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【奄美に美術教育を届けます!】武蔵野美術大学の学生による挑戦

2015年から始めた旅するムサビin奄美。黒板ジャックや壁画制作など9年間で20回ほど実施し、美大生は奄美の文化を肌で感じ、歴史など多くを学びながら、子どもたちにフレッシュな美術の活動を提供してきました。費用は学生の自己負担が大きく、今後の継続的な活動のため、皆様のご支援、心よりお待ちしております。

現在の支援総額

266,100

88%

目標金額は300,000円

支援者数

21

募集終了まで残り

15

【奄美に美術教育を届けます!】武蔵野美術大学の学生による挑戦

現在の支援総額

266,100

88%達成

あと 15

目標金額300,000

支援者数21

2015年から始めた旅するムサビin奄美。黒板ジャックや壁画制作など9年間で20回ほど実施し、美大生は奄美の文化を肌で感じ、歴史など多くを学びながら、子どもたちにフレッシュな美術の活動を提供してきました。費用は学生の自己負担が大きく、今後の継続的な活動のため、皆様のご支援、心よりお待ちしております。


 旅するムサビプロジェクト(通称:旅ムサ)は、学生が全国各地の小中学校を訪れ授業を実施する取り組みです。

 美術館がない地域で中学美術教諭をされている本学卒業生からの「生徒に本物の美術作品を見せたい!」という依頼に対して、学生の作品を学校に持ち込んで鑑賞授業を行ったことを契機に2008年にスタートし、2024年には活動17年を迎えました。

 学生が制作した作品を持参し、子どもたちと対話して鑑賞する「対話鑑賞」を中心に、黒板に絵を描き子どもたちを驚かす「黒板ジャック」、空き教室を利用した「公開制作」や創造活動を行う「ワークショップ」など、既存の授業では実施しにくい美術教育活動を展開しています。美術の楽しさや多様性を子どもたちに伝えると共に、学生自身のコミュニケーション能力やファシリテーション能力の向上、そして先生方の研修や授業改善に大きな成果を出し、関係者全員が共に学び合うという、これからの美術教育の可能性を提案する取り組みです。

 これらは学生の自主的な活動であり、10年以上続く実績が評価され「2017年度グッドデザイン賞」を受賞しました。「教育・推進・支援手法」の分類では美術大学として初の受賞となります。

 現在は、年間で30企画ほどのプロジェクトが同時並行で行われており、17年間での実施数の合計は、25 都道府県と海外で 515 回を超えました。


実施都道府県           

  








実施校種


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黒板ジャックとは

 子どもたちに内緒で制作した個性豊かな黒板の絵が登校してくる彼らを驚かせ、いつもの教室を「非日常」に変化させます。黒板ジャックを目にした子どもたちは「なにこれ!」「どうやって描いたんだろう」と話したり、隣の教室の黒板を見に行ったりと様々な反応を見せてくれます。絵は始業時間前に消され、教室は「日常」に戻ります。短い時間の出来事ですが、子どもたちがその日を新鮮な感覚で過ごし、その驚きとともに美術への関心を引き出す活動です。


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ある日突然、黒板ジャック

(教職課程研究室 三澤一実教授より)

 黒板ジャックは旅するムサビの企画の中で学生が考え出したユニークな取り組みだ。黒板は学校で授業に使用し落書きはしてはならない。しかし、表現したい者たちにとっては、それは大きなキャンバスである。日常に在るあたりまえを美術の視点から捉えてみると、全く異なる魅力的な存在に映るのである。日曜日、合法的に学校に忍び込み、児童生徒に気づかれないように黒板一面にチョークで絵を描く。月曜になにも知らずに登校してきた児童生徒は、突然現れた黒板一面の作品を見て、驚き、戸惑う。そして、全教室に描かれているこの企みに気づき、友だちと教室を巡り始める。月曜の朝から学校全体が騒然となる。しかしその騒ぎも朝の会まで。 1時間目の授業が始まる前に作者の手で綺麗に黒板が消されていく。そして何事も無かったかのように1時間目の授業が始まっていく。美術が日常生活に入り込むことで、日常生活が楽しくなったり、身の回りの生活に目を向けさせ、さりげない面白さや美しさに気付いたり、注意深く観察するようになっていく。淡々と繰り返される日常にリズムを与え、生活にうるおいを与えてくれる。日常と非日常、夢と現実、 生と死。人間は常に相反する世界を抱え込み生きている。美術はその異なる世界をつなぐメディアとして存在し、我々に生きる意味を考えさせてくれるのである。

