はじめに
村田商會の代表を務める私、村田龍一は、日本の純喫茶文化を残したく、西荻窪に純喫茶をオープンすることにしました。
高度経済成長期、日本国内のいたるところで、そこに住む人たちの憩いの場となり、一杯のコーヒーが気持ちを和やかにしてきました。それが純喫茶です。
ピークとなる昭和55年には、およそ15万軒もの個人経営による喫茶店がありましたが、大型チェーン店といった新業態の進出や、経営者の高齢化などにより、年々少なくなっているのが実情です。
1つとして同じものがない喫茶店の内外装、メニューの味わい、店主の人柄などに魅せられて、私は10代の頃から全国各地の喫茶店を訪ね、日本の純喫茶文化を愛おしんできました。
消える純喫茶文化を仕事に
私が大好きな純喫茶文化は、先程述べた通り、年々少なくなっているのが実情です。廃業する理由はお店により様々ですが、消えつつある現状を懐古主義に浸って眺めるだけにしたくない、そういった想いから2015年に創業したのが、現在、私が営む村田商會です。
村田商會は都内を中心として、廃業する全国各地の純喫茶で実際に使われてきた家具を引き取り、丁寧にメンテナンスを行い、使えるものは中古販売して、次のオーナーへバトンタッチする手助けをする仕事です。
私が全国各地の純喫茶を訪ねて、店主から何度も伺ったのは、後継者問題とご自身の年齢を主な理由とした、廃業が近づく、決して明るくない未来についてでした。
一杯わずか数百円のコーヒーを売る純喫茶の経営は、都会であっても決して楽なものではありません。「雰囲気が良いから」「純喫茶が好きだから」そういった理由だけで、難しい純喫茶の経営と後継を、誰かに強いることはできません。また私も純喫茶を愛して止まない一人ですが、日本全国で日々廃業していく純喫茶を、すべて継げるわけでもありません。悲しいことですが、大手チェーンの参入、経営者の高齢化、客層や嗜好の変化などの理由で、ますます個人経営の純喫茶は厳しさを増しています。
廃業してしまった純喫茶店はどうなるのか?
建物が取り壊されないまでも、中で使われていた家具は、不要品として廃棄されてしまう運命です。地元の家具職人が技を競って造り、その店だけに特別に誂えた純喫茶の家具たち。少し古ぼけてはいますが、それがまた良い味わいになっています。その味わいが好きで、純喫茶に通う人も多いのではないでしょうか? 規格化された家具が大量生産される現代において、純喫茶で使われてきた家具は、もう二度と造ることの出来ない丁寧な仕事と、技が光るものばかりです。
人々がそこに集って、愛してきた純喫茶。その家具は、単なる家具ではなく、店主とお客さんの想いがこもった純喫茶文化の結晶だと私は思っています。減少する純喫茶の流れは止められなくても、この「純喫茶文化の結晶」をバトンタッチさせたい、そんな願いから村田商會を続けています。
西荻窪駅に喫茶店を構えるということ
今回オープンさせる純喫茶店は、以前は「ポット」という純喫茶でした。昭和48に創業し、マスターが45年間経営を続けてきました。高度経済成長期の後期に生まれた純喫茶として典型的なお店です。近年廃業する多くの喫茶店同様、残念ながら2018年8月に廃業しました。私がポットのご主人をお訪ねし、居抜きでお借りすることができました。
これまで、村田商會はネットを主な販路としていましたが、人が日々使う道具であり、コンディションが一つ一つ異なるからこそ、じかに目で見て、その良さを確かめて購入して頂きたい。今回、西荻窪駅から徒歩2分という好立地でポットさんの廃業を知り、もっと多くの方に純喫茶文化を知って欲しい、また私も一純喫茶ファンとして、外側からではなく、カウンターの内側に立つことで、新しい純喫茶のカタチを見出してみたい、との思いから、今回、純喫茶のオープンを決意しました。
喫茶・村田商會の紹介
今回の開店は、純喫茶家具を販売してきた村田商會のショップを出店するだけではなく、「純喫茶」という業態にこだわりたいと思っています。先のような現状を喫茶店のご主人から聞くことも多くあったとはいえ、本当にそうなのか、しかるべきタイミングで若い世代に引き継がれていけば、もっと多くの素晴らしいお店を残すことができたのではないかという悔しさにも似た思いがあり、であれば自分がチャレンジしたくなった次第です。これまでの良い雰囲気は残しつつ、喫茶という枠にとらわれず、新たな取り組み(イベントなど)も行い、かつての全盛期の喫茶店の賑わいを取り戻したいというのが私の目標です。
