3月20日(水)、国会議事堂内の会議室にて開かれた幼児教育無償化に関する野党合同ヒアリングに呼ばれました。衆参両院の野党議員10人以上と、内閣府・文科省・厚労省の方々に対して、代表天野妙から、保育の質と量を取り巻く課題として、都心部では少子化でも保育需要が衰えないことを説明。「待機児童が約2万人、隠れ待機児童や潜在待機児童はその何倍、何十倍もいる状況で、入れた人だけが無償化されるのはいかがなものか?」と質問を投げかけました。
<そもそも無償化の目的って何でしたっけ?ととぼけて官僚の方々に尋ねる天野>
政府サイドから「2020年度末を目標に待機児童解消をめざして整備を進めています」という説明がありましたが、あえて待機児童の少ない自治体に引っ越したにも関わらず待機児童になってしまったパパから、「私たちが必要なのは『今』入れることなんです」という切実な訴えがあり、会場が静まり返りました。
議員から、無償化によって「保育の質の確保が難しくなるのではないか?」、「保育のニーズがどの程度増えると想定しているのか?」という質問がありましたが、政府サイドからは「保育ニーズが増える明確な根拠を持ち合わせていない・・・」など、ニーズが増えることはあっても減ることはないという肌感覚とは異なる回答しか得られませんでした。
<議員からの質問に回答する官僚の方々>
当会メンバーの長岡研究員から、miracoが独自に実施した保育士アンケートを基に、92%の回答者がいずれかの場面で人手・人材不足を感じていること、人手不足を感じる理由として「必要なスキルを持った人材がいない」「時間帯・曜日によって人が足りない」ともという回答が多かったことを報告。「保育士は、資格やスキルに応じた処遇の改善と、より手厚い職員配置を求めている」と訴えました。
今までの処遇改善の取り組みについての政府サイドからの説明に対し、「全然足りていない。仮に幼児教育無償化に使う予算を保育士の処遇改善に回した場合、いくら上がるのか?」と議員が迫る場面も。試算ながら、全産業平均の水準まで引き上げることができるとのことでした。
最後に天野から、子育てに財源が充てられるという観点で無償化の意義は認めつつも、「限られた財源の中で、順番としては先に待機児童の解消や保育士の処遇改善を」、「待機児童解消か無償化かのどちらかではなく、どちらもできるように」とお願いをしてヒアリングは終了の時間を迎えました。
子育て当事者の思いと行政サイドの回答が交わることなく平行線をたどり、消化不良気味のヒアリングとなりましたが、閉会後、官僚の方々と話すことができ、省庁との勉強会を個別に開いてもらえることになりました。今後もmiracoでは、行政や政治家との対話を粘り強く続けていきます。
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