今回はいつもと趣向を変えて、私のプロジェクトを支援して下さっているいくつかの企業様をご紹介しようと思います。
実はクラウドファンディングが終了した現在でも、企業様とのタイアップやご支援は引き続き受け付けております。そんな中、現時点までに4社の企業様から個別にご支援を頂けている状況になっております。今回はその内の2社の企業様をご紹介しようと思います。
まずご紹介するのは、最初にご支援を表明して下さった日進工具株式会社 (NS TOOL CO.,LTD.)様です。(タイトル写真左側が日進工具株式会社の後藤社長です)
日進工具様は金型や部品を製造する際に使用する工作機械用の切削工具(エンドミル)を製造、販売している一部上場企業です。特に精密で精度の高いエンドミルに強みを持っており、金型製造業界では知らない人はいない有名メーカーです。
そんな一部上場も果たしている立派な会社さんが一個人の立ち上げたプロジェクトを支援してくださるなんて、正直全く予想もしていませんでした。しかし、先方のご担当者とお会いして、直接お話しを伺うことでその意図がよく分かりました。
今回のご支援にあたっては、日進工具様が普段からか関わっている金型製造業界が、我々のような野心的なプロジェクトによって少しでも活性化することが何よりも大切であると仰っておられました。プラキットを創ることはそのまま金型を造ることでもあります。決して安くはない費用をかけてまで一個人がそれを成し遂げようとするのなら、それを支援するのは金型製造に係わる企業であれば当然の使命であると。何と言うか、さすがは一部上場企業です。視線の先に見ているものが我々とはまるで違います。ただ、さらにお話を伺ってみると、どうやらそれ以外にも現実的な意図があったようです。
日進工具様は金型メーカーに消耗品を供給するメーカー言う立ち位置ゆえ、一般の人に「日進工具」と言う社名を知ってもらえることがほとんど無いそうです。確かに私たちも模型メーカーの名前は知っていても、そこに材料や製造設備を納入している会社の名前はほとんど知りません。それはそう言うものなのかもしれませんが、それだと今度は採用活動の時に困ってしまいます。いくら立派な企業であっても、一般に社名が知られていないと入社を希望する人が集まってくれません。今は人材難の時代ですから、採用活動が上手くいかなければ事業の拡大はおろか、その継続すら難しくなってしいます。そんな危機感から、日進工具様は世界初のロボット月面探査レース「Goole Lunar XPRIZE(グーグル・ルナ・エックスプライズ)」に挑戦する株式会社ispaceが運営する日本初の民間月面探査チーム「HAKUTO」のサポーティングカンパニーに加わるなど、一般の認知度を上げる努力を続けております。とは言え、我々に出来るのはプラキットの箱と組み立て説明書に日進工具様のロゴを印刷することぐらいですが、先方のご担当者様からは、「日進工具が金型に関連のある今回の企画に関わっていることを一般のエンドユーザーに知ってもらうのは大変意義のあることだ」と仰っていただきました。
日進工具様とは今後とも(実際の金型製造にあたっても)密接に協力していくことになると思います。
次にご紹介するのは同じく金型製造に関連したメーカーである株式会社ジーベックテクノロジー様です。
ジーベックテクノロジー様との出会いは少し変わっていました。金型業界向けの新聞である「金型新聞」で今回のプロジェクトを取り上げていただいたところ、それを読んだ先方のご担当者様(上の写真の服部様)から直接ご連絡をいただいたのです。今だから言いますが、新聞と言ってもいわゆる「業界新聞」ですから、そこにちょっと記事が載ったぐらいで果たしてどれだけ反響があるのだろうと最初は思っていました。しかし見ている方はちゃんと見てくれているものです。「業界における業界新聞の影響力、侮りがたし」です。今回のことで、私も広告業界に身を置く者として襟を正す思いでした。
ジーベックテクノロジー様は金型製造の際に発生するバリを取るための専用ブラシや工業用研磨ツールを開発、製造しているメーカーです。そう言った意味では先の日進工具様と同じく金型製造業の基盤を支える、業界には無くてはならない企業であると言えます。
先の日進工具様のケースもあったので、ジーベックテクノロジー様が我々をスポンサードする狙いも会社のPRにあるのだろうと勝手に考えていました。ところが、担当者である服部さんには別の狙いがあったようです。それは
「より積極的に模型、ホビー業界に自社の製品をアピールする」
ことでした。実はジーベック様の製品には、一部の模型原型師が既に使っている知られざるツールがあります。それは下の写真にある「XEBECマイスターフィニッシュ」です。
特にシャープペンシルの芯のような「XEBECマイスターフィニッシュ ペンシルタイプ」は細かい箇所の形状出しや表面処理に威力を発揮する研磨ツールで既に通販サイトで販売もされています。どちらかと言うとプロ向けのツールではありますが、「もう一段上の仕上がりを目指すこだわりのモデラ―さんには是非使って頂きたいツール」とのことでした。
日進工具様と同様、ジーベックテクノロジー様もプラキットの箱と組み立て説明書に企業ロゴを印刷させていただきますが、ひょっとするとプラキットの箱の中に「XEBECマイスターフィニッシュ」のカタログを同梱させていただくことになるかもしれません。それ以外にもジーベック様とは共同プロモーションの様なことを今後行っていくことも考えられますので、その節は皆さんよろしくお願いします。
「プラキットの箱に企業のロゴが入るなんて、F-1マシンのスポンサーロゴみたいでちょっとカッコイイかも」
そんな思い付きで考えた企業向けプランでしたが、(予想に反してとは言いませんが)そこには熱い想いを持った企業様が応えてくれる結果になりました。今回のプロジェクトが全くオリジナルのコンテンツであったことも、イメージが固定されない分、スポンサードしてくれる企業様には良かったのかもしれません。今後は各地で開催される金型業界向けの展示会で、日進工具様とジーベックテクノロジー様のブースに人型重機のプラキットが鎮座する光景が見られることになるはずです。これはある意味画期的なことですので、今から私も見るのが楽しみです。
今回のご縁がきっかけで、今後も日進工具様とジーベックテクノロジー様とは様々なプロモーションを行っていけるのではないかと思っております。
それでは、これからも「世界中にここにしかない完全オリジナルロボットをインジェクションプラキットに!」プロジェクトをどうぞよろしくお願いします。