オープンする「喫茶・村田商會」では、コーヒーなど飲み物に加えて、ナポリタンなどの古き良き純喫茶を彷彿とさせる軽食メニューも提供予定です。45年間、純喫茶として使われてきた空間を愛おしみながら、ゆったりとした時間をお過ごし下さい。
また、店内に配置する家具は、私が全国の廃業する純喫茶を訪ね、お譲り頂いた家具です。家具の一つ一つにストーリーがあり、多くの人の時間が交叉してきた家具たち。既製品にはない、純喫茶家具の味わいも楽しんで下さい。
喫茶村田商會が他の純喫茶と異なる点は、これらの純喫茶家具を販売していること。店内外にディスプレイする家具で、お気に入りのものが見つけたら、是非、貴方が次のオーナーになってください。コンディションは家具ごとに異なります。一つとして同じものがない家具との一期一会の出会いを楽しみ、そして純喫茶文化の担い手の一人になって貰いたい、これが村田商會が手掛ける純喫茶「喫茶・村田商會」の願いです。
プロジェクトについて
今回は店舗を「居抜き」という形で店舗を借りましたが、45年間営業し続けてきた店舗はそのままで続けるには、老朽化が激しく、随所に手を加えなければ営業を再開するのは難しいです。特にキッチンの中、水回りは配管がさびていたり、水漏れが発生していたりと修繕が必要な個所がいくつもありました。食の安全にも関わる部分ですし、今後長く営業を続けていくためにも必要なところは設備を更新したいと思っています。
プロジェクトを通じ、ご支援いただくことで、今後も末永く安心して多くのお客さんに楽しんでいただけるようなお店作りをしたいと思っています。
資金の使い道について
目標金額は100万円としますが、目標金額に達しなくてもプロジェクトを実施いたします。以下、資金の使い道の内訳です。
備品(冷蔵庫・厨房機器など)購入費:25万円
クーラー入れ替え・設置工事代:20万円
店舗内外装代:33万円
CAMPFIRE手数料: 17万円
店主略歴
村田龍一(むらた りゅういち) 昭和56年、東京都生まれ。1998年頃から純喫茶趣味に目覚め、全国の純喫茶を訪ねる。訪ねた純喫茶で集めたマッチが約500点。2018年、純喫茶マッチ展を開催。2015年、村田商會を起業。純喫茶家具専門の中古家具販売を行う。2018年、『喫茶店の椅子とテーブル 村田商會がつないだこと』(実業之日本社)上梓。
喫茶・村田商會
・住所:東京都杉並区西荻北3丁目22−17 中央コーポ1階
・営業時間:12:00~19:00(予定)
・定休日:月曜日・火曜日(予定)
喫茶・村田商會への行き方
①JR中央線・西荻窪の北口へ出る。
②改札口を背中にして、中央の道を直進。
③八百屋さんが右手に見えてきますが、そのまま直進。
④右手にFamily Martのある十字路が目印。その向かいが「喫茶・村田商會」です。
⑤いらっしゃいませ!
最新の活動報告
もっと見るOPEN
2019/01/17 21:29いよいよ明日、1月18日(金)12:00に、喫茶としてもOPENいたします。店内外で家具や食器の販売も引き続き行っていますので、気軽にお越しくださいませ。店内ではコーヒーを中心としたドリンクとアルコール、軽食を提供いたします。以下、店舗情報のまとめです。【住所】東京都 杉並区西荻北 3-22-17 中央コーポ103 JR西荻窪駅から徒歩3分【営業時間】12:00~19:00【定休日】月・火【電話】なし店内禁煙です。喫煙席はございません。ご了承くださいませ。駐車場はございません。お車でお越しの方は近隣のコインパーキング等をご利用ください。いままで多くの方にご支援いただきまして、誠にありがとうございます。クラウドファンディング期限は18日いっぱいとさせていただいております。まだの方も、ご検討いただき、ご支援いただきましたら幸いです。いままで申し込み頂いている方へお申込みいただいている方のご連絡先(お名前・メールアドレス)などは、18日 24:00のクラウドファンディングの締め切りをすぎないと当方では確認することができず、いまの段階ではリターンの受け取り方法など個々にご連絡することができません。19日以降順次ご連絡をする予定ですが、特にコーヒーチケットや商品の割引のリターンをお申込みいただいている方は、ご来店時にお申し出くださいませ。個々にご対応させていただきます。 もっと見る
マッチ展について