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色が違う

(油絵学科油絵専攻2年 学生より)

絵を見た子どもたちの第一声はヘビではなくハブだった。「何のハブ?違う!」と、子どもたち。どこが違うのだろう。それをきっかけにして絵についての意見交換を始めた。しかしながら、話してもどうもイメージが伝わらないまどろっこしい感じ。その中で鑑賞者と制作者の壁のようなものに気づく。子どもと一緒に描いてみてはどうだろうか。言葉だけでない絵との対話も必要と思う。はじめ、子どもたちはどう描けばいいのか戸惑っていた。手を添えながら一緒に描いてみる。子どもは次第に絵の中に入り込む。そして描いてある絵に呼応するように新鮮な色を置いていく。その時の達成感、少しの緊張感、そこから来る高揚感。それらの表情を子どもたちに認めることができた。今回、絵の消去も子どもを含めた制作者全員で行うことにした。子どもたちの一番の感想は、皆、一緒に絵が描けたことであった。黒板ジャックとは、ひとつの体験を作る作品である。初見の驚きだけではなく、その絵に加筆することの興奮。そして全員で消すこと。今回の子どもたちとの経験を他のワークショップの展開に応用していきたい。 

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対話型鑑賞とは

 学生が制作した作品を学校に持ち込み、作品を前に子どもたちと対話しながら鑑賞を行います。旅ムサではこの活動を「対話鑑賞」と呼び、学生は「ファシリテーター*」「作者」「タイムキーパー」の三役に分かれ鑑賞を進めます。「ファシリテーター」が進行役となり、子どもたちが作品を見て感じたことや考えたことを引き出し、発言を共有しながら、それぞれの印象や疑問を通して作品の意味などについて考えさせていきます。その後「作者」が登場し、制作意図を話したり、質問に答えたりしながら鑑賞を深めていきます。


 本物の作品を鑑賞し、自由に発言したり作者の考えを聞いたりすることを通して、美術の多様な価値観や考え方に出会い、創造的な感性を広げていく場です。学校現場における言語活動の充実やアクティブラーニングなどの視点からも、重要視している取り組みの一つです。


 今日では、旅するムサビから生まれた「朝鑑賞」*の取り組みが全国に広がりつつあります。


*朝鑑賞とは

 週に1回程度、始業前の朝読書などの時間に、10分程度、担任などが絵画作品の鑑賞を行う取り組み。朝鑑賞では子供たちの学力や自己肯定感の向上、不登校予防、そして教師のファシリテーション能力の向上が数値として認められ、これからの教育に必要な活動として注目されています。


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ワークショップとは

 学科も学年も違う学生がそれぞれの専門性を活かし企画・運営しています。造形活動を楽しんでもらうことはもちろん、それぞれの現場で抱えている想いや、課題に向き合うための手立てとして、学校や美術館、地域の方と連携しながら様々なワークショップに取り組んでいます。子どもたちと双方向に関わり合い、参加者と学生が共に刺激しあいながら学びあう場です。



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 こちらは2023年度の奄美プロジェクトに参加した学生グループです!1企画ごとに新しく募集をかけるので、メンバーは毎回変わります。学年学科を問わず、多くの学生が集まります。奄美に来る学生はみなエネルギッシュで個性的。それぞれの専門性・強みを持っています。






