度重なる紛争を経験し、11年以上に及ぶ封鎖を受けるパレスチナのガザ地区。人の出入りが厳しく規制され、子どもたちの大半は東京23区の2/3ほどしかないガザ地区の外の世界をみたことがありません。そんなガザ地区でもサッカーは大人気です。
Jリーグの湘南ベルマーレとピースウィンズ・ジャパンはこれまで、湘南の青少年に国際支援に関する関心を高め、世界各地で紛争や災害の経験をした子どもたちに夢と希望を与えることを目的に「希望のボール」をイラク、インドネシア・アチェ州、シエラレオネ、リベリア、南スーダンなどに届けてきました。今回はガザ地区のラファハ県にあるEl Amal Rehabilitation Societyが運営するろう学校に寄贈いただいたボールとメッセージを届けることになりました。
また、今回はクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」などを通じていただいたご寄付を活用し、「湘南ベルマーレ親善カップ」と称し、小規模ながら「希望のボール」の譲渡式典を行い、ろう学校のサッカー・チームにユニフォームとサッカー・シューズなどを供与し、サッカーの試合を主催する計画を立てました。
企画の詳細が決まった矢先、2018 年11月12日から13日にかけて、イスラエルの特殊部隊による作戦が引き金となり、パレスチナのガザ地区で2014年の紛争以来最大規模の衝突が発生しました。この衝突により、1週間以上もの延期となりましたが、2018年11月27日に無事「ベルマーレ親善カップ」を開催しました!
聴覚障害のある在校生や卒業生で構成されるEl Amalサッカー・チームのキャプテンはサヘル君(14歳)。式典の冒頭、提供されたユニフォームやボールへのお礼を述べるとともに、将来の夢を手話で語ってくれました。そして女子生徒が民族衣装で歌と踊りを披露した後、近所のサッカー場に移動したチームは地元のチームと対戦、6対2で勝利を果たしました!手話でコーチから日々指示を受けながらの練習の成果が現れたようです。勝利を納めたチームはメダルと優勝カップを受け取り、満遍の笑みを浮かべていました。
生徒、学校関係者、コミュニティの方々が200名以上集まり、賑やかなイベントとなりました。度重なる紛争や軍事衝突を経験し、大変厳しい環境にあるガザ地区で、さらに聴覚障害を負うという厳しい境遇にある子どもたちに、「希望のボール」を通じて日本とのつながりを感じてもらい、子どもらしい、楽しい時間を過ごしてもらいたいという私たちの想いが少し果たせたようです。
ご支援、誠にありがとうございました。