▼はじめに
オートバイレーサー「生形秀之 おがたひでゆき」は1999年より全日本ロードレース選手権に参戦しています。2005年からは、地元静岡市清水区のJリーグチーム、「清水エスパルス」とのタイアップにより”夢”、”挑戦”をキーワードとしたレーシングチーム、「S-PULSE DREAM RACING(エスパルスドリームレーシング)」を立ち上げ、チームオーナー兼、ライダーとして活動してきました。他にも地元静岡県、清水の産業や企業のPR活動をレースで訪れる各地で行ったり、学校行事へのボランティア参加や寄付、ライディングイベントの企画・開催等々、自身のレース活動だけでなく、オートバイや競技の垣根をも越えて地域発展やスポーツ振興のために活動しているところが生形の活動の特徴と言えます。
そんな生形の次なるチャレンジとして2017年、チームを率いての「鈴鹿8耐参戦」が始まりました。
(チーム代表・ライダーの生形秀之)
▼S-PULSE DREAM RACING(エスパルスドリームレーシング)
チームとパートナーシップを結ぶ清水エスパルスとの協力関係は長く、全国のサーキットやイベント会場、清水エスパルスのホームゲーム会場でマシン展示を行うことで、相互にPRする機会を作ってきました。かつて生形がレースで勝利をおさめた時や、昨年の鈴鹿8耐のあとも、満員のIAIスタジアムでお祝いをしていただいたりもしました。地元を愛し、エスパルスを大事にしてきたサポーターの皆さんは生形の活動にも理解を示し、清水エスパルス、エスパルスドリームレーシング、共に応援してくださっている方も大勢います。
▼8耐の魅力
モータースポーツやオートバイレースに関わったことのない方でも、イベントブースで行われる音楽フェス等で夏フェスとしての認知度も高まってきているので、「鈴鹿8耐」というワードは聞いたことがあるのではないでしょうか?
鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権(略:8耐)は、毎年7月の最終週に三重県・鈴鹿サーキットで行われる日本最大規模のオートバイレースで、1000ccのエンジンを搭載した1台のマシンを2~3人のライダーがバトンのように乗り継ぎ、8時間後のゴールを目指す耐久レースです。FIM世界耐久選手権の最終戦にあたるため注目度も高く、国内のトップチームやライダーだけでなく、世界で活躍するチームやライダーも多数出場します。世界の舞台で活躍したいと願うライダーたちにとって、ここに参戦し、好成績をおさめることは非常に価値のあることなのです。
また「最も過酷なレース」とも言われている8耐。レース中は最高気温40度、ライダーたちが走るコースの路面温度は60度近くに達する中、最高時速300km/hで70台前後のチームがバトルします。日頃からトレーニングを積んだライダーでも、熱中症になり走れなくなることもあります。他にも8時間を戦う中で転倒したり、マシンにトラブルが発生したり、スコールに見舞われたり。。。様々な困難を乗り越えて完走した時。大会の終わりを告げる打ち上げ花火を見ると、参戦する側も、観客も、とてつもなく大きな感動に包まれます。
(2018年 チェッカーの瞬間)
▼このプロジェクトをはじめた理由
生形秀之は、いままでは一人のライダーとして鈴鹿8耐に参戦してきました。まずは結果をだすこと。良いタイムや良い順位で走る事が使命であり、それは個人の戦いのステージでもありました。しかしライダーとして円熟期を迎えるころ、彼にはそこから一歩踏み込んでやりたいこと、かなえたいことが出来てきました。それはチームを率いるリーダーとして、ライダーと兼務して参戦することで、より多くの方々と一緒に挑戦すること。沢山の人達と夢に挑み、感動を共有していくことがこれからの生形秀之の新しいステージだと感じ、このプロジェクトに挑んでいます。
▼8耐参戦と全日本選手権
様々な気象条件やコース、タイヤや他パーツとの相性等、テストを重ねてマシンの熟成を進めるため、ライダーはマシンの特性を活かしたライディングを探るために、生形とチームは主戦場である全日本ロードレース選手権において、8耐マシンと同じ1000ccの「JSB1000」クラスで戦っています。1000ccのマシンへの理解をより深め、8耐で上位陣と戦い、「表彰台に乗る」。そのための選択です。
▼2018年のチャレンジ
(2018年参戦時のライダーたち 左から生形秀之、渡辺一樹、トミー=ブライドウェル)
2度目の挑戦となる昨年参戦時のことについて少し触れると、2017年参戦時の成績によりシード権を得ていたチームは、さらなる上位フィニッシュを目指し地道に準備を進め、BSB(ブリティッシュスーパーバイク選手権)へ参戦しているイギリス人ライダー、トミー=ブライドウェル選手と、生形と同じ全日本選手権へ参戦している渡辺一樹選手をペアライダーに招聘しました。
そして迎えた8耐レースウィーク。
公式予選前日。3度の走行時間があり、3名のライダーが交代で走行、様々な調整を行いました。
公式予選。3名のライダーが20分ずつ2回走行し、マークしたベストタイムの平均値から決定されます。転倒車が続出し、赤旗が毎セッション出る中で生形、トミーの2人も転倒を喫しましたが、3名の平均タイムは2′08″153で結果は6位と大健闘でした。
決勝日前日行われたのは、予選タイム10位までのチームによるTOP10トライアル。通常は1チームから1~2名がそれぞれコースを1周しチームのベストタイムを順位化、スターティンググリッドを決定するところ、大型の台風が近づいていたことから、時間短縮のため1チームにつき代表する1名のライダーが走行したタイムを順位化する計時予選に変更に。渡辺一樹選手が2'06"756のタイムで、前日の予選に引き続き6番グリッド獲得となりました。
...
