私はエコロジストでもないし、エシカルな人ではありません。サスティナブルであったほうがいいだろうな〜と思う程度です。地球環境保全のムーブメントを究極まで推し進めてしまうと、生地は染めないで生成りだけ、マイクロプラスチックの30%はポリエステルの衣料品の家庭洗濯で発生しているからポリエステル禁止とかになってしまいます。そんな生活私には息苦しくてできません。何事も突き詰めるとロクなことありません。最後は人間が地球にいることが罪みたいになっちゃう。
でも昨今の水の節約についてのムーブメントには多少心惹かれるところもあります。綺麗な水がないと人間も自然も枯れてしまいますから。
ユニクロがデニム生産に使用する水を減らすというニュースに触れて、タオルでも多少はやれることがあるかと思いました。流石にユニクロでさえインディゴ染めをやめて生成りのデニムにするという選択肢はなかったようです。
さて、本題です。
こころばせの純綿大吟醸タオルのパイルは極甘撚ですが、無撚糸と呼ばれる糸ではありません。無撚糸とは水溶性ビニロンという糸を使ってパイルの糸の撚りを解いてタオルを製造し、お湯でビニロンを溶かして洗い流しています。通常タオルの重量の10倍のお水を使用しますので、200gのタオルならビニロンを溶かすのに2kgの水が必要になります。500枚という生産数としてはとても小ロットで製造したとしても、2kg×500枚=1000kg、1トンのお水を使います。
さらに、水に溶け出したビニロンの回収にも手間がかかります。また回収設備が日本のように整っていない発展途上国にとってはとても大きな負担になっていますし、そもそも貴重な水資源の有効利用の観点からも問題視されていて、世界のトレンドは水溶性ビニロンは出来るだけ使わないようにしようね、ということになっています。
こころばせが精紡工程による甘撚りにこだわり水溶性ビニロンの使用を避けた理由の一つが、このビニロン使用による環境への負荷の問題が少しだけ頭の中にありました。
純綿大吟醸タオルは無撚糸タオルの欠点の一つである毛羽落ちも少なく風合いは極上の柔らかさ。その上少しエコです。