はじめまして。岐阜の刺繍工房『ユタカ工房』の三代目、加藤 千尋(カトウ チヒロ)と申します。
ユタカ工房は、30年以上続く家族経営の刺繍工房です。わたしは三代目の刺繍職人として、数多くのアパレルブランドの刺繍を手がけてきました。今も、二代目の父とともに日々刺繍機と向き合っています。
去年のことです。東京で、新しい概念と独創的な手法を打ち出す若いアパレルブランドたちに出会いました。斜陽産業と言われるアパレル業界に光を差すような、そんな存在を知って心が震えたのを覚えています。
そしていつの頃からか、こんなことを考えるようになりました。
「わたしも何か新しいことに挑戦したい。小さな刺繍工房だからこそ、できることはないか。」
「大手にはできないようなやり方で、世の中のひとを喜ばせることはできないか。」
そして4年目を迎えた今、ずっとあたためてきたプロジェクトを、ついに立ち上げる時がきました。
立ち上げるのは、刺繍を強みとしたアパレルブランド『iCONOLOGY(イコノロジー)』です。
「たっぷりと刺繍が施された服、その刺繍の柄が選べたら、その服はその人の人生にとって忘れられない存在になれるかもしれない。」
ブランドの出発点は、そんなたわいもない妄想でした。
iCONOLOGYがイメージしているのは「探究心と深い思考力のある美しい女性」。
シンプルでありながらも女性らしさを引き立てる上品なデザインで、
機械刺繍を知り尽くした刺繍工房だからこそできる繊細で大胆な刺繍を強みとするブランドです。
気になった方はどうぞ、最後までお付き合いください。
第1章「花を着るワンピース#01」を受注生産で販売したい。
私たちの最初のアイテムは、花の刺繍とベースカラーをセミオーダーできるワンピースです。
カラーを選ぶだけでなく、両袖に刺繍する花まで選んでいただけるのがポイントです。
小さな刺繍工房だからこそできることを考えたときに、強みである柔軟な対応力を生かせば、「好きな色と刺繍の組み合わせをセミオーダーして、自分だけの一着を手に入れる」という贅沢な体験をお届けできる!と閃きました。
完全受注生産にて販売します。
その名の通り、今回の刺繍のテーマは「花」
なぜ花なのか。
ずっと、たっぷりとした刺繍を袖に施したい、と思っていました。
その袖に何を刺繍するか考えていた時にふと、だれかに差し伸べたくなるような、はっと魅せられる花が咲いていたらいいなあ。と思ったのです。両袖に大きく花を刺繍するデザインはこうして生まれました。
自分のために、花を着る。誰かのために、花を着る。
花を着る人は、こんなにも美しいです。
ここから、ワンピースのセミオーダー方法をお伝えしていきます。
①ワンピースのベースカラー【BLACK / GREEN / BEIGE】
②袖に刺繍する花【LILY (百合) / ROSE (バラ) / IRIS (アイリス)】
③ワンピースの丈【S丈 / L丈】
をそれぞれリターン内でお選びいただけます。組み合わせのバリエーションは全部で22種類。
ベースカラーが変わると袖に咲く花の印象もがらりと変わるので、ぜひ下の写真で見比べてみてください。
①ベースカラー
②袖に刺繍できる花
↑ROSEについては、花の色がピンクか赤か、どちらかお選びいただけます。
③S丈とL丈
・S丈 着丈 約118cm
・L丈 着丈 約128cm になります。以下、身長別の着用イメージです。
小柄な方(〜155cm)にはS丈を推奨します。
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↓モデル身長153cm S丈着用
↓モデル身長159cm 左:S丈着用 右:L丈着用
↓モデル身長164cm 左:S丈着用 右:L丈着用
【ディティールを語ります】
↑女性らしさを引き立てる広めのVネック、美しい。深すぎず浅すぎず、絶妙な開き具合です。背面も緩やかなV字になっており、後ろ姿も美しい首回り。華奢なネックレスが映えます。
↑袖は下に向かってぽわんとたわむシルエット。このぽわん袖、ボリュームにこだわりました。可愛い。
大胆に施された花とのバランスを考えて長めの袖です。上からコートを着ても袖が通ります。さりげなくスラッシュポケットがついている!!
