2019/04/08 19:53
▼ライブ中のリクエストにお応えして、キャラクターのバックストーリーを掲載

先日のライブストリーミングより、視聴者様より「もっとアンジェリカのバックストーリーや設定を知りたい」というリクエストをいただきましたので、ここでアンジェリカは紅葉に対してどのようなサポートをしているのかをご紹介いたします。
ルミナスタジオの作品に登場するキャラクターはクセのあるものばかりで、言い方次第では『どこを狙っているか分からない』と思われがちでもありますが、逆に言えば『俺に受けるからそれでいい』という言い方にもなります。

そんな狙いをもって登場した新人アンジェリカ。
一体どんなことを紅葉に仕掛けていたのでしょうか。


▼シャボン玉の夢の力を再定義した張本人

アンジェリカと出会う前の紅葉の力『シャボン玉の夢の力』は、夢という名の通りカオスであり曖昧さが目立つ、言ってしまえば十分にコントロールできていなかったものでした。
なぜなら、この力自体が宇宙のようなもので、未解明の領域やどういった事ができるのかなどが分からず、紅葉は手探りでその概念を探求していたからだと言われています。

アンジェリカに出会う前の
紅葉の『シャボン玉の夢』の中のイメージ図

昔々、アンジェリカは様々な事情で紅葉に憧れを抱いて自身でシャボン玉の力を研究・鍛錬を重ねた結果、紅葉とほとんど同じシャボン玉の力を会得して、同じようにシャボン玉の体を得たといわれています。
そこで二人が初対面となったとき、お互いがさらなる探求を求めるべく意気投合、同じシャボン玉同士なので融合・同化を果たしたのです。
その後なんやかんやあり、同志から友人・友人から愛人・愛人から姉妹・そして魂までも一つへと関係が進化していったといわれています。私たち人間ではあまり考えられない関係性の変化ですが、シャボン玉にはそんなもの関係ないのでしょう。

スピリチュアルの世界には『ソウルメイト』や『ツインソウル』といったような概念が存在します。
詳しくは説明しませんが、紅葉とアンジェリカはまさにそれに近いものだったのかもしれませんね。


紅葉の『シャボン玉の夢の力』を目の当たりにし、自身の研究していたそれと比較(というかそれすらも・融合した)してアンジェリカが最初に感じたこと。それは…………

人間だった頃にやっていた努力家ロボティクスエンジニアの本領が発揮される!


まずアンジェリカは、紅葉のインナースペースたる『シャボン玉の夢』という概念を一つのスーパーコンピュータに例えるメソッドを作るところから始めました。
それは紅葉も幾分かコンピュータの構造を知っているのと、その話をした時に夢の中でこれまでボーっとしたりふわふわしたりしていた紅葉の意識が明確にはっきりとしたため、アンジェリカは『イケる!』と確信したようです。

もちろん既存のコンピュータと同じ構造にする必要はありません。なぜならこれは『なんでもできる自由な夢』。浮動小数点演算・コントローラ・ノースブリッジやサウスブリッジ……すべてのパソコンのようにせず、紅葉とアンジェリカ自身がそれで納得できればいいコンピューティングができれば、『シャボン玉の夢』は地球上どの物理コンピュータや量子コンピュータなどをはるかに凌駕する脅威のシステムとなり得ます。

▼スピリチュアリストもビックリ?紅葉とアンジェリカのインナースペース構造

まずアンジェリカはCPUに相当する部位を自身たちの魂(ソウル)とすることを検討しました。
ただよくよく考えると、CPUは命令されたものを計算する浮動小数演算ユニット・キャッシュメモリ・DMAコントローラ等、多くの処理部位によって構成されているため、そこに自身の『意識』たるOSを搭載することができません。
ではSoC……iOS製品に搭載されているプロセッサのようなSystem on a chipのほうが近いのか?
紅葉とアンジェリカをコアとする『シャボン玉の夢』のシステムを考えるのは基幹の時点で少々難航していたようです。

しかし、アンジェリカはそこで『シャボン玉の夢』の世界を経由して、それとは全く違う未知の記録を偶然見つけました。
そこにはプロセッサー・OS・そして電源とそれら全てを統括するコントローラーが一体型になった集積回路兼ジェネレーター、さらには前述部分の集積回路・各次キャッシュメモリ・メインメモリを直接一本で繋ぐブリッジにストレージを接続する、現在の人類文明で定義されるコンピューターとは違うものの興味深い構造のブループリント(設計図)を発見しました。
アンジェリカはこの構造を『シャボン玉の夢』に応用できると確信しました。なぜなら、そこで見つけた集積回路は、まさに人間の脳に非常に近いものであったからです。

