プロジェクト本文

 

▼はじめにご挨拶

 

はじめまして、私は東京都文京区白山で籠を中心に手仕事を紹介するギャラリーを開いております。籠の歴史は遡れば、人類の文化の起源に等しく、常に人々の暮らしに寄り添って作られ、使われてきました。国内では縄文時代の遺跡からも出土しているくらいです。気候風土に則した様々な素材で、籠は作られてきました。そのなかでも日本の風土に順応した竹は成長も早く、加工しやすい身近な材料として多用されてきました。もっとも古い仮名書き物語とされる「竹取物語」はもとより竹取の翁が主人公です。
現在も日本各地で、プラスチックなどの製品にとって代わられたことで数は少なくなったとはいえ、竹を使った籠が作られています。

 
▼このプロジェクトで実現したいこと

                       廣島一夫作、魚籠(シタミカゴ)

 

故・廣島一夫さんの竹細工30点余りを、宮崎県西臼杵郡日之影町竹細工資料館をはじめ、廣島さんゆかりの方々、日之影町の方々からお借りして展示させていただきたいと思っています。加えて、廣島さんが目標とされていた「丑(うし)どん」こと平岡丑松さんの籠、そして廣島さんとともに日之影を代表する背負い籠「カルイ」を専門に作られていた飯干五男さんの作品、廣島さんから手ほどきを受けた若き担い手、井上克彦さん、小川鉄平さんの作品も合わせてご覧に入れたいと思います。また、展示会にあわせて、廣島さんの作品と廣島さんが残された言葉(いわば籠職人としての哲学を語った)を収録した図録を作成したいと思います。
さらに、廣島さんの人となりも知っていただきたいと生前親交のあった方々によるトークイベント、お話会を開催いたします。そして、竹細工そのものを体験していただく講習会も実施いたします。

 

 

▼プロジェクトをやろうと思った理由

 

       宮崎県西臼杵郡岩井川村(現・日之影町)樅木尾の生家からの眺め

 

宮崎県西臼杵郡日之影町で、80年以上に渡って竹細工職人として籠を作り続けていらした故・廣島一夫さん(1915-2013)。大正、昭和、平成と激変する時代の中にあっても、常に職人としてのたゆまぬ努力を重ね、真摯なものづくりを貫かれました。
廣島さんの竹籠は飾られるための美術工芸品ではありません。日之影の暮らしを支えるための生活の道具です。日之影以外で流通されることはなく、日之影の人々その個々の求めに応じて作られていました。それにも関わらず、その機能美には目を見張るものがあります。

                      廣島一夫作、飯籠(メシカゴ) 

 

廣島さんの作品の価値をいち早く認め、それを外に向けて発信された故・中村憲治氏(当時・日之影在住)の尽力によって、作品は海を渡り、アメリカ・スミソニアン協会国立自然史博物館、大英博物館に所蔵されました。1994年~1995年ワシントンで開かれた展覧会は大変な盛況だったとのことです。竹籠そして渡米された廣島さんのお人柄に多くの方が魅了されたと聞き及んでいます。
国内では、「宮崎県伝統工芸士」「現代の名工」などに選ばれ、黄綬褒章も受賞されていらっしゃいますが、展覧会は宮崎県以外、2012年滋賀県近江八幡で行われたにとどまっていました。
私はこの春、日之影町の竹細工資料館で初めて廣島さんの作品を目の当たりにして、是非、東京で展覧会を、そして多くの方に廣島さんの作品をご覧いただきたいと強く思いました。

今、日本の工芸が見直されている気運の中、廣島一夫さんが世を去られて2年、
日本が誇るべき文化として廣島さんの仕事を再発見し、その職人魂を風化させることなく受け継いでいくための一助となればと考えております。

                    廣島一夫作、片口笊(カタクチジョーケ)

 

▼これまでの活動

 

galleryKEIANは2014年10月の「日本の籠」展に始まり、「西洋のアンティークバスケット」展、コレクターの方からお借りした「N'sコレクション」展など、国内・国外を問わず籠の展覧会を開催してまいりました。そのほとんどが日常に使われる籠であり、しかも真摯でまじめな仕事をされているものを選んでご覧に入れることを心がけてまいりました。

本年10月、2周年を迎えるにあたり、暮らしの道具としての竹籠、その頂点ともいえる廣島一夫さんの作品展を企画いたしました。

 

