西田卓司です。
ツルハシブックス劇団員あらため、かえるライブラリー楽団員です。
2018年3月まで、とある大学の「中の人」をやっていました。ミッションは、地域志向系授業の構築・運営のサポートと授業外の大学生の地域活動のサポートでした。
新潟市西区にあったツルハシブックスには、たくさんの人がやってきました、特に、新潟大学が近くにあったので、大学生が多くやってきました。
大学生の悩みを聞く機会も多くなりました。
その時の二大悩みが「やりたいことがわからない」と「自分に自信がない」でした。
どうして、こんなに悩める大学生がいるのに、大学は何もしていないんだ。
大学生のうちはもちろん、もっと小さいころから、地域でいろいろ実践できるようになったら、地域も元気になるし、大学生も悩まなくなるのに。
ということで、大学の「中の人」になってみることにして、どんな大学を、プログラムを、つくっていけるのか、3年間、模索しました。
しかし、その方法は、僕にとって、大きな失敗だったのです。
それに気づいたのが、今年読んだ1冊「創造的脱力」(若新雄純 光文社新書)でした。
福井県鯖江市役所内にある女子高校生だけの「JK課」やニートだけを集めた「NEET株式会社」などの攻めた企画で知られる著者のコンセプトが「創造的脱力」です。
「創造的破壊」は、反発を生むので、「創造的脱力」から入る。正面からぶつからない。
「うまくいったらいいな」くらいで始めてみることが大切だということでした。
それか!と思いました。僕自身が大学の「中の人」になるっていうのは、まさにその「創造的破壊」のほうを志向していたのではないか?と思いました。
僕は、見事に返り討ちにあいました。(笑)
そもそも僕は本屋さんでした。
本屋さんは、脱力系の代表みたいなものです。
何か面白いことないかな、と本屋に行き、そこに本や人との偶然の出会いがあって、昨日と違う今日が始まっていく。
それが本屋さんでした。
「目的と目標を決めて、そのために最適化しよう。」というものではないのです。
今回の「かえるライブラリー」も同じです。「この課題を解決するために、どうしてもこの企画が必要なんです」というものではありません。
面白そうだな、やってみようかな、という軽い感じで人が各地で本屋を始めていくこと。
そこから始まっていく「何か」。今はまだ見えない何かを期待して、脱力して「かえるライブラリー」を始めたいと思います。