決勝レース。スタートライダーはレッドの腕章、渡辺一樹。スタート進行の途中から、過ぎ去った台風の影響からか突如暴風雨になり、タイヤも急遽レイン用に変えてスタート。冷えていく路面に注意しながらポジションをキープします。ほどなく雨は止み、猛烈な日差しが戻ってきます。路面も乾きはじめ、気温も上がってきたため30分ほど走行したところでドライ用のスリックタイヤに交換すべくピットイン。ライダーは交代せず、微妙なコンディションに慣れたところの渡辺にそのまま託します。090号車とのあわや、という接触がありましたが無事に走りきりました。
3スティント目、イエローの腕章、トミー=ブライドウェル。金曜の予選時に負った左手のケガをものともせず果敢に攻め、予定通りピットイン。
4スティント目、ブルーの腕章、チームオーナーでもある生形秀之。セーフティカー(以後SC)走行中のコースイン。解除後は懸命に走り、次に繋げます。
5スティント目、渡辺。暑さが厳しい時間帯、ポジション5〜6をキープ。
6スティント目、トミー。激しく雨が降ってきます。スリックタイヤでレインコンディションを慎重に走行していると、転倒車やコース上に漏れたオイル処理のため度重なるSC。我慢の時間帯がかなり長く続きます。
7スティント目、渡辺。疲労の影響がかなり出てきていましたが力を振りしぼって走行します。
レースは残り30分を残してラストスティントはトミー。祈る気持ちでチーム全員が見守る中、4位で無事チェッカーを受けました。
2017年参戦時の悔しさから、全日本選手権でのクラスをJSB1000クラスにスイッチし、8耐で結果を残すことだけを考え新型GSX-Rで挑んできた生形。予選時に負ったケガをものともせず、難しい夏の鈴鹿のコンディションを走りきったトミー。最年少ながらチームの期待に応え、抜群の速さを見せた渡辺。3名のライダーたちのチームワークはチーム全体の雰囲気作りに大きく貢献し、心ひとつにまとまることができたと思います。
(スタートライダーを務めた渡辺一樹。突然の豪雨にも冷静に対処し、速さを見せつけた)
(第2ライダーのトミー=ブライドウェル。生形とのタッグは初めてだったが、体格を生かした走りとタフさでチームに貢献、チェッカーを受けると皆に祝福された)
(風の通らないピット裏で膨大な数のタイヤを管理するスタッフ)
(速く、正確に。マシンの整備を行うメカニックたち)
(ムードメーカーでもある給油担当スタッフ)
(電気制御が進んだマシン。情報を吸い上げ、対策を練る)
(過酷な状況下で走るライダーたちのケア担当スタッフ)
(最も重要な、マシンセッティングの方向性を決め、作り上げてきた生形。オーナーとしてチームをまとめ、ライダーとしても全力を尽くした)
▼終わらない挑戦
台風の接近にともない、開催すら危ぶまれた2018年の8耐。終わってみれば、YAMAHA、HONDA、KAWASAKIのオートバイメーカーが運営するワークスチームが表彰台を独占する中、S-PULSE DREAM RACING・IAIはプライベーターチーム最上位、SUZUKI系チーム最上位という成績を残すことができました。しかし大きな成果をあげたとはいえ、まだ遠いポディウム(表彰台)。応援してくださった多くの皆様に感謝するとともに、生形は2019年も挑戦し続けることを誓いました。
世界で最も厳しい環境下でのレース。予測不能なトラブルとの戦いでもあり、完走するだけでも簡単ではないのですが、8時間戦い抜くことを考えるとベースのマシンのほかにスペアパーツも相当数必要で、転倒や大きなトラブルに備えるとスペアマシンも必要。さらに、耐久専用の機材やガソリン等の消耗品、移動費、チームスタッフの宿泊費や人件費等諸々を合わせると、かなりの資金が必要になってきます。そこで、資金の一部300万円をクラウドファンディングで募らせていただきたいと思います。集まった支援金は、鈴鹿8耐参戦のための費用にすべて充てさせていただきます。
▼リターンについて
このプロジェクトに賛同し、ご支援くださった方々へはご支援金額により様々な特典(リターン)が用意されております。これらはすべてクラウドファンディング限定の内容となっております。リターンの一覧をぜひご覧ください。
例えば全員に送られる、詳細な活動報告メールはレースの結果報告まで配信されるので、チームの状況を随時知る事ができます。また、オリジナルスタッフTシャツは例年非常に人気です。(2019ver.のデザインでお届けします!)