▼資金の使い道

 

展覧会は、なるべく多くの方に足を運んでいただきたいと思い入場料はいただきません。但し、作品輸送、図録の作成など、展覧会を開くにあたってかかる費用は大きく、個人の力では賄いきれないのが実情です。そこで、クラウドファンデイングというシステムを利用させていただくことで、皆様のご支援をいただき、充実した内容で作品をご覧いただきたいと思っております。

 作品輸送関連費用、25万円

図録作成費用、50万円

関連諸経費ほか

 

▼リターンについて

 

*100000円のリターンには、廣島一夫さんから手ほどきを受けた若き竹細工職人、小川鉄平さんと井上克彦さんの作品をお渡しいたします。大変人気のお二人の作品は滅多に手に入らない逸品です。

 

小川鉄平作、カルイ

カルイは山間地である日向地方独特の背負い籠のこと。背負うことをこの地方の方言で「かるう」といい、独特な形状が荷を軽く感じることにもかけて「カルイ」と呼ばれ、いまでも日之影で多く使われています。

 

井上克彦作、粟通し

細かく美しい網目は粟の実とそれ以外をふるうためのもの。

 

 

*50000円のリターンには、人気の若手職人・勢司恵美さん、そのお人柄から多くのファンをお持ちの稲垣尚友さんの作品をお渡しいたします。

 

勢司恵美作、椀かご

 

稲垣尚友作、野菜籠

 

 

*支援者の方のためだけの特別お話会

お話会と竹細工職人の方々との懇親会を兼ねた特別な催しです。

 

お話会とオープニングレセプション 
2016年10月10日(月)祝日 13時~16時 
「廣島一夫さんの魅力」井上克彦(熊本県、竹細工職人)
           聞き手、稲垣尚友(竹細工 トカラ塾主宰)

 

お話会とクロージングレセプション
2016年11月6日(日)13時~16時
「廣島一夫さんから伝えられたもの」小川鉄平(宮崎県、竹細工職人)
                 聞き手、稲垣尚友(竹細工 トカラ塾主宰)

 

 

*図録「廣島一夫さんの仕事」(仮題)

フォトグラファー荒川健一さんが撮りためられた廣島一夫さんの作品、そして廣島さんに手ほどきを受けた小川鉄平さんが籠を編まれているところを写した2000枚にも及ぶ写真、稲垣尚友さんがまとめられた廣島語録など、豊富な資料をもとに制作にはいります。見応えとともに、読み応えのある一冊に。ブックデザインは近江八幡のボーダレス・アートミュージアムNO-MAの記録集も手掛けられた中山銀士さんが担当してくださいます。
本展に合わせて、発刊する図録一冊を進呈いたします。

 

 

*お礼のお手紙

本企画をご支援いただいた方、お一人お一人に心をこめて感謝のお手紙をお届けいたします。

 

 

オリジナルポストカード

展示作品の限定オリジナルポストカード2枚組を作成してお渡しします。

 

 

*会場にお名前を出させていただく

ご支援に対する感謝の意を表して、会場にお名前を貼りださせていただく。
(但し、ご希望なさらない場合はその旨お申し出くださいませ)

 

リターンに関して。ご支援いただいた方で、ご遠方のために会場に足を運ぶのが難しい方には、お送りできるものはご郵送させていただきます。また、レセプションにご欠席の方には、お話会の映像をCDにしてお送りする予定です。

 

 

▼最後に

 

今回の企画には、2012年の滋賀県近江八幡のボーダレス・ミュージアムNO-MAで開催された展示会「暮らしのなかで息づく竹の道具たち 現代の名工廣島一夫さんの手仕事」で尽力された西嶋美那子さん、稲垣尚友さん(竹細工 トカラ塾主宰)をはじめ沢山の竹細工職人の方々がお力添えをくださいます。
さらに、日之影在住の小川鉄平さん(竹細工職人)、赤星秀貴さん(カフェ&ギャラリー ルジェトア)には作品の借り出しに多大なご協力をいただきます。
図録「廣島一夫さんの仕事」(仮題)では荒川健一さん(フォトグラファー)、中山銀士さん(グラフィックデザイナー)がお力をお貸しくださいます。

これはひとえに、廣島一夫さんの人徳のなせる業なのです。
廣島一夫さんは亡くなられてもなおその仕事が受け継がれていることを、きっとどこかで見守ってくださっていると信じています。

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