こんにちは!
TORICOTORの「ぼを」でございます。
3Dプリンタの選定状況について、今回はお話したく思います。
今回の予算内での有力候補は、以下3つです。
・奇しくもCAMPFIREでクラウドファンディング実施中の「SparkMakerFHD」
・3Dプリンタ界御用達、SK本舗も部品を扱っている信頼と実績の「ANYCUBIC PHOTON」
・安価だけれど実績が不明な「Anet」
SparkMakerについては、前身の低解像度モデルが良く売れてましたし、FHDもindigogoの方では5,000台くらい出ていましたので、情報量は比較的多いです。
PHOTONはyoutubeなどでもレビュー動画が沢山あがっており、コストパフォーマンスの高さには定評があります。
まず重要なのは、プリントできる領域の大きさです。
というのも、今回の開発段階ではウェアラブルリコーダー本体を一度にプリントできる必要があるからです(最終的には部品単位でのプリントになったとしても)。
まず、ウェアラブルリコーダーのサイズですが。。。
奥:10mm(試作モデルは11.5mm)
横:120mm
縦:160mm
です。
では、各プリンタのスペックの比較表を作りましたので、確認してみましょう。
※単位記載のないものはいずれも「mm」
「造形サイズ」がプリントサイズになります。
はい。このサイズだけみると、どのプリンタでもNGに見えますね。
実際は対角線も使えますので、例えば一番造形サイズの小さなSparkMakerで収まれば、いずれのプリンタでも問題がないことになります。
という訳で、SparkMakerのプリントソフトに入れてみました。
は、入らない…。
これは対角線にしても無理ですね。
実は、入らなかったとしても解決方法はいくつかあります。
例えば、「ギミックを先に開発」すれば、あらかじめ部品ごとに分割して開発可能なので、この問題は解決できます(現在の試作品も、部品ごとにプリントしたものを接合して作っております)。
または、調音に必要なアドミタンスが得られる管長で開発を行い、開発完了後の最終プリント時(部品ごとにプリント)に最終的な長さでプリントする事でも回避できます(特許出願技術にて、管長を短くしても必要なアドミタンスを調整できる構造になっております)。
※アドミタンスの概念については、過去の活動報告をご覧ください。
とはいえ、開発のしやすさからするとPHOTONが有利なようです(計算してませんが、対角線ならギリはいるかな?)。
次に重要なのが精度です。
「解像度」の部分になります。
いずれも「どんぐりの背比べ」感がありますが、正直このレベルの精度であれば、大きな差は感じられないと見ています。スペック通りに出力できるのであれば、いずれも十分な解像度です。
そして「速度」ですが、これはSparkMakerFHDが1時間に2.5cmプリントできて高速です。Anetはスペック上の速度表現が「1層あたり▲~●秒」という表現でしたので、換算が難しい為空欄としております。
最後に私が注目したのが「レジン」です。
価格でいうと、SparkMakerFHDの純正レジンは高価です(500mlで10,000~13,500円)。PHOTONが1,000mlで13,000円程度ですので、量産を考えた場合はPHOTONの方がコスト効率が高そうです。
ただし、純正レジンの種類ではSparkMakerFHDに利点があります。クラウドファンディングのページを見る限りでは、以下の特徴を持ったレジンを純正で用意しているようです。
・色を混ぜてカラーリングを変えられる通常のレジン(色は別売で8,000円)
・3D彫刻にも使える硬くて劣化の少ないレジン
・セ氏320度にも耐え、樹脂の射出成型にそのまま金型として使えるレジン
・プリント後に硬度が上がっていくレジン
私が注目しているのは「劣化の少ないレジン」と「金型にも使えるレジン」です。今後、もし量産体制に入る場合、3Dプリントで金型まで作れるのは非常に魅力的です。
と、色々比較してきましたが、もう少しだけ比較検討を続ける予定です。
今のところの最適解は、SparkMakerFHDにて本体価格を抑え、レジンを複数種類入手する事です。その上で、最終硬化用の紫外線照射機や洗浄用の無水エタノール、その他使い捨て手袋や保護メガネグラスなどを調達する事を考えております。
開発自体は、ウィンドウェイを最初に行い、次にギミックを開発。その後アドミタンスの調整をして音階を作っていくのがよさそうです。
最後に。
今回のリターンの一部である「人類には早すぎる音楽」について、ほとんどご紹介しておりませんでしたので、その中から一曲ご紹介します。
19拍子のボーカロイド曲です。よろしければお聴き下さい。