あなたもエスパルスドリームレーシング・IAIの一員となって、一緒にレースを楽しんでください!
▼最後に~RUN&DREAM~
このプロジェクトには「RUN&DREAM」というテーマを設けています。
テーマの持つ意味は、オートバイやレースに関わったことがなかった人でも、生形秀之が鈴鹿8耐を走ることを通して「大人が本気で夢に向かってチャレンジする姿 諦めない気持ち」に共感し、それぞれの人生に活かすきっかけとなれたら、ということです。
そして一人でも多くの方に応援していただけたら、またそれを後押しに、生形とチームはチャレンジし続けたいと思います。
そんな私たちS-PULSE DREAM RACING・IAIの夢の実現に、ぜひ応援よろしくお願いいたします!
最新の活動報告
もっと見る決勝レース、及び鈴鹿8耐チャレンジ報告
2019/08/14 02:16以下、今回のプロジェクト遂行責任者である生形秀之より報告させていただきます。7/25〜28に行われた、<FIM世界耐久選手権最終戦 "コカ·コーラ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第42回大会>参戦報告です。例年より1日早く水曜から始まった走行。水曜、木曜は、事前テスト時にはできなかったことを含め、多くの時間帯において 自分が確認のための走行を重ね、トミーとブラッドリーに走行してもらい、また調整を…という作業に費やしました。金曜午後の予選は、3名のライダーの出したベストラップタイムの平均が結果になるので、その前の朝のフリー走行時には 、「一年をかけ準備をし、膝のケガからも復帰した今の自分の出せるタイムはどれほどか」確認するつもりでした。走行スタートの 合図と同時にピットを出て、最大限集中もしていました。しかしアウトラップとはいえ200km/h以上出ているハイスピードコーナー で予想外の動きをした他マシンをかわし切れず、マシンがぶつかり、転倒に至ってしまいました。右鎖骨や肋骨の骨折と肺挫傷、肺気胸、脳震盪のケガを負い、ドクターヘリで救命救急病院へ搬送されました。 この時点でレースに出ることは絶望的となり、2人のライダーと、チームに託すほかなくなりました。ブラッドリーのスタートが決まった瞬間は歓喜しました。1周まではいきませんでしたが、3/4周をトップで走り、世界中が エスパルスドリームレーシング・IAIに注目してくれたと思います。 その後は雨も降らず、ほとんどセーフティーカーも入らなかった今年の暑い鈴鹿でしたが、終盤まで上位陣に大きなトラブル もなく淡々と進むレース展開でした。予選9位、決勝8位。 メーカーが直接運営しているファクトリーチーム、ファクトリーチームと同じマシンを使用しているサテライトチームにもっと 食い込み、表彰台の近くでレースを展開していきたかったので、少し力不足だったと感じる部分もチーム代表としてありました。 そして金曜日以降ライダーとして何もできなかった事が非常に悔しく歯がゆい思いでした。 高い目標には届きませんでしたが、2人のライダーも全力で走ってくれました。そしてチームスタッフも懸命に動いてくれ、 そして結果を残してくれました。とても感謝しています。先ずはチームの8耐参戦を、表彰台にのる夢を、応援していただき、ありがとうございました。早くケガを治して復帰したいと思います。今後とも熱い応援宜しくお願いいたします! もっと見る
公式予選
2019/07/27 09:44みなさま、ご心配をおかけしており申し訳ありません。生形は昨日朝のフリー走行中に他車と絡んで転倒&負傷したため、その後行われた公式予選の走行をキャンセルいたしました。診断の結果、複数の骨折と右肺に負った重度のダメージにより、レースに出ることはできなくなってしまいました。非常に残念ではありますが、トミーとブラッドリーががんばってくれ、予選結果は2'08"098で総合9位でした。生形の分まで力を尽くして走る彼らを、どうか応援よろしくお願いいたします! もっと見る
7.23 鈴鹿8耐レースウィーク突入!
2019/07/24 20:47いよいよ鈴鹿8耐はレースウィークに突入。そして本日9:00より始まった走行は午前、午後合わせてトータル走行時間は6時間半以上!真夏の祭典にふさわしい暑さの中、確認作業に追われた今日は、多くの時間帯において生形が走行を重ねました。ライダー同士のコミュニケーションも問題なし。そして本日のベストタイムはブラッドリーの2'09"752でした。ハードなコンディションの中がんばる彼らに声援をお願いします! もっと見る
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