↑すとんと落ちるIラインは、体のラインを出しすぎず、スタイル良く見える魔法。
サイドスリットは色気の魔法です。歩くたびにちらりと見える脚が最高に色っぽい。両サイドに入っているので足さばきもしやすいですが、自転車には乗らないでくださいね。
↑共布のベルトもついています。ぎゅっと絞って、ウエストを際立たせるのもセクシー。
↑お手持ちの細めベルトを合わせるのも◎
【マテリアルの話】
素材は柔らかでハリのあるポリエステル100%です。表面はマットなツヤ感。裏地なし。
ご自宅で洗濯できます。ネットに入れて中性洗剤で優しく洗ってください。手洗いが望ましいです。1日着て立ったり座ったり、あるいは洗濯した際に、シワがつくことがあります。ですが、スチームアイロンの蒸気でシワも取れやすく、お手入れしやすい素材です。刺繍部分は洗濯すると多少刺繍が波打つことがありますのでご注意ください。より長く大切に着たいという方は、ドライクリーニングに出されることもお勧めします。
たっぷり刺繍が入った服はとても繊細で扱いづらいことも多く、外に着ていくにも汚さないよう引っ掛けないよう、なかなか気を遣って疲れてしまいます。ですが、このワンピース、たっぷり刺繍が入っていながら、自宅で手入れできることも重要視しました。汚れても家で洗える、と思ったら、少し気持ちが軽くなりませんか。
【サイズ表】
着丈の長さ以外は全て同じサイズ感です。
各商品リターンの発送スケジュール
2019年6月21日(金) クラウドファンディング終了 受注数量確定
2019年7月下旬 iCONOLOGY刺繍タオル 発送予定
2019年8月中旬 あなただけの写真刺繍Tシャツ 発送予定
2019年9月中旬 花を着るワンピース#01 発送予定
※商品の発送に関しては生産の都合上、多少前後する可能性があります。予めご了承ください。
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『iCONOLOGY(イコノロジー)』の
” i ”について
「誰かの物語を紡ぐ」
刺繍の役割は、服に物語をまとわせることかもしれない。
作った人の物語も、あなたに届いてからの物語も
大切にしたいと思うのです。
iCONOLOGY の” i ”は、わたしであり、あなたです。
刺繍の中に、自分だけのとっておきの物語を見つけてください。
※ここから少し長いので、お時間に余裕のあるときに読んでみてください。
「ブランドやるって大変だよ、在庫のリスクとかどうするの」
「普通に営業に行って仕事取ってきた方が安全で儲かると思うけどな」
「もっといろんな経験を積んでからの方がいいんじゃないか」
様々な声があったように思います。どの意見も、ごもっともだと思います。
それでもわたしは、あえてブランドをやってみようと思いました。失敗するかもしれないけど、やってみる価値は必ずあると。
理由はたくさんありますが、大きいのは次の二つです。
一つ目は、お客様の喜ぶ声を直接聞くことで、刺繍という仕事にさらに真摯に向き合えるから。
誰かの喜ぶ顔というのは、わたしにとってモチベーションであり自分にエンジンをかける大切な燃料です。仕事に対する対価をきちんと払い、「すごい刺繍!」と喜んでくださるその瞬間。かつて、刺繍の仕事が嫌になっていた時期に、友人から言われた感謝の言葉を聞いてどれだけ救われたかわかりません。はじめて刺繍の仕事に誇りを覚えた瞬間でした。
え、そんなこと?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、下請けの仕事というのは、基本的に最後に商品を手にとるお客様の顔が見えないのです。
当工房は下請けの仕事がメインで、量産に強いです。しかし、刺繍の量産の仕事というのは、右から左へ、無機質にさばいていくような感覚に陥ることがあります。今目の前で刺繍している服がどこのブランドで、どこで売られるのか知らないことが多いからです。
わたしが刺繍をした服は、どこで売られているんだろう。どんな人が着てくれているのだろう。
そんなことを考えつつ、失敗のないよう細心の注意を払いながら、淡々と刺繍をして納品する。
それは、いちいち褒められたり喜ばれたりするようなことではなく、工場にとっては当たり前のことです。
しかし、工場で働いているのはロボットではなく人間です。心があります。
今まで公に閉ざされがちだったアパレル工場も、企業の取引先だけでなくお客様と直接関わりを持つことで、あまり評価されてこなかった自分たちの技術を再認識できる。そして、作っている現場が、失敗しなければOKというレベルから、お客様が買ってそれを着ていただく瞬間のことまで考えるレベルになる。お客様の生の声を通して、良い刺繍とは何か、良い刺繍を世の中に提供するにはどうしたらいいのか常に考え、実践していくことにつながる。
実際、企画していく段階で、今まで考えたこともなかった様々なことを学ぶことになりました。ブランドを運営することは、確実に刺繍技術のレベルアップにつながると感じています。
二つ目は、刺繍工房として生き残るためです。
当工房の周辺に限った話をすると、刺繍工場は減る一方です。仕事量の低下による収入の減少、高齢化、後継者不足など、他の地場産業でも度々叫ばれていることがここでも起きています。
ユタカ工房も同じく、下請けに頼るだけでは経済状況も安定せず、仕事量に波があるので、古い機械の部品を購入するのもままならないことがあります。
需要がないなら畳んでしまうのも仕方のないことだと思います。ですが、私たちのような小さい工場の熟練の技術を頼ってくださる若いデザイナーやブランドがあります。小規模でやっているからこそ、大規模工場には対応しきれない柔軟さでお客様の依頼に応えることができているのです。わたしは、こうしたデザイナーや小規模なブランドのためにも、刺繍工房として生き残りたいと思っています。