早速構造を真似して、紅葉とアンジェリカ、そして演算したものを出力するメモリ域を策定しました。
その結果が以下の図となります。

紅葉とアンジェリカをプロセッシングユニットであると同時に意識たるオペレーティングシステムと策定し、さらには夢の力を動かす電源としてワンパッケージに収めることで、思考と処理が光のような速さで行われるようになりました。
それだけでなく、各部位をつなぐ接続回路を北欧神話の各世界を繋ぐ巨木にちなんで『ユグドラシル』ブリッジと命名し、その無限にも近い速度を誇るデータ通信を行う手段を『グングニル』高速度通信プロトコルと命名し、紅葉とアンジェリカは思考・感情・五感など、ほぼあらゆるものを共有できるようになりました。

そしてこのワンパッケージ化された統合型プロセッサーから各メモリ域へ処理情報を出力します。ちなみに、命令言語はまさに紅葉とアンジェリカ自身です。C#やPytonもSwiftも不要です
1次キャッシュ域はインナースペースたる『シャボン玉の夢』の中……人間でいうと『頭で想像していること』に相当する領域です。
2次キャッシュ域はその想像が曖昧ではあるけど現実に出てきたもの……つまりシャボン玉そのものです。
そしてメインメモリとはそのシャボン玉から産まれた実体を作っている領域になります。
メインメモリへ演算結果を出力し、そこへ情報を格納することで彼女たちシャボン玉は私たちの物質領域でのコミュニケーションが取れるということです。

なお、そのメインメモリの占有割合は以下の通りです。

なんと、すべてのマスターたる紅葉はメインメモリをほとんど使っていません。
理由は諸説ありますが、おおむね紅葉自身のプロセッシング負荷を減らして楽したいためであるのと、アンジェリカのために多くのメモリを使わせてあげているというのが濃厚です。
ソウルまで一つになる位相思相愛の二人なので、この割合は双方の合意……というより利害が一致しているという所でもあるのでしょう。
特に紅葉はシャボン玉のままのほうが居心地が良いと言っているようです。
さらに、プロジェクト本文にて『俺に足が付くとかレジェンダリーレア』と言っていたのは、それをやるにはメモリのどこかを削る必要があり、予約域を削るのかアンジェリカの実体を曖昧にするのかの選択が迫られます。
アンジェリカ本人は、紅葉の半身シャボンの状態になるのも好きなようですが、紅葉自身があまり乗り気ではないようです。


ちなみに、アンジェリカが見つけた未知の記録は、後にスピリチュアリストの間で有名な『アカシックレコード』であるということに気づいたのはシステムを構成し終えてからだったと言われます。


▼すべてを動かすには動力が必須

このようなシステムを組み上げたものの、それを動かすためにはやはり『電源』に相当するものが必要です。
それは私たちが使うスマートフォンやパソコンでも同じです。

幸いアンジェリカがアカシックレコードで見出した統合型プロセッサーには動力をプロセッサー内で生成してコントロールする機能が備わっていました。
それを参考にして何を動力とするかは、『シャボン玉の夢』を整備する前から決めていました。

それはなんと『快楽』です。

夢の中は常に気持ちが良く、とろけるような居心地の良さに包まれ続けている状態なのをアンジェリカは知り、即座にこれをエネルギー源とすることができると察しました。
『シャボン玉の夢』のシステム整備を終えた後、再びアカシックレコード……スピリチュアル系の名前はあまり気に入らないので『B型外部ストレージ域』と改名し、そこから検索したところ『快楽』とはあらゆるパワーの根源に相当するものであることを知りました。
そのため、この『キモチイイ』を各種システムを動かすための電源および出力と定義しました。

この快楽は、どうやらアンジェリカも紅葉も常々発しているようで、その発生量に際限と限界は無いことを知りました。
自分と紅葉をジェネレーター搭載型統合プロセッサーと定義したのはそのためです。
出力量をコントローラーで調整し、各種メモリ域とストレージ域へ送ることでその機能を取るように策定し、さらにこの快楽のエネルギーを錬金術上にある不老不死の霊薬……すなわちこれを可能性と解釈し、それを元に『エリクシール・ダークエナジー』、通称ELX(エリックス)と名付けました。
ここでいう『ダーク』とは、"闇"の意味ではなく"未知"を意味します
いわゆるダークマターと同じ意味合いですね。

