こんにちわ。NPOこどもDIY部代表の さかたともえ と申します。
新宿・西落合という場所で小中学生がものづくりや仕事体験ができる「こどもスタートアップラボ」という場所を運営しています。Wedge Infinity やプレジデントファミリーで自由にものづくりができる場所として掲載していただきました。
その傍ら年に1度、ラボから1kmほど北にある豊島区南長崎にて「こどものまちをつくろう」というイベントを開催しています。地域の有志メンバーによる運営組織を中心に、ボランティアスタッフの協力を得て実施しています。
01 こどものまちとは?
こどものまちは、こどもが主体となって運営するこどもだけのまちです。
見守ったり、技術指導をする大人はいますが、こどものやることに口を出さずに見守ることを約束したスタッフのみです。それ以外の大人は、原則会場内に立ち入ることはできません。スタッフはこどもたちへの信頼を大切にします。
こどものまちでは、好きなだけ働き、給料で遊んだり好きなものを買ったりします。仕事の種類は10種類と少ないですが、大工や革雑貨、映像ニュースやプログラミングゲーム作りといったモノづくりの仕事と、議会や警察といったまちを動かす仕事があります。
プログラムと場所をこどもDIY部が用意し、こどもたちが自由にまちの中で遊ぶ。逆にいうと「自主性」「発想力」「行動力」がないと遊べないイベントです。
↓2018年こどものまちショートムービー
↑ 2019年こどものまちをつくろう運営メンバー
↑木工、革、一般工作でまちで販売する商品を作ります。
↑売上アップのために宣伝をする子。テープで区画された土地を買って起業する子も。
02 こどものまちの魅力とは
こどものまちの魅力はズバリ大人社会の縮図をサバイブできること。
働いて給料をもらうだけではなく、失業もするし、まちが経済的に困窮することもあるし、喧嘩や犯罪もあります。
15年以上日本でこどものまちに関わっている「あそびのまち社」みえけんぞうさんは言います。
「責任をとるという行為を、取りなさい、と言われるのではなく自分から挑戦をして、このことは自分がやったことなんだから結果を自分で受け入れようっていうこと。それを遊びが保証されている中で自らの心、自らの身体、自らの行為で学んでいけるんだっていうところに、こどものまちの面白さがある」
下の動画では2018年のこどものまちの様子と、立場の違う5人の大人が見た”こどものまち”をそれぞれの視点から語っています。
03 こどものまちではこんな面白いことが起きている
さて、キッザニア開業より4年前の2002年、千葉県で はじまったこどものまちは、形を変えながら全国で200か所も開催されています。私たちの事業でも、参加者の1日あたりの人数は平均で2017年が114人、2018年が285人と2.5倍に膨れ上がりました。そんなこどものまちでは実に面白いドラマが起こります。
例えば、工房で作ったものを仕入て利益を乗せデパートで売るはずの半数以上が、利益をとる理由を理解できなかったので、話を聞いてみたときに返ってきたセリフがこちら。
子ども向け経済学絵本「レモンをお金に変える方法」を読んでも、このリアクションは出てきません。こどものまちがリアルに生きているからこそ、こどもたちの本音が出てくるのです。利益を取らないことを選択した場合は仕入れのお金が無くなるので、こどもたちは知恵を絞ります。考え行動することに慣れてくると自分のアイデアでスタートアップする子も現れます。
そんなおもしろエピソードをマンガで2話でご紹介します。
このようにこどもの意思で働くことは、時として大人の期待に反しているのかもしれません。しかしここはこどものまち。人に迷惑をかけなければ許されます。
チャンスはたくさんあるので成功体験を味わうこともできること。
これから人生100年社会を生きていくこども達に身につけてほしい力と言われている力を発揮する場所であることができるのです。
04 2019年は新たなチャレンジをします
さて前置きが長くなりましたが、今回私たちは新しいチャレンジをしたいと、クラウドファンディングでの支援を望んでいます。そのチャレンジとは・・・
従来あったこどものまちに加え、2019年は10日間かけて更地から ”まち” をつくります。
そのワケは4つあります。
1.ほとんどの大人がまちづくり未経験者。
大人もこどももフラットに、答えのないゴールを共に目指す仲間になれる場を作りたい。私たちは常にそこを目指しています。
2.革命しか起こりようがない。
