「イト2019」上演から1年が経とうとしています。こんにちは!皆様いかがお過ごしでしょうか?昨今、新型コロナウイルス感染症で、日本がまた大きく動いていることを実感しています。今回の騒ぎと、昨年の企画を重ねて、私はひとつの決断をいたしましたので、長くなりますがご報告並びにご説明をさせてください。この度「イト2019」の上演動画を期間限定で一般公開することにいたしました。※URLは本文後半にて公開いたしますので、まずはご一読いただけますと幸いです。多くの方にお力添えいただき、敢行できた、イト2019プロジェクト。もうすぐ迎える3.11に向けて、今年も何らかの形でこの作品を届けられたらと思考していました。その中で起きたコロナ騒動。直接被害に遭われた方も沢山いらっしゃいますが、それ以上に間接的な被害に遭われた方がも多くいらっしゃると思います。私自身も予定していたお仕事が2月・3月と中止が相次ぎ、収入面で大きな損失があっただけでなく、様々な環境や状況の変化に、どんどんココロが削られていきました。公演やイベントの中止やテーマパーク等の運営自粛、こどもたちは突然の春休みに突入し、思い出すのはやっぱりあの日の自分の記憶でした。3.11、私の通っていた高校は、翌日から臨時休校。余震が続いていた為外出は控えるよう指示があり、真面目にその指示を聞き入れて家からほとんど出なかった自分。正しくは、余震が怖くて出る勇気もなかった。なのに、多感な時期で家という場所が好きではなかった。今のようにSNSもそこまで普及していなかった上自分の趣味や習慣として家でできることも少なかった為、当時の自分には居場所がないように感じられて、時折訪れる余震の中繰り返し流れ続ける同じテレビCMと震災の被害を伝えるニュース、ただただ流れる時間の中で生きることがとても苦しくて、どんどんココロが削られていったことを覚えている。思わず今の状況のこどもたちと重ねてしまった。居場所を奪われた感覚になって苦しんでいる子はいないか。いつ終息するかわからない出来事に疲れている子はいないか。理由もわからないけれど、なんとなく哀しくなったりなんとなく辛くなったりしている子はいないか。でも、こういった感情って、こどもたちだけではないと思う。仕事や趣味嗜好に大きな変化があった大人の方も多かったであろう。私自身はそうである。ようやっとこうして筆を走らせることができているが、少し前までは不安に押しつぶされそうになり情報収集やコミュニケーションを極力遮断していた時期がある。そうした時期に、とあるアーティストさんが無観客ライブを実施され、その様子を無料で生配信されているものを見た。非常に元気と勇気をもらい、久しぶりに感情が動いたのを感じた。今の私は、あの時の私と違う。受け手から発信者に変わることができている。助けられなかった当時の自分(と同じような想いを抱いている人)に手を差し伸べることができるかもしれない。奮い立たされました。考えた結果、このプロジェクトで皆様から頂いた勇気や支援、そうして生まれた「イト2019」という作品を、今こそ“誰かのために”使わせていただきたいのです。ご支援くださった方はご存知の通り、このプロジェクトは・あの日の出来事を忘れないでほしい・栃木の演劇界を豊かにしたいという想いからスタートしました。これらの想いには忘れないことが、誰かの救いになれば、という想いや、栃木の演劇界や演劇活動を行う方への想いなど、必ず「誰かのために」という想いが根底にありました。人との繋がりを描いているこの作品は、この「誰かのために」という非常に烏滸がましい私の想いを、素直に、静かに、また届けてくれると感じています。「イト2019」はこちらからご覧いただけます。※2020年3月の限定公開予定※作品内容が結構ヘビーです。辛くなったら視聴を中断してください。支援してくださった方公演に足を運んでくださった方DVDを購入してくださった方実際に出資をしてこのプロジェクトを応援し、見守り、味わってくださった方も多くいらっしゃいます。貴方様がかけてくださったお金が、時間が、私を通して、誰かのために再び活かされることをどうかご理解いただけますと幸いです。この想いがひとりでも多くの方に届くよう、イトの著作元であります自身の所属劇団舞台芸術創造機関SAIからも同様の内容を発表させていただきますことも併せてご理解いただけますと幸いです。最後に、あの時お力添えくださいました貴方様に、今回の公開に関する判断を委ねてくださった出演者の皆様に、関わってくださった全ての方に、改めて感謝申し上げます。2019年には考えもしなかった2020年の私の我儘が、今を生きる誰かの支えや、気分転換や、2011年あの日への想いを抱えて生きる誰かのチカラになれますことを願って。騒動後に公演やイベントの自粛/実施をされました演劇関係者様、アーティスト様、全ての方の決断を尊重して。今の私にできることとして。この作品を、贈らせてください。一連の騒動が、1日も早く収束することを祈って。舞台芸術創造機関SAI常盤美妃
