連載「NPO法人とお金の話」第3回のテーマは「NPO法人スタッフの給料と、ボランティアへの報酬」についてお話します。
まず大前提としてお伝えしたいのは、第1回でも触れましたが「NPO法人はお金を儲けてはいけない」というのは間違いです。NPO法人=特定非営利活動法人のことですが、この「非営利」という部分が誤解を招きやすい原因かと思います。
「非営利」=「金儲けしてはいけない」というわけではなく、「非営利」=「掲げるミッションや理念の解決を最優先に考える」の方が正しい認識と言えます。
その上で、NPO法人の正規職員の年収は約260万円と言われています。世間一般的にみると、この給与水準はかなり低めです。第2回で収入の話をしましたが、職員の給与を高くするより、団体のミッションや理念の解決に支出を回しているのです。
次に、ボランティアへの報酬についてです。
NPOとボランティアという言葉の基本的な違いは、NPOが"組織"に注目し、ボランティアが"個人"に注目するという点にあります。
ボランティアは、NPOが解決を目指す社会問題を解決するために「自発的に」「利他性のある活動を」「無報酬で行う」人を指します。
一方で、NPOは、社会課題のために活動したい人が集まって構成される組織を指します。この組織には、ボランティアのみならず、有給スタッフも含まれます。
ですが、「有償ボランティア」という言葉があるように、交通費・食事代名目で現金や、弁当を支給することは何ら問題ありません。
しかし、利益を職員の給与に還元する余裕がないNPO法人が数多くある中、ボランティアに報酬を支払いたくても支払う余裕がないというのが現状だと思います。
3回の渡ってお送りしてきました「NPO法人とお金の話」は今回をもちまして終了となります。NPO法人のことを少しでも知ってもらえれば何よりです。