2017年経産省の未来の教育提言に「50センチ革命」という言葉が出てきます。しかし便利な生活に慣れていると革命なんて面倒。そこで「小さな革命を起こすって面白い」と思えるルールのない場所があれば、革命しか起こりようがないのです。
3.こども達の欲望を満たす。
こどものまちで働いたお金の使い途がない、という声が挙がっています。何に使いたいの?と聞くと「家」「土地」「有名人」等の答えが見られました。じゃあ土地と家を買えるようにしようか、ということで”新たなまち”を作ることとなりました。
4.失業者対策
2018年は参加者が2.5倍となったことで、こどものまちには失業者があふれてしまいました。ハローワークの子たちも新しい仕事を作ってくれましたが、圧倒的に足りませんでした。新たなまちを作ることで失業者を減らします。(高度経済成長期ですね(笑))
05 どこに ”新たなまち” をつくるか
会場は 絵具メーカー ターナー色彩株式会社 のギャラリー3フロアと隣接する豊島区の公園の一部を”新たなまちづくりの場”として10日間占用使用させていただくことになりました。これは豊島区最長の占有期間です。
↑ 隣接公園で2016年に実施した建築系ワークショップの様子。
06 どうやってまちをつくるか
こどもの力で”まち”をつくる。そのモデルはドイツ・ミュンヘンにあります。
2年に一度3週間開催され、1日2500~3000人、7歳~15歳のこどもが訪れるこどものまち「ミニ・ミュンヘン」。60種類ほどの仕事があり、その中に「建築設計事務所」「建設現場 BAUHOF」があります。ここで行われている手法を真似るところからスタートし、こどもたちの様子を見ながら進化させていきます。
↑ミニ・ミュンヘンの建設現場BAUHOF。2018年訪問時はまだ更地。
07 資金の使い道
新しく公園というフィールドが加わったことで増える費用と、人気の仕事の雇用数を増やすための機材購入費をクラウドファンディングで募ります。トータル75万円を希望していますが、まずは①②を優先し35万円を目標金額にしました。
早々に目標を達成してセカンドステージに進むつもりでいます。
①建設資材 100,000円
②公園の見守りスタッフ謝金 180,000円
③映像ニュース社で使うマイク・タブレット・PC 300,000円
④リターン原価 60,000円
⑤キャンプファイヤー手数料(17%)110,000円
合計 750,000円
08 リターンの紹介
11種類のリターンを用意しました。中でもメインリターンは、”カリモクがつくった歯車”。
国産家具ブランドで品質にこだわるカリモクが特別につくってくれた天然木突き板の歯車です。支援者のお名前を刻印し、会場内で組み立てれば歯車が噛み合って回り出す光景を作ります。
歯車の数が多ければ多いほど、たくさんの支援者のおかげでのこイベントが開催できていることを目で確認できるという仕掛けです。
↑会期が終わったらスタンド+アロマオイルと一緒にお届けします。(画像はサンプルですので実際とは異なる場合があります)
①こどもDIY部からお礼メールをお送りいたします。 1,000円
②2019こどものまち報告書をお送りいたします。 3,000円
③こども商品企画 ハンカチ2枚セットをお送りいたします。 3,000円
④こども商品企画 ハンカチ2枚セット+2019こどものまち報告書をお送りいたします。 5,000円
⑤こどものまちラジオで、あなたの悩みにこどもが答えてくれる権利 5,000円
⑥2019こどものまち報告会にご招待+こどものまち報告書 5,000円
⑦こども商品企画 トートバッグ+2019こどものまち報告書をお送りいたします。7,000円
⑧カリモクがつくったSmall 55mm +アロマオイル+2019こどものまち報告書をお送りします。9,000円
⑨カリモクがつくった歯車Midium 90mm+アロマオイル+2019こどものまち報告書をお送りします。11,000円
⑩カリモクがつくった歯車Big 120mm+アロマオイル+2019こどものまち報告書をお送りします。13,000円
⑪社会教育体験をこどもDIY部が一緒に企画します 200,000円
09 最後に私たちからのお願いです。
ミニ・ミュンヘンの建築事務所スタッフに、「建築の設計はこどもたちには難しすぎませんか?」と尋ねたところ、「ダメなら他の仕事をすればいい」と答えていました。
日本でこども向けものづくりイベントをやると参加者全員が同じ成果をだせるように大人がフォローするのが常識ととらえがちですが、それだとやる気のある子の体験の場を奪うことになっていないでしょうか?
