こんにちは!SKETの利根川です。
前回の投稿でお話ししました「聴覚障がい者が多い理由」についてお話ししていきます。
ネパールでは古くから、障害は前世の罪の結果であったり、宿命や神の意思によるものと考えられています。
こういった社会通念によって、障がいをもつ子どもは、適切なケアや治療を受ける機会を妨げられているばかりでなく、障がいを恥じる両親によって、座敷牢のような部屋に閉じ込められているケースも少なくありません。(実際に建設する寮に住む子どもたちです)
その中でも特に聴覚障がい者が多い理由としてあげられるのは
文化・医療の2点によるものです。
まず文化の説明をします。
ネパールには、家庭内の成人男性がまず食事の一番良い部分を食べる習慣があります。母親は、男性の食べ残しの最善の部分を息子に与え、その残りを自分と娘で分け合います。また、ネパールの食文化は糖分が多いものばかりで、栄養価にも偏りがあります。
このような男尊女卑の文化がありました。現在ではこのようなことは起こりにくくなっていますが、一つの影響となっています。
2つ目は医療です。
小さな子供にかかりやすいおたふく風邪の合併症であるムンプス難聴なる割合が高いのかと思われます。ネパールには解熱剤がありません。ムンプス難聴になる1つの原因の「熱」を下げることが容易では無いため、割合が高くなったのでは無いかと考えられます。また、中耳炎を治す薬も手に入りにくいため治療が行えず難聴になってしまったとも考えられます。(諸説あり)
私たちは医者でも看護師でも薬剤師でもありません。子供達に直接治療はしてあげることができません。私たちにできることは子供達に明るい未来に向かう手助けくらいです。
ネパールでは柔道の普及率が高く、健常者と交わり共にスポーツをできる環境をつくることで、聴覚障がい者であっても社会に出て活躍できるように協力していきたいと思います。