LITALICO研究所OPEN LABへの応援、ありがとうございます。本日は12月16日(月)開催、福田智史さん、昆野祐太さん(ほか1名調整中)による第6回講義のご紹介です。第6回 障害者雇用の現在と未来 - 「自分らしさ」と市場経済のはざまで日時: 2019年12月16日(月) 19:30〜22:00(18:30開場) 場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)ゲスト:福田智史さんグリービジネスオペレーションズ代表1979年生まれ。ヤフー、NAVER Japan(現LINE)等を経て、2010年にグリー株式会社に入社。2013年に特例子会社であるグリービジネスオペレーションズ株式会社の代表取締役に就任。2016年度障害者雇用職場改善好事例優秀賞。グリーではファンコミュニティ・プラットフォーム「Fanbeats」の事業責任者を務めながら、特例子会社を通じた精神・発達障がい者の人材活用に力を注ぐ。https://greebusinessoperations.com/昆野祐太さんLITALICO仕事ナビ マネージャー1990年生まれ。遺伝子の疾患で先天性の上肢障害を持って生まれる。弟も同じ障害で、日本で2名しかいないと主治医から言われる。幼少より保健師や作業療法士の方など福祉職の方に助けていただき、社会生活ができるようになったが、成人になり、それが当たり前でなく、自分が幸運だったということに課題を感じ、新卒でLITALICOに入社。就労移行支援事業所LITALICOワークスで障害のある方の就労支援に従事。その後、センター長として事業所のマネジメント・新規事業所の開設・行政連携等の業務を実施。2017年より新規事業LITALICO仕事ナビで営業企画の立案や、インサイドセールスチームの立ち上げ、専門家や業界団体との交渉業務を担当。現在は営業部のマネージャーとして各地の営業チームを統括しながら、営業戦略の立案から推進までを担当。 発達障害や精神障害の方にも、補装具のようなものがあれば、より社会参加が進むと思い、技術を使って、当事者の方の生きづらさを解決するべく、業務に従事。https://snabi.jp/ほか、調整中(近日公開)多様性のためのコストを、誰がどう受け止めるのか自分や家族、身近な人の暮らしを豊かにしていくこと、困っている人の役に立つこと、世の中に対して問いやメッセージを投げかけること。「働くこと」を通して実現したいことは、人によってさまざまです。また、仕事を通して実現したい目標に近づくために、必要なサポートも人それぞれ異なります。必要な知識や技能を得るためのトレーニング、困った時に相談できる上司や同僚の存在、新しい挑戦をするための資金や設備。一人では難しい困難な大きい目標に直面したときに、私たちはチームを組み、会社をつくり、組織の力で乗り越えてゆきます。障害や疾患のある人の場合は、症状の種類や程度に応じた環境調整や、周囲の理解がより個別に必要になることもありますが、働く上で誰かのサポートを必要とすること、お互いの得意を活かしあって集団で大きな力を発揮しようとすることは、障害の有無にかかわらず共通していると言えるでしょう。一方で、企業をはじめとする「組織で働く」ということは、常に金銭的・物理的・人的制約の中での意思決定を求められます。障害や疾患のある人をはじめ、多様な人が安心して働いて活躍できる環境が理想だけれど、そのためのコストを誰がどのように負担するのかという問いもついて回ります。法定雇用率や特例子会社、就労移行支援といった各種制度を調整弁として活用しつつも、市場経済の中で企業はどのように多様で持続的な組織運営を実現するのでしょうか。「自分らしさ」と市場経済のはざまで 、諦めずに現実解を増やしていくOPEN LAB第6回の講義は、「障害者雇用の現在と未来」をテーマに、企業経営、就労支援、当事者のキャリア戦略の観点から3人のゲストのお話をお聞きします。1人目のゲストは、グリービジネスオペレーションズ代表取締役社長の福田智史さん。グリー株式会社の特例子会社であるグリービジネスオペレーションズ株式会社は、社員の約7割が発達障害の当事者であり、個々人の特性を踏まえた職場環境づくりに力を入れながら、仕事を通じ自律的に成長し続けられる会社づくりを目指しています。2人目のゲストは、LITALICOの昆野祐太さん。