2019/01/12 01:13村田です。ご覧いただきありがとうございます。今回はリターンのイベント、マッチ展について、詳細をご説明したいと思います。私、村田龍一は学生のころから喫茶店巡りを始め、ほぼ同時に喫茶店においてあるマッチ箱にも興味を持ち、コレクトしてきました。いまでは訪れた喫茶店のマッチは500近くになろうかとしています。マッチを見ると、そのお店を訪れた記憶がよみがえったりもします。マッチ箱が有用な広告媒体だった時代の名残で、各店競うように凝ったデザインものを置いていたりして、集めがいがあります。TOP画像は、荻窪に今もある「ミニヨン」という名曲喫茶のマッチで、「冷暖房完備」の文字が目をひきます。今では当たり前ですが、冷暖房が完備だった時代があった、ということがマッチ箱ひとつからわかるのです。さて、今回は、3回に分けて展示をいたします。期間中は、お申込みいただいた方のみの入場とするので、少人数で、じっくりご覧いただけるかと思います。僭越ながら、私もできる限りのご説明をさせていただきます。表裏あってのマッチ箱です。過去何回か行った展示では、どうしてもマッチの裏表を存分にご覧いただくことができなかったのですが、今回は小人数制のため、お手に取ってご覧いただけるようにいたしました。貴重な機会に、ぜひお申込みくださいませ。さらに、コーヒー(HOT・ICE)を一杯お入れいたします。くつろぎながら、じっくりご覧いただければ幸いです。各回18:00~20:30までです。お時間中であれば、何時でも入場可能です。18:00に間に合わないという方でも大丈夫です。また、20:30までいる必要もございません。お好きな時にお越しいただければと思います。以下、それぞれの回のご説明です。・第一回 1月19日(土)18:00~20:30「大阪西成で採取されたひと山のマッチ」こちらは、大阪の西成区の路上に打ち捨てられていたものを縁あって私が譲り受けたものです。箱を開けると、おそらく採取されたであろう日付がメモしてあって、いつごろにそのお店があってそのマッチを配布していたのかがわかるのは、今となっては貴重です。おそらくひとりの方によって集められたこのマッチは、古いもので昭和30年代のものでした。大阪近辺のものが大多数をしめるのですが、昭和50年代後期のものまであり、そのころのものは大阪のみならず、松山のものや、シンガポールのホテルのマッチまでありました。どういう方がコレクションしていたのかは全く不明なのですが、マッチを眺めているだけでもその人の人となりが見えてくる気がしませんか。・第二回 2月2日(土)18:00~20:30「半世紀前の新宿喫茶マッチ」このマッチは、約50年前、中野にお住まいで、新宿にある会社にお勤めの男性の方からお譲りいただいたものです。コレクションは、約50年前、1970年代に採取されたものが中心です。やはり新宿や中野を中心とした中央線沿線のものが多いですが、川崎など、少し離れたところのマッチもいくつかありました。今も営業を続けているお店もわずかながら存在します。(画像のものにも見えます。わかりますか?)慣れ親しんだ東京の半世紀前の姿が、マッチを通じて見えてくる、貴重なコレクションかと思います。・第三回 2月16日(土)18:00~20:30 「私(村田)が集めた全国のマッチ展」最終の第三回は、私、村田がいままで集めた喫茶店のマッチのコレクションです。今まで何回か展示をしたこともあるのですが、お手に取ってご覧いただけるのは初めてです。当然ながら、私が訪れた喫茶店のものがほとんどです。気になったものはできる限り解説いたしますので、お気軽にお申し込みくださいませ。喫茶としてのOPEN日は1月18日(金)となりました。ただいま最終の調整作業といったところです。引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。 もっと見る
オープン日について
2019/01/08 23:09この画像はお店を借りた直後の11月のものです。テントもやぶれているし、ドアの塗装も剥がれています。まだ道半ばの部分もありますが、外観・店内ともに極力雰囲気を壊さず、かつ長続きできるお店になるようにここ二か月、多くの方のお力を借りたりしながら準備を進めてまいりました。やっと準備が整い、無事に営業許可もいただきましたので、OPEN日を決めました。1月18日(金)12:00OPENです(19:00までの営業となります)当面は、定休日が月曜火曜で、12:00~19:00にて営業いたします。※今までご支援いただいている方には、リターンのお渡し方法など、ご相談のメールを19日以降に差し上げます。もう少々お待ちくださいませ。引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。村田商會 村田龍一 もっと見る
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