奄美大島の全ての子供たちに、絵を見る楽しさ、表現する喜びを伝えたい!」


 絵は見る人によって様々な見方ができます。その一人一人の異なる見方や感じ方を互いに紹介し合うことで、さらに作品を楽しく、そして深く味わうことにつながります。このような、絵を見て語り合う対話を通して、一人一人の心の中にある美しさや楽しさ、良さを感じ取り、子供たちの感情を豊かに育て、素直に話す事ができる子供たちになってもらいたいと考えています。

 絵を見る鑑賞は今日、世界の一流ビジネスマンも自分の能力を高めるために学んでいます。それは、自分の美意識を高め、感性を伸ばすことで、今日の不透明な世の中を間違うこと無く判断し、会社の舵取りをしていくために必要な能力となるからです。鑑賞活動は人が生まれながらに持っている、美しさやよさを感じ取る眼と心を育て、人がもっている “真・善・美”を求める気持ちを呼び起こしてくれるからです。

 美術に触れて、作品のよさや美しさを見つけ、その価値を友達どうし話し合う美術の活動は、お互いの理解を深め、多様な見方や感じ方があることを教えてくれます。そして、自分と違う考えがあることを知り、その違いを理解することで自分を大きく育ててくれることに気づいていきます。ひいては人やものや自然や社会を大切にする気持ちが育ち、人としての寛容な心が育つのです。



 美術は一人一人の心の中のイメージを、形や色彩などで、自分以外の人に見えるようにする働きを持っています。言葉を使わずコミュニケーションをとる手段にもなります。現代はさまざまな視覚情報に溢れた社会です。表面的な見方にとらわれずに、大切なものが見えるようになったとき、より深くお互いを知ることができるようになるでしょう。何より、絵を見て感動する、一緒に作品をつくって思い出に残る美術体験を子供たちに提供したいと考えています。

 

2024年度 実施予定


●2024年度 実施予定:黒板ジャックプロジェクト

(日程・実施校はお楽しみに…。)


●2024年度 秋に実施予定:対話型鑑賞プロジェクト


●2024年度 秋に実施予定:壁画プロジェクト

奄美市立崎原小中学校の子どもたちと共に、学校の壁画を彩色するワークショップです。


●2024年度 冬に実施予定:アグリカルチャープロジェクト

農作業のお手伝いと小中学校でのワークショップを行います。





奄美は美術が不足している…?

 奄美に関わり始めたきっかけは、奄美出身の先生が大学に訪ねてきたことに始まりました。「奄美は美術が不足しているのです」その言葉にはじめは疑いを持ちました。音楽や踊りが盛んで芸術に溢れている島だと思っていたのです。

9年経って、今では美術を少し加えることで、島の豊かな自然と美しい伝統文化がよりいっそう輝きだすだろうと考えています。そして私たちが学んでいる「美術」をちょっと子供たちに伝えたいと考えています。そして一人一人が自信を持って自分の考えを言えるようになってほしいと考えています。



資金面の問題

 旅するムサビの資金については、当初は学生の自己負担を基本に、武蔵野美術大学の社会貢献活動費による補助で実施してまいりましたが、近年、旅するムサビをはじめ、多様な学生の社会貢献活動の増加もあり、十分な資金確保が課題となっております。

 今では旅するムサビの活動実績も認められ、自治体や企業からの活動資金提供による実施も増えてきましたが、美術教育の普及という目的において、特に力を入れるべき公立の小・中学校に関しては、まだまだ認知度や価値の訴求が足りず、寄付金等の資金の獲得が難しい状況にあります。

