2019/07/17 10:36

大学を出たら何かしら地域関係の事に携わりたいです。
少なくとも3年後には、必ず。

そう、少し恥ずかしそうに話す姿が印象的だった。

メンバー紹介の第一弾は、佐渡KANJINプロジェクトのクラウドファンディングのリーダーを努めている村山さん。

今回取材した村山さん

まずは、村山さんがどんな人なのか、聞いてみた。
現在大正大学の3年生で、出身は新潟県十日町市。小・中・高とそこで過ごし、大学進学を期に東京へ出てきた。大学では地域創生学部、地域創生学科に所属し、興味関心は『地域創生』。
村山君の通う大学は少々独特のカリキュラムを組んでいるという。

「僕らの学科は年に40日、地域に飛び込む実習があるんです。自分が振り分けられたのは、佐渡島。学生は皆、1年時に実際に選ばれた地域で暮らします」

「2年時にはその地域を販促、宣伝をリアル店舗を出して行います。これはその時の写真でお米をアピールしていますね(笑」

販促している様子。

「3年時には再び実態調査を行い、4年時に論文としてそれらの資料をまとめます。」

3年時の調査はこれからで、夏休みを利用して1年時にお邪魔したお寺へ3週間程赴くという。大学生の夏休みと言うと、長期休暇を利用して羽を伸ばしているイメージだが、大正大学の学生は実地調査に出るというからなかなかのストイックさだ。それも、村山さんの場合はお寺のため、半ば修行僧のような生活をするという。起床は6時です、と笑って答えてくれた。

その他、通年通して活動していることがある。
それが、SUKIMACHIという学生団体だ。

スキマチのメンバーと

「スキマチは地元を、首都圏に住む若い人たちに向けて発進している団体で、遊ぶ・働く・暮らすの選択肢を広げる団体です」

SUKIMACHIでは定期的にイベントを開いている。直近では7月7日に行われた、『地元好き集まらん会 Vol.12』だ。
このイベントでは、地元を発信することの他、それを聞いて興味を盛った参加者と行きたい地域をマッチングさせることもやっているという。村山さんは特に、遊びの部分が大事だという。

地元好き集まらん会 Vol.12

「まずはとにかく地方に遊びに来て欲しいんですよね。何故なら、一度来てもらえばその地域のことが記憶に残るので、仕事を辞めたり退職した時とか、次はかつて遊びに行ったあの地域で何かやろうか?など、選択肢が広がるからです。」

現在は働き方、生き方が変革している時代である。転職は当たり前のようになっており、会社に入ったからそこでずっと働く、と考えている若い人は少ない。例えばそういったライフステージの変化の際に、かつて遊びに行った『まち』の記憶が、次の定住地の候補として上がるのではないか、と考えているのだ。多拠点居住を実践してる人が多くなっている昨今、どこか拠点を盛ってみたい人に、この考え方はハマりそうだと感じた。

大学を出たらどうするのか、聞いてみた。
まだ分からないことが多いですがと断った上で、答えてくれた

「東京と新潟その二つで活動したいです。卒業後の具体的な将来像はまだ見えていませんが、時間だけは決めていて、3年後には地域というフィールドを持って何かやりたいです」

既に地域関係、特に新潟や十日町、そして佐渡KANJINプロジェクトで地域関係の活動を精力的にこなしている村山さん。私たちも、村山さんと相互に良い影響を与えあいながら、成長していきたいと思った。

最後に、面白いお話をしてくれた。
「自分、8月から家ないんですよね」

8月~10月は佐渡入りするため、今住んでいるアパートに空家賃を払うのは勿体無い、ということで思い切って解約するのだそうだ。場所から開放されて、フットワーク軽く生きたい。自分とは4歳位しか離れていないはずだが、次世代のスタンダードを見ているかのようだった。

10月以降はどうするのか聞いた。
「いやぁ、実は全然決めてないんですよね、でも、なんとかなると思ってます!」
清々しい返事に、根拠もなく村山さんなら、何とかしてしまうんだろうな、と思った。


執筆 森野航平