井澤敏(いざわ・さとし)、75歳。民間薬草研究家、阿蘇薬草園(会長)。 幼少の頃よりアレルギー体質で体が弱く、ひどい喘息と中耳炎で、倒れて動けなくなり、気を失うことが頻繁にありました。両親は野良仕事で忙しく、家事一切を行っていた祖母に預けられ、祖母が忙しい時は腰紐で大黒柱に繋がれるのが常でした。祖母のところにはいつも近所のおばあちゃん達がお茶と漬物を持ち寄って、「ごてーどん(旦那)の愚痴、漬物の漬け方、こうやって薬草で病気ば治したばい」などの情報交換をしていました。そんなわけで、漬物と薬草については自然と詳しくなり、いつも薬草で遊び、使い方を試していく中で知識が豊富になっていきました。 薬草への興味と関心は次第に広がり、高校生の頃より、熊本を中心に各地域へ足を運び、色々なお年寄りから、各家庭の薬草秘話(家伝・秘伝)を教わることができました。その中でも特に感銘を受けたのが、単品ではなく複数の薬草を組み合わせて、さらに効能・効果を引き出す方法です。教わった薬草の家伝・秘伝と、自身の幼少時代からの経験を含め、実践・検証を30年にわたり阿蘇薬草園で行っています。
民間薬草研究家・井澤敏さんの長年の研究の集大成である書籍『先人達の知恵 薬草・薬木の家伝秘伝』再版プロジェクトです。平成20年に火災で本の在庫とデータが焼失。さ...