 現在、奄美のプロジェクトに参加する学生は往復の旅費を全額負担しています。他の旅ムサの企画に比べ、費用面での負担の大きさから、参加が困難となる学生が増えています。

 そこで、より良い活動を続けるため、企画にご賛同いただける方々からご支援を募りたいと考え、本クラウドファンディングの企画にいたりました。




奄美プロジェクト 過去の実績

 奄美大島については、2015年から9年にわたり毎年継続してきた実績のある地域であり、今後も島全体を通して美術教育の普及に取り組みたい場所と考えています。


2016年発行 旅するムサビ記録集 より


<実績一覧>

2015年 田中一村記念美術館「日米交流アート展」展示&ワークショップ / 奄美市立小湊小学校 黒板ジャック&滞在制作

2016年 奄美市立小湊小学校 黒板ジャック&滞在制作 / 奄美市立大川小中学校 黒板ジャック

2017年 奄美市立小湊小学校 黒板ジャック&滞在制作 / 奄美市立大川小中学校 黒板ジャック / 奄美市立住用中学校 黒板ジャック&対話鑑賞

2018年 奄美市立小湊小学校 黒板ジャック / 龍郷町立赤徳小学校 黒板ジャック/         奄美文化センター・奄美市博物館 おおむら・あまみ国際学生映画祭

2019年 結いの島大島支部「旅するムサビ展覧会」作品展示 / 龍郷町立円小学校 黒板ジャック  / 龍郷町立赤徳小学校 黒板ジャック / 龍郷町立秋名小学校 黒板ジャック

2020年 田中一村記念美術館「旅するムサビ展覧会」作品展示

2023年 龍郷町立赤徳小学校 黒板ジャック / 龍郷町立大勝小学校 黒板ジャック / 奄美市立崎原小中学校 対話鑑賞&壁画制作プロジェクト


●旅するムサビブログ 奄美編 

https://www.exblog.jp/search/?blogid=970121352&t=0&q=奄美


今後の活動

今年度に既に計画している4企画に加え、それらの実施を毎年継続して行いたいという希望があります。



リターン

●3,000円(税抜):活動報告書+オンライン活動報告会ご招待


●10,000円(税抜):活動報告書+オンライン活動報告会ご招待+参加学生のスケッチのポストカードセット


●30,000円以上(税抜):活動報告書+オンライン活動報告会ご招待+参加学生のスケッチの原画+旅するムサビ記録集 (★限定10人)


リターン品の詳細


【活動報告書】

(例)A4サイズ17ページ分程度


【オンライン活動報告会】

2025年3月8日(土) 14:00〜15:30 Zoomにて実施予定


【参加学生のスケッチのポストカードセット】

ハガキサイズ プリント 6枚セット


【参加学生のスケッチの原画】

奄美の自然や歴史、文化を絵にしたもの学生独自の視点で描いた作品  

水彩 or ミクストメディア  A4サイズ1枚


【旅するムサビ記録集】






毎年1冊ほど発行している、学生独自の視点で旅ムサを語る刊行紙。20〜40ページ程度


2024年度 年間予定



 

1企画ごとにかかる費用

※2024年 夏の例を参考に


❶学生の片道交通費×6名 :約120,000円

※復路分は学生の自己負担

❷現地での移動費(レンタカー代):約50,000円

❸諸経費(作品輸送費、WS材料費等):約10,000円

・リターン(活動報告書&ポストカード印刷&送付用切手 等)にかかる経費:約20,000円 

・CAMPFIREへの手数料:約34,000円

合計 約200,000円 

×4企画分=936,000円

※ 2024年度は4回の訪島を企画しており、支援金はそれら全体へ分配いたします。


※各プロジェクトは学生の募集状況や台風等で延期・中止になる可能性もあります。その場合は、次回以降の奄美プロジェクトの企画運営費に充てさせていただきます。

※目標金額を超えた場合も、同じく次回以降の奄美でのプロジェクトの企画運営費として繰り越します。




 奄美の子供たちが美術を通じて自由になること、多様性を知り、より豊かに生きること。

そして、武蔵野美術大学の学生が、奄美大島の歴史、文化、自然を知り、次世代へ繋いでいくこと。

 これらには共に大きな意義があります。

 皆様のあたたかいご支援、心よりお待ちしております!


