇所以上ある陶器の産地で災害時に活用できます。今年、能登から始まったこの活動が、将来、他の産地を救う活動へと繋がっていく事を心から願っています。


●これまでの活動と準備状況

これまでに、地域の職人やアロマの生産者との連携を深め、試作品の製作を行ってきました。また、地域住民やアロマユーザーからのフィードバックを元に改良を重ね、製品化に向けた準備を進めています。製品の品質を保証するためのテストや、活動を認知いただくための登壇、ワークショップ、デザイン賞への応募を行ってきています。現在は、量産化に向けた資金集めと現地での制作体制づくりに取り組んでいます。

●リターンについて

震災で割れてしまった珠洲焼の破片に金継ぎを行ったアロマデフューザー。

震災で生まれた倒木(能登ヒバ)を使ったリラックス効果のあるアロマオイル。

これらをセットにする事で、震災で傷ついた能登が復興していく記憶を視覚的と嗅覚で残していく製品。

最も被害の大きかった珠洲市の被災した作家の方々が中心となって制作する事で、

窯が復活するまでの一時的な経済活動となり、復興までの【繋ぎ】となる。

売り上げは珠洲焼の窯の再建等の産地の復興支援に活用されます。

※リターン品3000円コースには金継ぎは含まれません。珠洲焼の破片のみになります。


●スケジュール

7月10日 各種デザイン賞応募・宣伝広告・各地発表用費用:20万

7月20日 制作用の素材を入手(能登漆、能登真鍮粉、等):8万円

8月15日 アロマ用能登ヒバ採取イベント開催:23万

8月20日 現地にて金継ぎ制作授業開催:15万

8月25日 金継ぎ作業を地域住民に依頼:50万

8月25日 アロマ製造を工場に依頼:50万

8月30日 パッケージ、説明書等 制作:30万円

9月10日 クラウドファンディング終了

10月6日 返礼品発送: 5万

11月30 製品正式販売開始の送料:5万

11月 海外デザイン賞・宣伝:40万

12月 窯再建費用:全額


●最後に

私たちのプロジェクトは、単なる製品開発ではありません。能登震災からの復興を支援し、地域の伝統と自然の魅力を再発見し、未来に繋げるための大切な一歩です。また、能登から始まり、これからも地震の被害が起こるであろう日本全国の陶器産地を救う活動へと繋がっていきます。皆さんのご支援が、私たちのプロジェクトを成功に導く鍵となります。どうか、ご協力をお願いいたします。


支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 人件費

  • 広報/宣伝費

  • リターン仕入れ費

  • 展示イベント運営費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

  • 2024/06/29 00:26

    無事試作お披露目をやり遂げれました! 多くの方がご参加いただき、励ましのお言葉をいただきました。応援ありがとうございます!能登ヒバを使ったアロマオイルを作るワークショップではご参加いただいた、それぞれの記憶に残るオリジナルの香りをお持ち帰りいただきました。まずは色々な方にプロジェクトの存在を知...

  • 2024/06/28 07:00

    おはようございます。今朝、漆も乾き、金継ぎが完了していることが確認できました。洗っている時にすでに水分を吸収し始めているので、前の試作に比べてアロマデフューザーとしての機能性は高そうです。量産時に配布されるカケラは今回の試作のような素焼きに近い表面状態が適していますね。今夜、Karimoku ...

  • 2024/06/27 17:14

    本日の現地の北國新聞の朝刊にも大きく取り上げていただきました! まだまだ支援の輪が広がっていく事を願っています!

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