中国地方最高峰にして、古来より信仰の山として崇敬を集めてきた霊峰伯耆大山の中腹にある三宝荒神社跡に神殿(こうどの)を掛けて、大山三宝荒神社大神楽が奉納されました。
県立博物館の企画展「大荒神展」の関連事業として開催された大神楽ですが、大山で唯一の三宝荒神社だったという跡地に、畳敷の神殿を組み、四本の柱には注連縄を掛け、幕の後ろには霊峰伯耆大山に向けて三段の祭壇がしつらえられました。
祭壇には、大幣、白米、玄米、酒、塩、鯛、海のもの、山のもの、そして神楽で使う道具などが供えられ、大山を拝むようにして神楽奉納が行われたのです。
午前9時半、主催者のあいさつが終わり、神殿に比婆荒神神楽社の太夫4人と大太鼓を叩く横山邦和社長が登場しました。大山の歴史を遡っても記録に無い、大山唯一の三宝荒神社でのはじめての荒神神楽の奉納です。
紅葉の森の中で、肌寒い大山に笛の音が響き渡り、楽合わせの演目である打立(うったて)がはじまったときには、感動で鳥肌が立ちました。太鼓、手打鉦の音が重なっていき、祝詞が唱えられて、厳かに三宝荒神社大神楽がはじまったのです。