……………………………………………………………………………

プログラム担当教員:武蔵野美術大学 教職資料閲覧室

          三澤一実教授

問い合わせ先:大学企画グループ 連携共創チーム


支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • リターン仕入れ費

  • 学生の片道旅費, 企画の経費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

最新の活動報告

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  • &nbsp;先日の台風10号により、奄美大島にご在住の方、建物や道路、農作物、漁港、自然において多数の被害が出ていることを報道にてお伺いしております。また、一部の地域の方々は避難所への避難を余儀なくされたとのこと、皆様はご無事でしたでしょうか。 旅するムサビのプロジェクトに関わっていただいる皆さまや、クラウドファンディングにご支援いただいている皆さま、そして全島ご在住の皆さまがご無事でいらっしゃるかどうか、スタッフおよび学生メンバーの一同、案じております。 被害に遭われた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。 一日も早い復旧をお祈りいたしております。旅するムサビ in 奄美プロジェクト 運営チーム もっと見る

  • 夏も終わりに近づいてまいりました。インタビュー企画第4弾は森 千春(もり ちはる)さんです!現在、彫刻学科3年の森さん。奄美プロジェクトへは、去年に引き続き、2回目の参加となります。非常に元気でパワフルな、頼もしい旅ムサ経験者です。写真からも伺えるエネルギッシュさ。グループの雰囲気にも活気をもたらしてくれます。初日の居酒屋では、同じ彫刻学科の片岡さんと、何やら恋愛の話を話している…?と思いきや…まさかの「ブロンズへの愛が止まらなくて困っている!!」という内容でした。( ゚д゚)彫刻学科の数ある専攻のなかで「鋳造工房」に所属した森さん。ブロンズとは、彫刻の素材の中でも特に原価が高い素材のひとつ。日本では制作できる工房が限られており、卒業後も制作を続けていくのは至難の業だそうです。そんな森さんの作品はこちら↓Q. 対話鑑賞、旅ムサステイなど多く参加されている森さんですが、なぜ、今回も奄美のプロジェクトに参加されたのでしょう?A.(森)今年3月に奄美、崎原の旅ムサに参加して、奄美の人々の暖かさに触れたからです。(昨年3月、崎原小中学校の壁画プロジェクトに参加した森さん。)Q. 奄美の旅ムサは、他の旅ムサと比べてどうでしたか?A.(森)「自分たちが旅ムサin奄美を作っていくんだ」という気持ちでいかないと、企画が進んでいきませんでした。もっとガツガツ意見を言いながら進めていけば良かったなと思いました。だからこそ、感じた気持ちとか、今度はもっとこうしたいとか、色々な感情が生まれました。Q. そうですね。先方と、そして学生同士と……、一方通行ではなく、相互に意見を出し合うことで、まだまだ色々な可能性を追求できると思います。美大生として、奄美の地で美術を伝えるということをどう感じましたか?A.(森)奄美の人々は魂からアートが好きだと気づきました。外から来た武蔵美生が美術の良さを伝えるというのは、もしかしたらお門違いなのかもな、とも少し思いました。それでも、美術が好きと思っていても、体験したり、生で作品を見たりする機会は、地域の特性上、少ないと思います。自分たちの作品を見せたり、実際に描いてみたりすることを、地域の人に見せることで、美術がもっと奄美の人に近い存在になるのではないかと思いました。Q. なるほど…普段は、美術が好きな人間しか周りにいない、特殊な環境にいる私たちですが、旅ムサなどを通じ、一歩外に出てみると、全く違う社会が広がっていますよね。美術を学んできた自分が、社会において何ができるのか、考えるきっかけにもなりますよね。(奄美といえば、スーパーマーケットの「ビックⅡ」。)全力で海を満喫!そして……制作になると、途端に静寂に包まれます。このギャップが、かっこいい!完成です!!大量のスマイルマークは、教室内の掲示に貼ってあったクラス全員の似顔絵だそうです!Q.児童のみなさんと交流してみて、どうでしたか?A.(森)どこの場所でもこどもはこどもで、みんな可愛いです。ただ、あの綺麗な海や自然を見て育っていると考えると、感性とかは違ってくるのかなと思いました。Q.対話鑑賞で持ち込んだ作品について教えてください。A.(森)タイトル:《無題》無作為に選んだ平面の形を立体にしてみました。その平面を組み合わせた形から、展開図を作りそれを立体にしました。Q.奄美で更にやってみたいと思ったことはあらますか?A.(森)公開制作などをやってみたいと思いました。もっと地域の人の目に触れるところで活動ができたら、旅ムサの良さが奄美の人に伝わるのかなと思いました。(お世話になった戸口小の先生にご紹介いただき、名瀬市の「酒屋まえかわ」にて、たこ焼きとお酒をご馳走になりました!)Q. 関東の自然に囲まれた環境で育った森さんですが、奄美の自然はどう感じましたか?A.(森)海と星がすごく綺麗でした。砂浜が綺麗で、海水がにごってはなく、本当にみんなが想像する海の色で、グラデーションもあって、すごい綺麗で感動しました。星もあんなに流れ星が見えるとは思っていなくて、360度星空の空間とか初めてで、夜砂浜で星空を見た時間は贅沢な時間でした。これだけでも、ここに来た甲斐があるなと思いました。(ちょっとした星空なら、家の近くでも見えると言う森さんでしたが、「奄美の星空は全然違った…」と話していました。)卒業後は、大学院に進み、もう少しブロンズの作品制作を続けたいと話す森さん。持ち前のパワフルな魅力と、制作への情熱で、何をつくりだしていくのでしょう。これからのご活躍もますます楽しみです!森さん、ありがとうございました!インタビューは残り2名です。まだまだ、個性的なメンバーが続きます!みなさまどうぞお楽しみに! もっと見る