8月も間もなく終わりを迎え、夜には秋の足音を感じる時季。皆様いかがお過ごしでしょうか。今年の1月から実行に移してまいりましたこのクラウドファンディングも、8ヶ月程の月日が流れ、今回の更新をもちまして最終の報告とさせていただきます。まずは先日、無料配布分の【イト2019】上演&ドキュメンタリーDVDの発送が全て完了しましたことをご報告いたします。最終的には、・高等学校の演劇部・専門学校の演劇部・大学の演劇部・劇団・個人で活動されている俳優さん述べ10団体/個人の方にお送りさせていただきました。明確な団体名はプライバシー保護の為に公開を控えさせていただきますが、特に10代・20代の方からお申し込みをいただき、嬉しかったです。また、リリースイベントに飛び込んで来てくださった方や「母校に渡します!」と行動してくださった栃木の演劇仲間もいました。本当はもっともっと多くの団体様にお渡ししたかったのですが、この結果が今の私の全力でした。なので、これから出逢えることがあるかもしれないその時の為に、栃木での公演やイベントの時には、少しでもお渡しができるように、常にDVDを贈れるように準備していたいと思います。皆様から頂いたモノは、これからも大切にさせていただきます。この活動を通して、出逢えた人が沢山います。届けられた想いが、理解してもらえた想いが、沢山あります。応援してくれた方が、支えてくれた方が、沢山います。未だに震災関連の作品を観に行くことに抵抗を感じ、時には行動に移すことができない私ですが、それでも、あれから8年後、こうして活動をできたこと、小さな結果であったとしても達成できたことに、大きな感謝と、大きな成長を感じています。余談ですが、最近本当の意味を理解し、受け入れ始めていることがあります。それは「人生は選択の連続」ということ。私がこうして活動を行ったことも、ひとつの選択。貴方様が協力してくださったことも、ひとつの選択。貴方様が応援してくださったことも、ひとつの選択。協力も応援もしないことも、ひとつの選択。その人自身が、何かを選び、選んだことに対して向き合っていく。人生は、それの繰り返し。その中で、何かを得たり、失ったりする。人生は、それの繰り返し。その中で、貴方様と出逢えたことに、応援していただけたことに、見守っていただけたことに、行動する勇気を貰えたことに、本当に、本当に、感謝しています。これまで沢山のものを頂きました。これからも私は、演劇を通してなにかを、届けたり、伝えたりできるよう、努めてまいります。可能な限りで構いません、今後の活動も応援していただけると嬉しいです。改めまして、今回のお力添え、本当にありがとうございます。常盤美妃舞台芸術創造機関SAI■・■・■・■・■・■・■・■・■・■・■・■・■・■◎「イト2019」上演DVDを購入するにはこちら◎常盤のTwitterはこちら◎舞台芸術創造機関SAIの活動についてはこちら■・■・■・■・■・■・■・■・■・■・■・■・■・■
遅ればせながら、先週末6/1(土)・2(日)に開催しました『イト2019』DVDの発売&完成記念リリースイベント、無事に閉幕しましたことをご報告いたします!初日は、SAIの拠点である東京は江古田にてホームシアターをたのしむようにゆったりとしたアットホームな時間をお過ごしいただきました。演出からのコメントを挟んだり「実はここの動きはー」なんて解説や“ここだけの話”を挟んだりと上映中も、上映後の交流会の時間も、たっぷり作品を感じていただけたかと思います。ご来場くださった方同士が“あの日”についてや“今”について会話してくださっている姿をみると、「こうして乗り越えてきたんだよね」「復興はまだまだこれからなんだよね」というキモチに改めてなりました。おひとりおひとりにDVDを手渡し、不躾ながら「なぜチカラを貸してくださったの?」と会話をすると、ようやく『本当に敢行して良かった』という実感が湧いてきました。手渡すまでは正直沢山不安もあったので、愛情込めて形にした子たちが旅立っていく姿を見ると、この作品が、いつかの、誰かの、支えや、チカラに、なれるかもしれない、と細やかながら感じ、そうなる未来を祈ってしまいました。(やっと形になったよ…)2日目は、この企画の原点であり私のホーム、栃木にて開催しました。会場は、昨年できたばかりの劇場「アトリエほんまる」。栃木で公演をするとなると、100人以上のキャパのホール公演が基本。小さな箱で、となると、探すのが意外と大変であったのが、この劇場ができたことで、演劇人の居場所ができたようにも感じています。以前ほんまるのオーナーが言っていた「みんながやりたいことをできる場所をつくりたい」というお言葉のもと、私たちは、この劇場で初めて「上映会」をさせていただきました。