2019/02/23 16:47
実は…

実は今回のクラウドファンディング 、17年前、生まれて初めて字書きとして路上に座った日時を公開日としました。

振り返ると偶然にも、2002年2月9日、この日も今回と同じ土曜日でした。

大学1年生の試験も終わって冬休みに入ったこの日に、字書きとしての第一歩を踏み出しました。

そんな自分にとっての記念すべき日に、新しい挑戦をスタートできたことを嬉しく思います。


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スタート時

表現の活動を始めた時は実は「かこうど」というユニットで活動しており、絵描きの相方しんすけと二人で一枚の和紙に絵とことばをかく形での表現で勝負していこうと息巻いていました。

若人をもじって「描く人」と「書く人」の若者なので「かこうど」と名乗っていました。

当初は、自宅で製作した作品を並べて、それを売る形で路上に座っていたのですが、数回目の路上で、立ち止まってくれた方に「私を見てかいてくれませんか?」と言われたのがきっかけで今やっている書き下ろしの形へと繋がっていきます。


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あなたの気持ちで…

僕は「あなたの目を見てインスピレーションでことばを書きます」という書き下ろしを、値段を決めずにしています。専用のお財布を用意して、いくら入れたかも見ずに、「あなたのお気持ちで」というスタイルでさせていただいています。

値段を決めた方がいいとよく言われるのですが、僕は頑なにこのスタイルにこだわってきました。(心が揺れるときもありますが…だって人間だもの。。。)


このスタイルにこだわるようになったのは路上を始めて間もない頃の衝撃の1日に起因します。


その日の何人目かのお客様に、パリッとしたスーツ姿のビジネスマンの方が来てくれて、書き終わってから、そんなに感動したふうでもなかったのにスッと1万円を置いていったんですね。

もしかしたら感動してくれていたのかもしれないけれど、クールな感じで渡されて。

やっていることを評価していただけたのでもちろん嬉しかったんですが、その日の最後にボロボロの服のホームレスのおっちゃんが来てくれたんですね。

書き終わるとそのおっちゃんが、ボロボロと涙をこぼしながら感動してくれたんです。

そしたらポケットをかきあさって、ありったけの、持っている全ての小銭を握らせてくれたんですね。


お金の価値でみたら1万円と数百円。どっちが価値あるかなんかすぐわかります。でも相手が伝えてくれる感動はって考えると…。そこでお金の価値がわからなくなっちゃったんです。


そんな1日がきっかけで、書いて欲しいと目の前に座ってくれた方だけをみようと思ったんです。

その日の終わりとかにもちろんお財布の中は見るので、トータルでの評価、金額はわかりますが、書き下ろしをしているときはできる限り、フィルターをかけずに目の前の方と向き合いたいと思って、今のスタイルにたどり着きました。


これが正解なのか、不正解なのかはわかりません。

ただ、自分が創り続けていくのに一番しっくりくるとは感じています。

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