このプロジェクトで作っている等身大ロボット足立レイの音声合成ソフトのクラウドファンディングを始めました!
足立レイ 読み上げソフト「レプリボイス」制作プロジェクト
リターンにはロボットの試作パーツ等を含んだものもあります。もしよろしければ応援よろしくお願い致します。
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最近の進捗としては、前回活動報告時はポリカーボネート製だった樹脂パーツをさらに強度・耐熱性の高いカーボンファイバー入りのエンジニアリングプラスチック(ポリアミド)に置き換えて足を組み上げています。
これについてちょっと解説してみます。
まず、エンジニアリングプラスチックとは何か、というと、簡単に言うと「熱に強くて強度の高いプラスチック」です。
普通プラスチックって、70℃とか80℃くらいになると溶けて柔らかくなってしまったり、もちろんそこまで強度もなく、鉄の棒なんかに比べれば簡単に曲げられてしまいますよね。しかしその常識に反するのがエンジニアリングプラスチックです。
種類によっては400℃を超える耐熱性を持ち、アルミ合金並みの強度を持つものもあります。こっちの方はエンジニアリングプラスチックを超えたエンジニアリングプラスチックという事で、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と呼ばれてます。
(なんかスーパーサイヤ人みたい)
カーボンファイバーとは炭素繊維の事です。カーボンナノチューブ、等聞いたことがあると思うのですが、炭素はうまく線維化等してやるとその方向に非常に強い強度を持つようになります。繊維ではないですが、例えばダイヤモンドも炭素の単体ですね。これは根本的には分子構造に理由があるのですが、要するにダイヤモンドでない炭素にも、一定方向に非常に高い強度を持ったものがあります。
それを元々強いエンジニアリングプラスチックと合体させてさらに強い強度を持った軽くて丈夫な樹脂を作る。そんな欲張りセットがカーボン入りエンジニアリングプラスチックです。
2足歩行のロボットの体には高い強度と軽量さが求められます。そのために3Dプリンターでいろんな部品をこれで作れたら最高、というわけです。
ただし今現在等身大2足歩行ロボットでこういう部品を使っている例はあまり聞いたことがありません。一つは等身大ロボットのフレームや歯車を3Dプリント樹脂で作るというのが本来はありえないやり方な事(強度が足りない)。そしてこの高い強度を持ったプラスチックを3Dプリントできるような環境が比較的一般的なところになったのも本当にごく最近だという事です。
ただなかなか扱いが難しく、普通のポリ乳酸(PLA)のフィラメントの様にはいきません。という事でこれを使いこなしていい感じの寸法のパーツを作れるようになるまでかなり四苦八苦してた(る)という感じです。
しかしながら、この方法は今後必ずその素晴らしさを体感する事になるだろうという確信も、何か作っていて感じます。軽くて丈夫で、自由な形状、ほんとうに良いです。むしろ今後等身大の2足歩行ロボットが一般的になるには、適しているというよりは必須の技術ではないかとも思っています。
2番目の写真の通り、いよいよ股関節もカーボン化がうまくいきそう(まだ少し調整中)なので、そろそろ右脚全体が完成しそうです。
まずは各部サーボユニットの動作確認と同期などの調整、各関節での電源を入れての動作確認、そして最後に配線して股関節、膝、足首全部を連動させての動作確認を行って、右脚の一応の完成となります。
ツイッターや生放送などでも逐次また投稿すると思いますので、良ければチェックしてください。ちょっと期間的に厳しくもなってきましたが、今年中の完成をめざしてがんばっていこうと思います。よろしくお願い致します。