(私はしっかりとした上映会自体も初めてでした)沢山のことが初めて尽くしだったこのプロジェクト、最後まで“初めて”に挑むことができたのは、沢山の方のお力添えがあってのことと、感謝しています。(映像チェック中。映りや音のバランスを何度も調整しました。)劇場という場所も相まって、さながら映画館での上映会のようでした。トークショー含め皆さん集中して観てくださっていたためか、この作品を改めて受け取ってくださっている様子がとても伝わってきました。2日間を通して学生さんや上演を観られなかった方、沢山の方にご来場並びにDVDをお受け取りいただけました。(トークや交流会の際に流したドキュメンタリーDVDの映像は、リアルを詰めた、創作資料へと成りました。)最後に、大切なお知らせです。このイベントにご来場くださいました方には演出よりお伝えしましたが、「大切な台詞が聞こえ無さすぎる・・・とあらためて感じ、そして、プロジェクトの中にある『届けていく』と直接繋がる要素でもあるため【イト2019】 の上演台本を無料で公開します。 」という運びとなりました。当日の音響担当や収録環境の都合により良質な音を収めることができず、整音はこのDVDを創る上で最もと言っていい程時間をかけ、最後まで向き合ったことではありますが、それでも完成した音が、私たちの精一杯でありました。でもやっぱり「台詞に込めた想いをきちんと届けたい」という想いから今回台本を公開することを決めました。▼こちらからご覧いただけます▼※上記から【SAI[イト2019]上演用音響照明】をクリックしてください私はこの作品において特に最後のセカイちゃんの台詞がすきです。あの台詞には、当時の人々の行動や想い、様々な“あの日”を感じるから、すきです。だからこそ、しっかりと、伝えたい、届けたい。ひとりでも多くの方に、改めて受け取っていただけますように。さて。おわりははじまりこのプロジェクトの目立った活動はリリースイベントをもって一旦落ち着きますが、無料配布活動は夏まで続き、様子を見つつ続けていきたいと思います。こうして活動ができたのも、沢山の方がチカラを貸してくださり、沢山の方のキモチに支えられたからです。本当にありがとうございます。次回の活動報告は暫く先になると思いますが、その時には「沢山の方にDVDをお届けできました!」と報告できるよう、引き続き精進いたしますので、見守っていただけますと幸いです。それでは、また!常盤美妃
※本来であればプレスリリースとして発表する内容のものを 活動報告の一部としてご案内させていただきます。平成最後の公演、2019年3月に上演した栃木でつくる演劇 WIP版『イト2019』クラウドファンディングをはじめ沢山の方のお力添えをもって公演は無事に終了しました。しかし、もう半分の目標達成はこれから。『栃木の演劇界に貢献したい』そこで、栃木県内で活動している高校演劇部や大学演劇サークル、演劇団体の方々に『イト2019』の上演DVDと上演台本、創作過程を収めたドキュメンタリーDVDをセットにして“無料配布”させていただきます。これは沢山の方にお力添えをいただけたことで実現できたことであります。お力添えくださった皆様には改めて感謝申し上げます。『イト』は、台本を持ったまま上演する作品です。演じる人や上演する場所を選ばないという特徴を活かし、これまでもプロの俳優や、演技初心者が同じ舞台に立ちました。具体例として、初演時は2回の稽古をもって上演、今回は栃木県で稽古と上演を3日間で行い、過去に大阪でたった1日で稽古と上演を行いました。そんな実績をもつ作品『イト』、そのDVDを創作資料のひとつとして活用していただき、今後上演していただいても構いません。ひとつでも多くの団体様の今後の活動のお力になれたらと願い、このようなご案内をもって今回の配布に踏み切らせていただきました。「自分にとって良い作品」、「上演してみたい作品」に出会うことは簡単なことではないと思う。だからこそ、まずは受け取ってほしい。希望される皆様は下記内容をご確認いただき、ご連絡いただけますと幸いです。ひとつでも多くの団体様にこの想いが届くことを願い。常盤美妃■『イト2019』DVD配布に関して■◎条件栃木県内で活動している演劇部/サークル、演劇団体であること。★小学校~大学までOK◎申し込み方法舞台芸術創造機関SAIの申し込みフォーム( http://stageguide.kuragaki-sai.com/guide/back-number/ito2019/gakkou01/ )より必要事項を明記の上、お申し込みください。◎受付期間2019年5月5日(日)~7月26日(金)◎配布内容栃木でつくる演劇 WIP版『イト2019』・上演DVD・上演台本・ドキュメンタリーDVD