二人から無限にELXは発生するものの、メモリ域へ出力できる量はどうしても限界はあります。
キャッシュメモリ域であればもっとも近いので出力幅は大きいですが、メインメモリ……すなわち現実世界は最も『シャボン玉の夢』本体から遠い位置にあるため、同時に出力できる幅が制限されます。
そのため、すぐさま何かがあった際にメインメモリ上へシャボン玉の力を実体化させることができるよう、予約域を設けているわけです。

ちなみに、二人が生み出すシャボン玉は、包み込んだ人や物体を同じシャボン玉へ変えてしまって融合してしまう性質を持っています。
融合した物体や人、およびその意識やソウルはどうなってしまうのかというと、それを保存し続ける領域『A型ストレージ域』へ保存されます。融合してしまった人はそこでシャボン玉の夢をエンジョイすることになります
『シャボン玉の夢』は紅葉とアンジェリカの意向でオープンソースのように扱われます。
求める人にはその力を提供したり訓練させたりと、秘伝にしたり商売などしないよう分け隔てなく広めているようです。
そのため、望んでアンジェリカや紅葉と融合してシャボン玉の夢の中でその力をトレーニングしていたり、ただ単純に薬物よりも安全かつ遥かに凌駕する快楽に酔いしれたりと、様々な目的を持つ人たちがシャボン玉の夢を求めているようです。
……ただし、現実世界に戻ってきたとき、その人の体は例外なく何らかの形でシャボン玉の性質を得てしまうようです。肌がシャボン膜のようにツルツルになったり、口からシャボン玉が出続けたり、その副作用はその人の性癖や願望で変わるのだとか。

しかし、無限に生成されるELXはどうしても何らかの形で出力し続ける必要があります
どんなキャパシターも、蓄電容量を超えて充電しようとすると破損してしまいますし、おそらく『シャボン玉の夢』も例外ではなく、もしそうなってしまうと現実世界にも影響を及ぼしかねないほどのシャボン玉の力が溢れ出てしまうかもしれません。

ただ、その部分だけは紅葉がなんと自力でシステムを作ってしまい『自分自身に溜め込む』という構造を作ってしまいました。
その影響でELXが適正に出力されないと、紅葉の体は限界なくどんどん膨らんでしまうのです。

ELXは快楽、つまり紅葉は自ら回避システムを作ってしまった結果、適正では無い状態になるたびに隠そうにも隠しきれない快感に酔い始めてしまうのです。
その状態は他人が見てもすぐにわかります。なぜなら、いつもよりも何倍も体のシャボン玉が異様に膨らんでいるからです。場合によっては自分で自分の体(シャボン玉)を抱えられるほどに。
紅葉もアンジェリカの手伝いをしたかったのかもしれませんが、結果的に自身におかしな性癖を作ってしまうことになってしまいましたが、アンジェリカはそれを大絶賛し、その仕組みを『大好き』と言ってくれたようです。やさしい

ただ、その回避システムが働くたびに紅葉がトロっトロになってしまうのは困るので、アンジェリカはその前段階のセーフティとして2次キャッシュメモリ域にバルクデータとしてシャボン玉を生み出し続ける構造を作りました。

こうすれば、よほどの乱れが無い限り紅葉は快楽ジャンキーにならずに済むので現実上での生活に支障は起きないでしょう。

……と思いきや、二人の周りには常に産まれたシャボン玉が浮かび続けているので、それがウザいと思われることもあるとかなんとか。


▼もちろん、これは二人の中のルールのようなものです

当然ですが、現実の世の中にはこんな超高性能でオーバーテクノロジーでヘンテコなコンピューターはまだ存在しません
二人の中と、二人とシャボン化融合した人たちとの間で働くシステムなので、私たちにはあまり関係のないことだと思います。

しかし、こんなブッ飛んだキャラクター設定を持つ二人がバーチャルYouTuberをやりたがるのも、メインメモリ上に演算される自身の体に近いものを見せることができるがための目指すべき目標なのかもしれませんね。



▼蛇足

ちなみにアンジェリカ、昔々はB型外部ストレージから見つけたアイデアを元に様々な技術を開発していたようです。
例えば紅葉の手や足代わりになる『エインフェリア』高性能スピリチュアルファクター駆動ドローン、宙陸両用二足歩行型汎用作業機『VA』1番機『オーディン』2番機『ヴァーリ』3番機『ヘイムダル』など、VA用ロードアウト『ブリュンヒルデ』『ラーズグリーズ』『スクルド』『カーラ』など、衛星軌道上居住可能コントロールセンターコロニー『アスガルド3』など、製作する成果物に北欧神話のネーミングをことごとく付けていたようです。
理由は人間だった時の諸々の因果……ということにしておきましょう。