現在用意してある課題および課題案23個の内、13個はこのようになっています。本プロジェクトおよび本企画の母体が2年弱で用意し選んだものの一部です。
なお、6x6オセロについては先にも書きました。6x6オセロの課題は考えたことを記録することに慣れてもらう、および記録を分析することに慣れてもらうことにも使いますが、ゲームとしての扱いも課題として行ないます。なぜ普通の8x8のオセロではないのかというと、講習の時間の関係から盤面や手の数を減らしたいためです。 8x8 - 4 = 64 - 4 = 60手かかりますが、 6x6 - 4 = 36 -4 = 32手となり半分くらいの手の数になり、おおまかな見込みとして一局の対戦も半分くらいの時間になると想定できます。これにより、二局の記録を取る、それを分析するなど、特定の対局に限らない例が使えるようになることを想定しています。
小道具についてですが、最初の頃に用意した「迷路」の課題での小道具はこのようなものでした。
これではわかりにくいですが、迷路の入り口、出口、分岐点と行き止まりに紙のタグを貼った紐でできています。現在のものも大きな違いはなく、紐が太くなりタグが大きくなっているくらいです。
この小道具がなんの役に立つかというと、迷路を入り口、出口、分岐点、行き止まりとそれらの繋がりとして表現できるということがまずあります。
加えて、入り口と出口は必ずつながっているため、入り口と出口のタグを持って引っ張ると、その経路が物として見えるという理由もあります。一種のアナログ・コンピューティングですが、現在のプログラミング、あるいはコンピューティングが基本的にはデジタルであることに対して、そうではないプログラミング、あるいはコンピューティングもあることを示すことができます。上の写真のものだと、一回ひっぱるとタグがいくつかちぎれかけるという問題もあり、現在はその補強も含めてすこしだけ改善されたものになっています。
また、迷路を入り口、出口、分岐点、行き止まりとそれらの繋がりとして表現できることを示すと、一回アナログ・コンピューティングとして解いた後には (再現には時間がかかるので)、これを使い (あるいは使わなくても)、迷路は木構造として表現することも可能であることを示すこともできます。
本プロジェクト、本企画の母体となる講習では古い資料も掘り出しましたが、このアナログ・コンピューティングの例に限らず、すでに忘れられた知識をいくつも発掘しました。たかだか30年ほどの資料なのですが、現在のプログラミング教育の資料や、プログラミングに関しての教室などにおいては、それらの知識のどれほどが忘れられているのかには驚くほどでした。
本プロジェクト、本企画、あるいは本企画の母体となる講習では、それらの中から依然として有用であるようなものも取り上げていきます。小道具については、上の紐の例では簡単な手作りでなんとかなりますが、他の小道具はアナログ・コンピューティング関係のものに限らず、なかなか素人の手作りというのも難しく、専門の方に作っていただく、あるいは加えてそもそも図面を引いてもらう必要もあります。
このようなことにも興味を持たれるようでしたら、ぜひご支援をいただけたらと思います。