みなさま。お変わりなくお過ごしでしょうか。時はあっという間に過ぎ、最後の活動報告から3年が過ぎていました。現在コロナ禍にあって大胆にはできないものの、アンサンブル30は歩みを止めずに富山で活動を続けております。2022年、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2019年オペラ「ダイドーとエネアス」公演から3年が過ぎてしまったものの、ここで懐かしく思い出しつつ、公演の詳細と思い出を綴らせていただこうと思います。
2019年5月6日14時開演。於富山市民プラザアンサンブルホール。
「梨ばろっこ2019ダイドーとエネアス」
演出・台本・字幕・魔法使い/ 牧野正人
指揮/ 櫻井茂
演出助手/ 室田勝
舞台監督/ 広田郁世
ステージマネージャー/ 廣田雅史
英語指導/ ティモシー・ハリス
衣装/ 山崎みずえ
=出演=
ダイドー/ 安田裕美
エネアス/ 渡辺洋輔
ベリンダ/ 森下泉
第二の女(ジェローナ)/ 浜田智美
第一の魔女(フリンケ)/ 谷口琴音
第二の魔女(フランカ)/ 高信由記子
合唱/ ヴォーカルアンサンブル30
器楽:ヴァイオリン/荻野美和 時本さなえ
ヴィオラ・ダ・ガンバ/ 折口未桜 清水愛架 阿部真紀子
リコーダー・フラウトトラヴェルソ/ 丸杉俊彦
チェンバロ/ 安岡厚子
牧野氏は八面六臂の活躍でした。わずか60分たらずの作品をさまざまな工夫を凝らし、私たちが楽しむのに無理のないストーリーを練り、役を作り上げ、そして演出をし、さらに字幕の制作。ステージでは魔法使いの役。牧野正人氏は本当はおばあさん?だったのか、、と思うほど、それは圧巻の魔法使いでした。
そして、オペラ初挑戦の超初心者の私たちに、オペラがなんであるかオペラのツボ?をもったいぶらず惜しげもなく伝えてくださいました。オペラは練習が最高におもしろいんだよ!と作り上げる過程の困難さを喜びに変える音楽力、人間力に触れることができて私たちは幸せだったと思います。
確かに牧野氏の指導はいつもどこか自由で、笑いがあり、自分の気のついたことを気兼ねせず皆に発言できるユルさがあって、作品を自分たちで作っている実感を持たせてくれました。
しかし、この自由さは実は牧野氏から与えられていたものだということに気づき、感謝できたのは公演後しばらくしてからでした。右も左のわからない私たちがオペラに取り組めたのは牧野正人氏の協力を得られたからだと言っても過言ではないと思います。
公演に先駆けて行われた牧野正人氏による合唱のためのオペラワークショップの様子。オペラの発祥、ファルネリの登場による隠された悲話、そして歌舞伎のお話へ。枝葉を含んだオペラの歴史のお話に夢中に聴き入りました。また、身体表現のワークショップでは仮面つけて表情を隠し、動作のみで表現する面白さを満喫。
ヴィオラ・ダ・ガンバを指揮棒に持ち替えてくださったのが櫻井茂氏。
器楽奏者たちは地元富山メンバーと東京、名古屋などから駆けつけてくれるメンバーからなっていましたので、常に一緒に練習ができるわけではなく、限られたリハーサル回数の中で音楽をまとめなければなりませんでした。しかし、櫻井氏の要点をついたアドバイスで方向を見失うことなく、また、歌に造詣が深い櫻井氏でしたので歌い手たちの拠り所でもありました。なによりも作品の正統な解釈をお持ちだったことが公演を骨格のしっかりしたものにさせました。
そして、英語指導のティモシー・ハリス氏。
目の前で、聞いたハリス氏の「ダイドーとエネアス」の歌詞の朗読は、生き生きとしたリズム。旋律と言葉の仰天するほど完璧な密接さ。パーセルの音楽の素晴らしさを改めて実感させるものでした。・・・そして、そっと、パーセルもいいけどカンピオンも素晴らしいよ、とも。
英語の美しさと教えてくださいました。そして、本番の直前にいただいたメールには「Toi Toi Toi !」
ありがとうございました。
次へ続く