だからこのブランドを、ユタカ工房を支える一つの柱として大切に育てていきたい。
それは、下請けの仕事をなくすということではなく、収入のバランスを自分たちでコントロールできるようにしていくということです。
下請けの仕事と、ブランド事業。どちらも私たちが成長するための大切な要素を持っています。
これからのアパレル業界を担う若い世代のため、私たちのような小さな工場も、守りに入るのではなく積極的に新しいことに挑戦する。そんな姿勢が今、生産現場に求められているのではないでしょうか。
冒頭でも触れましたが、わたしがこう決意するきっかけとなったのは、いまのアパレル業界に新しい風を送り続けているアパレルブランドとの出会いがありました。
その話はこのnoteに綴ってあります。タイトルは『救いの服』。気になる方はぜひ読んでみてください。
ワンピースの企画段階からずっとわたしを支えてくださったのは、『ふぁっしょん白子 』を運営するパタンナーであるキムラミズキさんです。彼女の力がなければ、「花を着るワンピース」は形になりませんでした。
『ふぁっしょん白子』は、三重県鈴鹿にある服飾コワーキングスペースです。服の知識がゼロでも、細かなところまで一緒に考え、形にするまでサポートしてくれる服飾の寺子屋のような存在です。
他にも、縫製についてご指導いただいた縫製工場さまや服飾関係の皆さま、量産を受けてくださる工場さま、商品撮影にご協力くださったモデルとカメラマンの皆さん、撮影場所を提供してくださった企業さまなど、協力してくださるあたたかい方々とのご縁に恵まれ、ブランドをスタートできること、この場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
わたし自身、刺繍職人としてもまだまだ成長過程であり、デザイナーと呼べるような存在ではありません。誰もを熱狂させるような素晴らしいセンスを持っているなどという自信もありません。
ですが、誰かの「好き」を表現することはできます。
刺繍にしていくモチーフやテーマのアイデアは、みなさんの意見を取り入れながら決めていきたい。
わたしの独りよがりなデザインではなく、誰かの「好き」や「思い出」を取り入れてデザインしたい。
それは、昔おばあちゃんの家の庭に咲いていた花だったり、大切な恋人からもらった一輪の花束だったり。
あの時みた満天の星空だったり、昔からなぜか家にある古書の背表紙の装丁だったり。
そんな思い出ありませんか?
次に企画している「花を着るワンピース#02」では、刺繍になったらいいな、という花を募集する予定です。
このプロジェクトのリターンに、「花を決める権利」枠を二名様分ご用意しております。
あなたの好きな花を教えてください。
長々と書いてきましたが、結論、
「このワンピース着たい!!」
と思ってもらえたらもうそれだけで幸せです。
わたしが生み出した服を着ることで幸せを感じてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
『iCONOLOGY』の花を着て出かけませんか。
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見るクラファン終了しました!あたたかいご支援ありがとうございました!!
2019/06/22 14:39昨日、6月21日(金)23:59をもちまして、iCONOLOGYの「花を着るワンピース#01」のプロジェクトが終了いたしました。今までご支援、ご購入くださった皆様、ありがとうございました!!!初日で100%を達成してからも、私が想像していた以上に多くの方に見ていただき、興味を持っていただけたこと。ワンピースを買うか悩んだ末に支援のボタンを押す決断をしてくださった方。岐阜出身だから、と即支援してくださった方。ずっと支えて来てくださった人たち。そんな人たちに出会えただけでも、このプロジェクトを立ち上げてよかった。と心から思います。私たちを見つけてくれて、メッセージを受け取ってくれて、ありがとうございました。一つ、読んでもらいたい記事があります。ある書道家の方の、花を着るワンピースを見つけてから購入するまでの1ヶ月長の記録。こんな風に悩んで決めてくださった方、もしかしてたくさんいるのかもしれないなあと、一人で胸が熱くなってしまった。なんて美しい買い物なんだろうと思いました。自分もこんな風に服に恋に落ちてみたい。サムネイルの書もご本人の筆と思います。(美しすぎる)いろんな人に読んでほしい。『普段全身UNIQLOな人間が、美しい花を咲かせたワンピースを購入した話』https://note.mu/xxyk/n/n0c5cb1721c0dこれからリターンの準備を粛々と始めます。ワンピースが出来上がっていくところ、刺繍をするところなどをここからお伝えすることも考えています。リターンの到着まで楽しみにしていてください。また、工場見学リターンやコーヒー、スイーツプランを選んでくださった方、追ってご連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。このプロジェクトは、まだ始まりにすぎません。『iCONOLOGY』の物語は、まだ始まったばかりの序章です。これからも刺繍に祈りを乗せて、身につける人の感情を揺さぶるような服を作っていきたいと思っております。次回作も乞うご期待ください。 もっと見る
花爛漫!おかげさまで、200%達成!新聞にも掲載されました!
