西田卓司です。絵本をつくりました。
「ちいさなゆうびんせん」(原作:にしだたくじ 作/絵:たかやりょうこ)
できました!届きました!手製本でひとつひとつ手作りです。
手元に15部ほどありまして、500円で手売りする予定です。
「APARTMENT BOOKS」さんに置いてほしいなあ。
絵本のテーマは「手紙」を届ける。
2015年の暗やみ本屋ハックツ立ち上げのとき、サンクチュアリ出版の金子さんと一緒にトークイベントキャラバンをしていたときに気づいたことがあります。その本が「手紙」だったとき、本が売れる、ということです。
2011年7月。
ツルハシブックス開店から数か月たった夏にオープンした「地下古本コーナーHAKKUTSU」。
地域の人から寄贈してもらった古本を、29歳以下の人だけが入れる地下室に置き、宝探しをするように本を探してもらうコーナーをつくりました。「ハックツ」できるのは1日1冊だけ。販売価格は10代が200円、20代が300円、中学生高校生は100円でした。
世界の広さを届けたいのは、誰よりも中学生高校生でした。
僕自身がそうだったのですが、図書館で借りた本をちゃんと読まなくて、気がつくと2週間の期限が過ぎている、みたいなところがありました。
中学生高校生に本を読んでもらうには、100円でもいいから「購入」するということが大切だと思ったのです。
2015年にスタートした「暗やみ本屋ハックツ」は、関係者の反対を押し切って20代以下ではなく、「10代限定」にこだわりました。
1冊100円。コンセプトは、「10代に本を通じて手紙を届ける」。
本は、月1回の開店日に合わせて行われた夜の部「10代に贈りたい本」読書会で集めました。
「その本、まだ新刊書店に山積みですよ」と心の中でつぶやくような、ビックリするくらいの新刊を寄贈してくれる人もいました。
このお正月に、素敵な本を読みました。
「本を贈る」(三輪舎)
校正、印刷、製本・・・
たくさんのプロフェッショナルが誇りを胸に、本をリレーしていました。
「こんなにもたくさんの人の思いのリレーを経て、いま、目の前に本がある。」そんなことを実感できた1冊となりました。
「かえるライブラリー」は、いま、目の前にきた、その本の、その先を「素人」が作っていく企画だと思います。
すでに本は贈り物なのだけど、その贈り物を、さらに次の人に贈りたい。そんな「手紙」を届けるようなものだと思います。
冒頭の絵本に僕が帯を書くとすれば、
「僕たちは、手紙を届けるために、旅に出たはず。」
かな。