  • 早いもので、クラウドファンディング終了まで、のこり18日となりました。インタビュー第3弾は、バウシュ 杏奈さんです! 現在、デザイン情報学科2年のバウシュさん。今回、旅するムサビへは初めての参加となります。作品はこちら↓ 作品は、少しデカダンスを思わせるような、濃厚な雰囲気。  ドイツにルーツを持つバウシュさんは、同じ大学の空間演出デザイン学科のファッションを専攻する先輩からの依頼を受け、モデルの仕事もされたこともあるそうです。放つオーラに、「描く以前に、描かれる側の人ですよね…?!」とメンバーも旅の終始、惹きつけられていました。 初日の晩御飯では、「今年のパリオリンピックの開会式、とても良かった!」と話すバウシュさん。何気ない会話からも独自の感性が伺え、作品を見るとそれに納得できるのも、美大生らしいコミュニケーションのうちのひとつと言えるかもしれません。Q. 今回の奄美のプロジェクトに参加するきっかけは何でしたか?A.(バウシュ) 就活に役立つ課外活動を探していた時に、旅ムサを見つけました。美術教育が浸透していない地域にムサビ生が美術の魅力を伝える、という理念に大変共感し、大学で学んだことや自身のポテンシャルを発揮するチャンスだと考えて参加を決めました。奄美大島という、都会とは正反対の離島に行ってみたかったのです。Q. デザイン系の学生の参加はどちらかというと少ない方で、今回旅ムサを知ってもらえて嬉しいです。参加して良かったことや、感想を教えてください。A.(バウシュ) 奄美の自然、非日常を全身でめいっぱい感じられたことが何より良かったです。子どもたちとの触れ合い、自然の色彩や様子、現地で生きるアーティストの作品など、せまいキャンパスの常識を破るような経験ができましたが、すべて今後の制作に活きると思います。 また、現地での新しい出会いがどれも温かかったです。もちろん、学科も経験も違う旅ムサの仲間と出会えたのがこのうえなく嬉しいです。(奄美の透き通るような海)そして黒板は……完成です!!水の音、リズムが聞こえてくるようですね!Q. 対話鑑賞は、バウシュさんはi pad上で作品の写真を見せていましたね。作品について教えてください。A.(バウシュ) タイトル:《石》(授業のモチーフでした。) 純白ロール紙、ダンボール、アクリルガッシュ、エアキャップ、砂利、ガムテープ等を使った大型作品。 人間の内面(心の中?)には色々な汚れとか傷とかがあるけど、みんな成長を経てそういった優しさを得ている。(後ろの壁一面のダンボールとかも無理やりツギハギに繋げてたりと、ひとつの形になっててもボロボロ)感情にのってそういう醜い部分が露呈するときもあるけど、私にとっては不完全なところが人間の美しさだと思う…というコンセプトがあります。Q. 対話鑑賞で印象的だった意見はありますか?A.(バウシュ) 展示している場所について、どこだろう?と興味を持ってくれました。空間に気をつけた作品なので、同じように空間に興味を持ってくれているのかな、と思うと嬉しかったです。Q. 