2019/03/20 07:26

ブログ「保育園落ちた日本死ね」から3年、当会発足から2年。保育園の整備は進み、昨年は待機児童数が2万人を割りました。

しかし、待機児童数にカウントされない“隠れ待機児童”はむしろ増加。さらに、今秋からの「幼児教育・保育の無償化」による需要の喚起も予想され、現在も不足している保育士の負担増、保育の質の低下も懸念されています。

3月6日(水)、みらい子育て全国ネットワーク(miraco)では、行政のデータや独自の調査結果を基に、保育園の問題に対する当事者の声をメディアに伝え、発信してもらうべく、参議院議員会館にて記者会見を開きました。

記者会見の冒頭、代表の天野妙より、保育の質と量を取り巻く課題の現状について、都心部では少子化でも保育需要が衰えないこと、幼児教育・保育の無償化によってさらに需要が喚起される可能性もあること等を紹介しました。


当会メンバーの研究員である穂積から、今後の保育サービスの需要推移と待機児童解消のために解決すべき課題について報告いたしました。

●定員数ほど利用児童数は増えておらず、待機児童数は依然として減少傾向にはない

●需要のある地域での定員数が増えない限り、待機児童は解消しない

●待機児童解消のためには、市区町村レベルでの今後の需要の正確な把握とそれに基づく整備を着実に行うことが不可欠である

市区町村ごとの保育サービスの現状と今後の需要を簡単に調べられるツール「保育サービス需要の現状と将来推計シミュレータ(β版)」により、都心部では2040年まで保育ニーズが衰えないことを示しました。


続いて、当会メンバーの研究員である長岡から、当事者の声の見える化を目的として実施したmiraco独自の4つの調査について、中間集計結果を報告しました。3つのストーリーについては、現在も当事者からの声を募集中です。投稿される方は各ストーリーの<タイトル>をクリックしてください。5月末をメドに受付を締め切り、最終集計を行う予定です。奮ってご応募ください。

<SNSで発信された声>
「保育園・落ちる」の嘆きに加え、今年秋の「無償化」や「保育士の給料・人員増」のワードが多く出現。

保活ストーリー
保育ニーズに見合った保育の量の不足解消への要望、自治体ごとの保育環境の格差や、保活で無理を強いられたことへの不満が多い。

保護者ストーリー
園に感謝しつつも、保育者の余裕のなさ・スキルに懸念を感じており、処遇改善などによるスタッフの充実・定着を要望する声が寄せられている。

保育者ストーリー
92%の回答者がいずれかの場面で、人手・人材不足を感じている。人手不足を感じる理由への質問では「必要なスキルを持った人材がいない」「時間帯・曜日によって人が足りない」ともに回答が多かった。資格やスキルに応じた処遇の改善と、より手厚い職員配置を求めていることが分かった。

最後に、記者会見の直後に開催するシンポジウム(院内集会)で、「保育の量と質」について「保育事業者」「保育者」「保護者」の3つの立場から解決策を考えていきたいと締めて、記者会見を終えました。


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