■はじめに

本プロジェクトは現役千葉大学4年生の3人組バンド「オトドケモノ」(http://otodokemono.com)が“普通の大学生のまま”アルバム全国リリースを目指すものです。以下、オトドケモノを代表してVo.シンのメッセージを記載します。まずはとにかく、Vo.シンの思いを受け取ってください!

■バンドを賭けて証明したいことがある

はじめまして。いつもありがとう。オトドケモノのVo.シンです。
僕たちは現役千葉大学4年生の3人組ロックバンドです。現在2年ぶりの新作アルバムを発表すべく、レコーディング真っ最中です。

実は、当初はシングルCDを手売り販売する予定でした。というのも、レコード会社にも音楽事務所にも所属していない僕たちにはそれ以外の選択肢がないものだと思っていたからです。今までのやりかたを踏襲するなら、どんなに良い作品が出来ても手売り販売“しか”出来ないはずでした。CAMP FIREの存在を知るまでは。

これからみなさんに協力していただきたいのは、2010年代のバンドマンとして、新しいロールモデルを世の中に提示するための、自分のバンドを賭けた挑戦です。これからここに書き記すのは、インディーズミュージックと、それを愛するすべての人宛の、ラブレターであり果たし状です。以下、長くて読みづらい文章かも知れませんが、一生懸命書くので、どうか最後までお付き合いください。

■二足のわらじは履けないのか?

僕たち3人は高校の同級生です。卒業式の日に、僕がメンバー2人に自分で作ったデモテープ付きのラブレターを送り、バンドを組みたいと告白しました。
僕たちの通っていた高校は都内でも有数の進学校で、たとえ本気でバンドをやりたいと言っても、そのために専門学校へ行ったり、フリーターになるという選択肢は考えられませんでした。なぜなら我々にはそれぞれ別の夢があり、そのために大学進学を決めたからです。

だから結成する時に3人で申し合わせたのが「本気でバンドやるけど、仕事にしない」ということでした。これが僕たちの約束事であり、ある種の誇りでした。僕がメンバーに手紙を出したその瞬間から、僕たちの音楽は商品ではなく、コミュニケーションツールだったのです。
そしてそれは僕たちにとって、とても重要なコンセプトでした。音楽は稼ぐ手段ではなく、人と繋がる手段である。だから音楽を職業として敢えて選択しない。ということです。

偶然にも3人とも同じ大学へと進んだ僕たちは、バンドサークルには入らず学外で活動を始めました。学内に留まるよりも、広く、遠く、多くの人に聴いてほしかったからです。
大学の外のライブハウスにはたくさんの出会いがあり、同じくらい別れもありました。一口にバンドマンと言っても、そこにはそれぞれの夢や目標があり、事情があります。
バンドをやるために仕事を辞め、フリーターになった人。安定した仕事に就くためバンドを辞めた人。それに振り回されたお客さん。それぞれの決断に正解不正解はなく、真剣で尊いものです。

しかし、「音楽と仕事は二者択一であり、二足のわらじは履けない」という前提が、夢を持ったバンドマンと、その夢に託したお客さんをがんじがらめにしているのではないかと疑問を持ちました。
「僕たちは何かを犠牲にしたり、苦しんだりするために音楽で繋がったわけじゃないはずなのに…」仲間のバンドの解散ライブに出演するたび、そんな思いが強くなっていきました。

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■大嫌いな質問がふたつあります

大嫌いな質問がふたつあります。
ひとつめは「大学卒業して就職したら、バンド辞めちゃうの?」
ふたつめは「バンドで成功したら、就職しないでプロになるの?」
答えはどちらもNOです。


先に話した通り、僕たちは「バンドを仕事にしないこと」を前提に、それをモチベーションに良質な作品を求めて奮闘してきました。夢を叶えるために頑張ることと、そのために“普通の生活”を犠牲にすることは別の問題だと考えるからです。せっかく良い音楽を鳴らして、それを求めて集まる人がいるのに、続けるためにフリーターになって社会的安定を棄権しなければいけないのは、おかしいと考えるからです。

僕たちを含めたインディーズミュージシャンは、ラクしたくて、社会的な窮屈さから逃げ出したくて、ただなんとなく音楽を選んだのではありません。本当に好きで好きでたまらないだけなのです。音楽で繋がった人たちを大切にしたいのです。だから、続けるために苦肉の策としてフリーターになったり休学する、その結果周囲の人と生活時間がずれる、コミュニティが限定されていく、安定した収入を得られない、そして作品の質が下がるという負のスパイラルに陥ります。音楽をやるために手放したものによって、音楽ができなくなっていくという皮肉。これは本当に楽しくないです。

オトドケモノの歌に「フアンクラブ」という楽曲があります。インディーズバンドの追っかけをしている女の子の歌です。「私、あのバンドのこと大好きなんです。ファンです。だからずっとそこで歌っていて。」という歌詞で締めくくられるこの歌は、オトドケモノの楽曲の中でも特に人気があります。なぜこの歌が共感を呼ぶのか。なぜならインディーズシーンのお客さんは、売れるとか売れないとか、商業的価値を求めているのではなく、ただただ音楽を続けてほしいと願っているからです。その人の歌をずっと聴いていたい一心なのです。

