さる7月28日の午前中、群馬県生涯学習センターにおいて、東京藝術大学作曲科2年の田中弘基氏を招いて、ブルックナーのロマンティックの作品アナリーゼを実施しました。
作品アナリーゼとは、作品の構造や和声などを分析することです。
第1楽章からフィナーレまで、構造の説明や特徴について説明があり、その後、冒頭のトレモロや特徴的なリズム、オーケストレーションなどブルックナーの特徴の説明、さらに、事前に田中さんが用意してくださった論点に沿って解説が行われました。
論点は以下のとおりでした。
(第1楽章)
・冒頭のホルン主題は、果たして本当に「第1主題」なのか?
・第3主題の意図(改訂前と後を比較)
・太い「線」と細い「線」。それぞれの「対位法」、そして「使用されている対位法的技術」
(第2楽章)
・第1楽章との関連性(2小節の前奏に続いて現れるチェロによるA主題)
・歌唱的なA主題の副主題としてのコラール風楽句。
・ 「3度転調」
・「対位法的技術」再び。
(第3楽章)
・真新しい「第2稿のスケルツォ」
・音楽のテンポと、和声が交替するスピードとの関連性について。
・ブルックナー=「ミニマリズムの先駆者」?
(第4楽章)
・冒頭部分の謎
・最後まで揺れ動き続ける、長〜短調
・「分断された形式」は、果たして1つの音楽作品として、最後に「統合」を達成するのか?
などなど
ここでは、詳細は書けませんが、一般の方は、9月29日の公開研究会で田中さんの講演を聞けますよ、来場される方はお楽しみに!