このプロジェクトはちょっと難しいことをこどもたちのモチベーションを頼りにすすめるけど、やる自由もやらない自由もあります。
そんな遊びを求めるこどもたちの数は充分、まちづくりのタネもあります。
あと必要なのはこの、ちょっと他にない場所を自分ごととして守りたい・育てたいと思って勇気を出す大人の存在です。 2020年はとしまえん開催をめざし、挑戦を続ける私たちの試みを応援してくれませんか?
開催概要
「こどものまちをつくろう」
日時:2019年 3月23日(土) 25日(月) 26日(火) 28日(木) 29日(金) 30日(土)
4月1日(月) 2日(火) 4日(木) 6日(土) 各日11:00-17:00
場所:ターナーギャラリー1階 3階 4階
(豊島区南長崎6-1-3)
西武池袋線 東長崎より徒歩約8分
都営大江戸線 落合南長崎より徒歩約10分
隣接する南長崎はらっぱ公園内に臨時の駐輪場を設けます。
参加費:一日1000円
対象:2019年3月時点の小学1年生~中学3年生まで おとなは入れません
詳細はこどものまちをつくろうHPへ。
最新の活動報告
もっと見る2023こどものまち始まりました!
2023/03/26 22:30こんにちは、こどものまち実行委員会 改 PLAY -WORK 実行委員会 さかたともえです。いつの間にか1年が過ぎ、今年もこどものまちのシーズンがやって来ました。新型コロナ影響で3年休みましたが、今回で7回目です。スタートしてから10年になります。子どもの権利条約や子ども家庭庁の話題が多かった今年度、こどもへの眼差しが変わりつつあることを感じます。でも教育主体で遊びはまだまだ、社会的には下っぱで無力感を感じます。それでも昨日3月25日の初日、雨の中の初日としては過去最高117名の参加となり、新型コロナの影響から自由になったことを感じずにはいられません。そんな中で「こどもが自由に遊ぶ」の定義が変わって来ていることに気づき、稚拙ながらブログにアップしてみましたのでご笑覧ください。カエルにロケット花火して遊んだ人に読んでほしい〜こどもが自由に遊べる場所を今年はアーツカウンシル東京の助成を受けて、多様性を体験できる「大使館の創設」、こどもが自由に遊ぶ権利を象徴する「スカイタワー」の建設、ネオ東京を表現するサイバーな「アートカー」、メタバース上にこどものほしい町を再現する「こねくりケンチク研究所」、といったコンテンツを増やしております。初日からこども達は新しいコンテンツを楽しんでくれています。経費の1/2助成なので、残り1/2の経費を入場料収入、講座収入、そして寄付で賄う計画としており、今年もクラウドファンディングをしております。ただ、リターンの制作がかなり負担で(すみません汗)、今年はリターンのいらないサイトでクラファンをやっております。あ、でも報告書は作りますので、支援額に応じて今年も報告書をお送りいたします。よかったらご支援いただけると嬉しいです!公式ホームページはこちら「失われた体験を取り戻せ!禁止ばかりじゃつまらない、子どもが自由に遊べる場所をつくりたい」https://syncable.biz/campaign/4282 もっと見る
3年ぶりに「こどものまち」を開催いたします
2022/03/23 19:30こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
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