■普通だから書ける歌がある

大学3年生の冬、僕たちはバンドを続けながら就職活動をしていました。多くの大学3年生と同じように会社説明会に行き、エントリーシートを書き、面接を受けました。それでもライブの本数は普段と変えませんでした。「就職してもバンドを続けられるだろうか」「何のために音楽をやっているんだろう」と葛藤しながらリクルート鞄とギターケースを持ち替え、スタジオとオフィスを行ったり来たりする日々。そんな中で生まれたある楽曲が、我々のターニングポイントとなりました。

それが就活応援ソング「エントリー」です。就活生である自分が今の葛藤をありのままに歌うことで、同じ境遇の人の背中を押せるんじゃないかと考えたのです。就活をしながら曲を書き、レコーディングして、PVを大急ぎで撮影、YouTubeに無告知で投稿しました。最小限のプロモーションにも関わらず、コピーライターの糸井重里さんをはじめ、たくさんの方がSNSで拡散してくださり、ついにはYahoo!映像トピックに取り上げていただきました。名前も顔も知らない就活生から感想が届くことも多々ありました。

この時に確信したのです。これは、バンドマンとしてではなく学生として、アーティストとしてではなく普通の人として、日々を過ごしている僕にしか書けない歌だと。これこそ僕にしか書けない歌で、僕が書くべき歌だと。この経験が、「本気でバンドをやる、でも仕事にしない」というポリシーの強度を上げました。普通であること。それが僕たちの歌の最大の武器なのですから。

この夏、ようやくメンバー全員の就職先が決まりました。僕たちはそのこともファンの方に公言しています。本音と建前、ONとOFF、プロとアマ、それらの二項対立をぶち壊した先に、本当に響く歌があると信じて。

 

■すべてのバンドマンに“第三の選択”を

今のようにインターネットやパソコンが普及するまでは、自主制作の音楽とプロの音楽との間には高い壁がありました。それははっきり言ってしまえば、資金という壁です。制作環境やプロモーションノウハウは潤沢な資金があるか、あるいは潤沢な資金を持った後ろ盾(レーベルや事務所など)がないと取り入れられなかったのです。だからインディーズアーティストは、より良い制作環境とより広い宣伝を求めてプロを志したのです。

しかし今、その状況は徐々に変わりつつあります。CAMPFIREのようなクラウドファンディングが登場し、個人でも応援してくれる人が集まれば、自分たちだけで上質なものが作れるようになったのです。手を挙げて旗を掲げる勇気さえあれば、1枚の大きな後ろ盾でなく、何枚もの小さな後ろ盾を集められるようになった。つまり、他の何もかもを諦めてプロを目指さずとも、クオリティの高い作品を作れる環境が整いつつあるのです。

だから僕たちは「バンドを辞めて就職する」でも「フリーターになって売れるまで音楽一筋」でもなく「仕事をしながら歌う」という第三の選択をします。たとえ小規模でも、応援してくださる人とのつながりを以てすれば可能なはずです。それになにより、その方が、良い歌が書ける。

“このまま”を“そのまま”歌うことに意味がある。
二足のわらじを履く。
サラリーマンという右翼とバンドマンという左翼で高く飛ぶ。

僕たちがこれからバンド人生を懸けて挑戦しようとしていることは、これまで二者択一の中でもがき苦しんでいたインディーズシーンの人たちに希望を与えるはずです。「そんなやり方があったか!」と膝をたたき、もっと自由な方法で音楽を楽しめるようになるはずです。だって音楽は、バンドは、楽しくなきゃいけないから。お客さんはもちろん、アーティスト自身も。

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■CD全国リリースという“目に見えるカタチ”

では、何を以てその挑戦を「成功」だというか。僕たちは一番分かりやすいカタチとして「アルバムの全国リリース」を掲げます。大手レコードショップに並んでも遜色のない音源を作り、SNSを介して「エントリー」で繋がった全国の人々に“実物の”CDをお届けします。普通の大学生が普通の大学生のまま、全国リリースをする。そのためのレコーディング費用を集めたいと考えているのです。

声を大にして言いたいのは、全国リリースはあくまでも第三の選択という新しいロールモデルを提唱するための手段であり、CDで金儲けをしたいわけではないということです。正直に言って、インディーズバンドが完全DIYで大手レコードショップに商品を卸したところで、僕たちにはほとんど利益はありません。流通にかかる手間と費用を考えれば、ライブ会場で手売りする方が断然「あがり」が出せます。しかしそこに敢えて挑戦するのは、金銭的利益を求めているのではなく、このプロジェクトを通じてより多くの人に我々のメッセージを受け取ってほしいからです。