遺伝子の疾患で先天性の上肢障害を持って生まれ、幼少より保健師や作業療法士の方など福祉職に助けられた経験から、そうした支援をすべての人が当たり前に受けられない現状に課題を感じ、新卒でLITALICOに入社。就労移行支援事業所LITALICOワークスで障害のある方の就労支援に従事したのち、現在は「LITALICO仕事ナビ」営業部のマネージャーとして、全国の働くことに障害のある方と就労支援施設をつなぐ活動に従事しています。3人目のゲストは、20代半ばに発達障害の診断を受けた後、徹底的な自己分析を経て、企業で働き続けるための自分にあった生存戦略を模索、障害者採用枠にて企業で活躍される当事者の方にゲストにお越しいただきます(現在調整中)。自分の特性を理解し、必要なサポートを得ながら一人ひとりが「自分らしい働き方」を追求すること。同時に、市場経済の中で持続的に働いていくための価値を創出すること。理想と現実のはざまで、現場に粘り強い試行錯誤を続ける3人の実践者と共に、障害者雇用の未来について考えていきましょう。講義への参加方法①クラウドファンディングでの先行予約券の購入LITALICO研究所OPEN LABは、社会問題と向き合う人のクラウドファンディング「GoodMorning」にて、6/11~7/7の期間、クラウドファンディングを実施中。地域・経済格差を越え、マイノリティ当事者をはじめ誰もがオープンにアクセスできる学びの場を作るための「開講サポーター」を募集しています。開講サポーターのリターン(お礼のお返し)として、当日の講義に参加する先行予約券をご購入していただく形で、現在お申し込みを受け付けています。・第6回講義の先行予約券: 6,000円(限定20枚)・全講義のオンライン受講券: 5,000円(枚数制限なし)・全講義の参加・オンライン受講・講義の合間に開催のゼミフリー参加券: 50,000円(限定20枚)第6回講義に参加することができるチケットは上記3種類ございます。以下のサイトからリターンを選択し、クラウドファンディングのご支援という形でご購入いただければ幸いです。https://camp-fire.jp/projects/view/162982②Peatixでの通常チケットの抽選申し込み7月中には、Peatixでの通常申込みチケットの抽選を開始します。通常チケットは4,000円(限定30名)となります。追ってお知らせいたします。③スカラーシップ生としての参加こちらも、Peatixと同じタイミングで募集要項を公開いたしますが、経済的に困難な状況にあるが、ぜひ講義に参加したいという方向けに、各回人数限定・選考制での無料参加「スカラーシップ生」枠を設けております。こちらも追って公開いたします。ぜひご参加ください!-------LITALICO研究所OPEN LAB クラウドファンディング「GoodMorning」で開講サポーター募集中!オンライン講義やレポート記事・動画、スカラーシップ制度、会場での合理的配慮など、困難のあるマイノリティ当事者の方もアクセスしやすい環境整備のための資金を集めています。ぜひご支援ください。https://camp-fire.jp/projects/view/162982
合理的配慮 の付いた活動報告
LITALICO研究所OPEN LABへの応援、ありがとうございます。本日より、各回講義のテーマ、ゲスト講師のご紹介、講義に先立っての問いの共有をできればと思います。クラウドファンディングの期間は7/7まで。その後すぐに第一回講義がはじまります。本日は7/10開催、熊谷晋一郎さんの講義をご紹介します。第1回「障害のない社会」に向けた現在地と課題、そして日時: 2019年7月10日(水) 19:30〜22:00(18:30開場)場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)ゲスト:熊谷晋一郎さん東京大学先端科学技術研究センター准教授・小児科医東京大学先端科学技術研究センター准教授、小児科医。新生児仮死の後遺症で、脳性マヒに。以後車いす生活となる。東京大学医学部医学科卒業後、千葉西病院小児科、埼玉医科大学小児心臓科での勤務、東京大学大学院医学系研究科博士課程での研究生活を経て、現職。専門は小児科学、当事者研究。