写真作で見せた場合でも、空間についての意見が出るのは鋭いですね!バウシュさんは特に、児童の皆さんと積極的に交流されていました。感想や、子どもたちに伝えたかったことなどはありますか? A.(バウシュ) かわいい…。まだ自分の生活が世界の全てで、物事に限界があるなんてまだ思わない年齢。もしいつか何かに挫折したりしても、好きな方法で次のステージに進めることを知ってほしいです。対話鑑賞ではアートに正解はないことをたくさん伝えましたが、生活の上でもそれは同じだと思っていてほしいです。(活動終了後、たくさんの子どもたちとipadで絵を描いて交流していました。)(児童の皆さんと別れを惜しむバウシュさん。宿に帰ってからも、「本当に、ずっとあの場所にいたかった…」と、思い出を語っていました。)Q. 今回初めて、奄美の地で、美術教育を届けるという活動をしてみて、どうでしたか?A.(バウシュ) 奄美の人たちはとても温かく、美しい自然がそのまま人柄に表れているようでした。しかし、生まれ育ったゆえに恵まれた環境の魅力に気づいていない人々もいるのではないかと感じました。奄美大島の人たちに対して、奄美大島の魅力を伝えることへの意義を感じました。 美術は、見たことのあるものをさまざまな形で表現してその魅力を再認識できるところが醍醐味だと思います。そのような点では、黒板アートをはじめ、崎原での取り組みは現地に美術を伝える上で素晴らしいと感じました。(昨年、壁画プロジェクトでお世話になった崎原小学校にご挨拶に伺いました。)Q.奄美の自然で一番印象的だったものはありますか?A.(バウシュ) 星空と海。東京に帰ってから、あのこぼれんばかりの豊かな風景が忘れられなくて恋しいです。毎晩夜空を見ちゃうくらいには…。都会では見えていないだけで同じ星空があることを考えて、いつも勇気をもらっています。Q.バウシュさん自身、これから更にやってみたいと感じたことはありますか?A.(バウシュ) 完成度や周りの目などのしがらみにとらわれず、もっと自由に制作をしたいです。自身の感性を信じてみたい。 また、次に奄美に行く機会があったら、今度は奄美の人たちと一緒にワークショップを通して制作したり、距離を縮め、もっと時間をかけて美術の魅力を伝えていきたいです。(戸口小学校 森校長先生から、記念のお品と温かいメッセージをいただいてしまいました。)–––––––––––––––人1倍旅を楽しみ、メンバーの雰囲気を前向きにしてくれたバウシュさん。奄美の子どもたちと触れ合っているときの幸せそうな表情、そして奄美の方々や、学生メンバーとの出会いを心から喜んでいる様子が強く印象に残りました。 可能性に溢れる2年生。豊かな感性で受け止めたことが、今後どのような活動や制作に繋がっていくのかとても楽しみですね。バウシュさん、ありがとうございます!インタビューも残るは3名となりました。次回も何卒、よろしくお願いいたします! もっと見る

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