引き続きご報告します。
歌い手たちと共に、舞台を進めたのは楽器奏者たちです。ヴァイオリンのお二人はノーブルな演奏を聞かせてくれました。第1ヴァイオリン荻野美和さんは、2017年ロ短調ミサ全曲演奏会のときも協力してくださったヴァイオリニストです。歌い手たちにそわせ、ときにはリードする理知的でしかも愛情深い表現は胸を打たれました。時本さなえさんは弾けるような笑顔の素敵な方で、包み込むようなふくよかな表現で歌い手たちを支えました。
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のみなさん。この方たちを抜きにして器楽のアンサンブルを語ることはできません。音楽を低音でささえ、必要なハーモニーを響かせ、目立たずしかし力強く、音楽を引っ張ってくれました。地元富山で長く演奏を続けている阿部真紀子さんはいてくださるだけでメンバーは安心し、ご自身は若いお二人と共に演奏できるのをとても喜んでおられたのを懐かしく思い出します。
そして、リコーダーとトラヴェルソで協力してくださった丸杉俊彦さん。アンサンブル30のコアメンバーですが、今回のオペラには笛の指定はないのですが、ダンスシーンで音も賑やかに、ということで協力してくださいました。
翳りのある笛の音が入るとテイストも渋みをますというか、古楽器アンサンブルならではの湿り気のある音色がさらに濃くなる感じがしました。
そして最後に、照明プログラムにMasaki.Nさん、ステージマネージャー廣田雅史さん、字幕オペレーター飯田潤さんの協力があったことを記します。
=プログラム=
この公演は多くの方々の協賛金によって支えられました。ここに改めて感謝いたします。
アンサンブル30は今年、結成19年目。企画主催の梨ばろっこコンサートは10年目という節目の年を迎えます。コロナ禍にあった2020年、2021年と活発な活動はできませんでしたが今年は、夏に「梨ばろっこ2022ロザリオ・ソナタ全曲演奏会」を予定しております。
スチール弦のモダン楽器ではこの曲で用いられる調弦方法が不可能で、ガット弦のバロックヴァイオリンでしか演奏できない名曲中の名曲、そして難曲です。全16曲を演奏するコンサートは全国的にみてもとても珍しく、富山で活動する私たちのミサ曲ロ短調全曲演奏会、オペラ「ダイドーとエネアス」に続く記念碑的なコンサートとなるように頑張ろうと思います。
アンサンブル30を応援してくださる皆様、どうか今後ともよろしくお願いいたします。