主な著作に、「リハビリの夜」(医学書院、2009年)、「発達障害当事者研究」(共著、医学書院、2008年)、「つながりの作法」(共著、NHK出版、2010年)、「痛みの哲学」(共著、青土社、2013年)、「みんなの当事者研究」(編著、金剛出版、2017年)、「当事者研究と専門知」(編著、金剛出版、2018年)など。「障害」はどこにあるのか。先人たちが切り開いた地平食事をする、移動をする、働く、遊ぶ、語り合う。私たちが生きていく上で抱く欲求や願い、それを実現するための行動。それらが自分の思うままに叶えられないー「障害」があるというとき、その原因はどこにあるのでしょうか。障害の原因は本人の側にある、だから治療やリハビリを通して本人を「健常者」に近づける必要がある。そのような考え方がスタンダードだった時代がありました。OPEN LAB第1回講師である熊谷晋一郎さんが生まれたのは1977年。生まれつきに脳性麻痺のあるため、自分の足で歩くことができず、物心つく前から毎日約6時間、リハビリに明け暮れる日々だったといいます。しかし、学術研究の進展と共に、世の中の認識も変化していきました。1980年に入ると、これまでの社会通念を覆す研究結果や言論が多く発信されるようになったのです。「障害というものは、皮膚の内側にあるものではない、皮膚の外側にあるものだ」という考え方、いわゆる、障害の「医療モデル」から「社会モデル」への転換が起こります。そして、自分たちはむき出しの体のままで社会に出て良い。変わるのは社会の方だと、障害のある当事者が街に出て声を上げ始めたのです。現在の障害者総合支援法に連なるさまざまな法律や福祉サービスの制定・改正、生活環境のバリアフリーやユニバーサルデザイン、身体を拡張するさまざまなテクノロジーの開発と普及。先人たちの「当事者運動」の結果、さまざまな制度や社会環境の整備が進んでいきました。そして近年では、困りごとのある当事者が、医師や支援者ではなく、自分自身が主役となって困りごとの正体を研究する、「当事者研究」というムーブメントが広がりを見せています。統合失調症等の精神障害の当事者が集う北海道・浦河の「べてるの家」で芽生えた当事者研究。熊谷さんも、自身の脳性麻痺当事者としての経験をもとにした『リハビリの夜』や、発達障害当事者である綾屋紗月さんとの共同研究である『発達障害当事者研究』を刊行しました。「自分自身で、ともに」「自分が苦労の主人公」といった言葉とともに、当事者の自主・自律の精神を体現した当事者研究の実践とネットワークは、困難の種類や地域ごとの多様性を持ちながら、全国各地で広がりを見せています。複雑化した課題と見えない不安。歴史から何を学ぶのか「医療モデル」から「社会モデル」、「当事者運動」から「当事者研究」…先人たちの挑戦が切り開いた地平に私たちは立っています。一方で、現代にはまた新たな課題が顕在化してきています。さまざまな医療・福祉制度が充実し、障害のある人が生活上の困りごとに対する支援を受けやすくなった一方、同じ障害のある当事者同士でのつながりを形成・維持しにくくなったという「ポスト制度化時代」の課題も指摘されています。テクノロジーや制度の進歩に伴い、より多様な人たちが出会い、関わりあうようになった一方で、その多様さゆえの利害の衝突、相互不信といった分断のリスクが高まるというジレンマも起きています。「フィルターバブル」と呼ばれるインターネット言論空間の分断や両極化現象は、その象徴と言えるかもしれません。そして起こった、2016年の相模原障害者施設殺傷事件。更に今年2019年に起きた、川崎・登戸の20人殺傷事件、元農林水産省事務次官による息子殺傷事件。これまで積み上げてきた歴史と倫理、そして私たちが生きる日常が足元から揺るがされるような衝撃。これは戦前の「優生思想」への揺り戻しなのか。それとも、社会全体が余裕をなくし不安に苛まれるなか、無意識下に、しかし広く浸透する「能力主義」の写し絵なのか。私たちに何ができるのか。未来に向けて、何を語ることができるのか。「答え」は見えない。それでも、ヒントは歴史の中にあるかもしれない。シリーズ第1回は、障害のある当事者を取り巻く歴史を振り返りながら、現在の課題と未来の可能性について、熊谷晋一郎さんと共に考えたいと思います。GoodMorningより先行予約チケットの購入・ご支援を受付中です。ぜひご参加ください!https://camp-fire.jp/projects/view/162982