2019/06/06 16:12二つご報告があります。どちらも嬉しいご報告です。まず一つ目、もう気づいておられる方もいらっしゃると思いますが、「花を着るワンピース」のプロジェクト、ついに200%達成いたしました!!わあああああああ!!ありがたい!!!!!100名を超えるパトロンさんたちに恵まれ、多くの人に支えられた結果です。もともと知っていて応援し続けてくださった方や、SNSなどでたまたま見つけてずっと待っていてくださった方。そして、服にそこまでお金をかけたことがないけれど、悩みに悩んだ末、このワンピースなら、買いたいと決意してくださった方。そんな風に選んでいただけたことが何より嬉しくて、幸せで、しっかり作って届けなければならないという責任感がビシビシ増しております。一目惚れしました、という人が、手元に届いてもう一度恋に落ちてもらえるように、愛を込めてお届けします。秋の到来を楽しみにしていてください。そして二つ目のご報告です。先日、中日新聞様からユタカ工房とiCONOLOGYの取材を受け、新聞に大きく掲載していただきました。(画像は2019年6月4日の夕刊より)ブランドを立ち上げた経緯から、ユタカ工房の歴史、岐阜の刺繍やアパレル業界の今、ブランド名が私自身の大学時代の専門にこっそり由来していることなど、たくさんのことをお話しました。とても綺麗にまとめてくださっています。内心、取材を受けた時は、いま新聞を読む人少ないしそこまで反響ないかもしれない、と思っていました。のですが、私の予想に反して多くの反応をいただき、新聞を見て支援してくださった方や、わざわざ電話で問い合わせてくださった方も何人かいらっしゃって、本当に驚きとともに感謝の念でいっぱいです。古くからの知り合いや、刺繍機のメーカー様からも問い合わせがあり、新聞の力を思い知ったところです。取り上げていただき、本当にありがとうございました。現在、パトロン様は121名、支援総額は2,197,100円まで到達しております。数日前に最後の最後で追加した14着限定のグリーンが、すでに残り5着。残りわずかです。まだ迷っている方、もしいらっしゃるようでしたら、完売する前にぜひ手に入れてください。残り16日のプロジェクト、最後まで、一人でも多くの方に、花袖を届けます。 もっと見る
5月19日「花を着るワンピース#01」京都試着会を開催します!
2019/05/15 18:18先日もSNSにて告知しましたが、5月19日(日)12:00~22:00iCONOLOGY「花を着るワンピース」の試着会を行います!ワンピースどれにしようか悩みに悩んでまだ決めきれない方、ボリューム感満載の美しい花の刺繍を手にとってみたい方、代表の加藤千尋(通称:せん)と話したい方、美味しいカクテルが飲みたい方、おしゃれな古着が気になっている方、特に用はないけど19日が空いている関西方面のみなさん!!!ぜひ足をお運びください。場所は京都のSTAND「C」。インスタはこちら→https://www.instagram.com/stand_c_/?hl=ja昨年、古着屋×Bar 「あこがれの寄り道」というコンセプトでOPENしたばかりのお店ですが、オーナーの西田さん、舞さんの人柄と、センスが良すぎるきれいめな古着たち、思わず写真に撮りたくなるおしゃれなカクテルなど、魅力が満載の、私にとっても大好きな場所です。夜19:00からは公開ラジオもあります。生放送!!花を着るワンピースの裏話やら、そもそもなんで刺繍工房に入ったのかという話やら、「iCONOLOGY(イコノロジー)」の名前の由来やら、話すかもしれません。その場の流れでゆるゆると話します。ぜひ聴きに来てください。男性でも女性でも、おひとりでも複数でも大歓迎です!私は一日中おりますので、好きなタイミングでぜひ。お待ちしております。 もっと見る
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