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■あなたの“時間”を分けてください

僕たちはこれまで、学校に通いながらもバイトをして、バンド活動にかかる費用を捻出してきました。今までの活動はそれでなんとか事足りていましたが、これから挑戦するアルバム制作には、より一層の時間とお金が必要になります。たった3人で学校に行きながら仕事も制作も担うには限界があるのです。僕たちは膨大な時間をかけてレコーディングをします。レコーディング当日は10時間で1曲を録る予定です。その前にはスタジオで何十時間も練習しているし、もっとさかのぼれば1曲が生まれるまでには様々な時間的経験が内在しているでしょう。

アルバムを完成させるには、パッケージも含めて50万円必要だと算出しました。そのうちの20万円は今までの売り上げで賄えるとして、残りの30万円をCAMPFIREで集めたいと考えています。ひとりで30万円集めるのには相当な労力と時間が必要です。しかし、協力者が集まれば集まるほど、ひとり分の負担は小さくなります。みなさんが融資してくださった金額分の時間、僕たちは制作に専念できるのです。

僕たちはひとつの基準として、あなたを半日(5時間)雇った時に生まれる金額を、融資の目安にしてほしいと考えています。学生で、バイトの時給が800円なら800円×5時間=4000円くらい。社会人で月の給料が45万円なら日給1万5千円、その半日分なので7500円くらい、といった具合です。もちろん、これはあくまでも「お金の価値の捉え方」の提示なので、その基準に乗っ取らなくても結構です。あなたが「5時間」融資してくだされば、僕たちは「5時間」制作に打ち込めます。
あなたの大切な時間を懸けて、素晴らしい作品を作りたいと思います。

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■リターンは、“おまけ以上”のものを

協力してくださった方には特別なベネフィットをご用意しています。

〈リターン内容〉
○CDのspecial thanks欄に名前をクレジット
…支援者全員の名前を記載します。

○メンバー直筆お礼のお手紙
…メンバーが一枚ずつ手書きした手紙をお届けします。

○アルバム発売約2週間前に、収録曲1曲を先行配信
…誰よりも早く、新しい音源を聴いてください。どの曲が送られてくるかはお楽しみ。メールにてダウンロードサイトのURLをお送りいたします。

○収録曲PVを含むドキュメンタリーDVD
…収録曲のPVの他に、レコーディングやライブ、CAMPFIREの為に撮り下ろしたインタビューなどを含んだ約30分のドキュメンタリー動画をお届けします。

○Vo.しん手作り、世界に一枚だけの特製歌詞カード
…収録曲の中であなたが一番好きな曲の歌詞を一枚の絵にして、額縁に入れてお届けします。一枚一枚丁寧に手作りします。

○CDをメンバー本人があなたの自宅にお届け
…できあがったアルバムを、メンバーがあなたの元に届けます。日時を指定していただいて、直接手渡しします。オトドケモノからオトドケモノが届きますよ。

高額の支援でなくとも、リターンは妥協しません。みなさんがもらって嬉しいものをあれこれ考えました。金額に関わらず、支援してくださった方の名前は完成したCDのクレジットに記載されます。
僕たちにとってはこれが一番重要なことです。みなさん一人ひとりの支援のおかげでリリースできたという、何よりの証になるからです。

また、収録予定曲を発売前に配信して、一足先に聴いていただくリターンや、PVやレコーディング風景を含んだスペシャルドキュメンタリーDVDのリターンも、比較的支援しやすい金額設定にしました。
高額支援者が数人だけ、という状況より、小額でもたくさんの支援者が集まることを僕たちは望んでいます。

GIVE&TAKEではなく、GIVE&BE GIVEN。これはオトドケモノのロゴマークに埋め込まれている、結成当初からのテーマです。
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ここまで読んでいただき、どうもありがとうございました。協力していただけるか否かは別として、僕たちのバンドに懸ける思いが少しでも伝わっていれば嬉しいです。
一緒に挑戦してくださるあなたの名前がクレジットされた僕らのアルバムが、レコードショップに並ぶことを強く強く願っています。

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■オトドケモノ プロフィール

ドラムレスアコギロックバンド「オトドケモノ」。
2010年Vo.しんが高校の同級生2人にラブレターで告白し結成。
結成2周年の初ワンマンライブでは150人を動員しソールドアウト。
今年2月に、就活生が歌う就活応援ソング「エントリー」をYouTubeで公開。Yahoo!映像トピックに取り上げられ、注目を集める。

ホームページ http://otodokemono.com
アルバム特設ページ http://otodokemono.com/special/index.html

  • 2013/11/06 01:20

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2013/10/29 14:04

    こんにちは! オトドケモノです! CAMP FIREプロジェクトも残り3日となりました。 ここまでたくさんの方から応援していただき、いよいよアルバムリリースが現実味を帯びてきました。 ご支援くださった皆さん、本当に本当にありがとうございます。 実際に、これだけの資金が集らなければ...

  • 2013/10/07 15:39

    こんにちは! オトドケモノです! 少し遅くなってしまいましたが… オトドケモノNEWアルバム全国リリースプロジェクトが、 なんと! 残り日数を25日以上残して 目標支援額に到達しました!! ここまで支援してくださったみなさん、 周りの人に宣伝してくださったみなさ...

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