昨日(8月6日)、読売新聞の朝刊とNHKなどで今回の事案が取り上げられました!
アンさんが働いていた介護施設を運営する会社では、おおよそ10人ほどのフィリピン人留学生が働いていましたが、その10数人全員が、アンさんと同じように「ボランティア」という名目の無賃労働、寮費の給料からの違法な天引き、そして実際には取れていなかった休憩4時間分時間とさせられていた部分に対する未払いといった労働基準法に違反する働き方を強いられていました。
アンさんと同じように「ホツマインターナショナル」に通いながらこの介護施設で働いていたあるフィリピン人留学生は、2017年6月から2018年12月まで働いていましたが、「ボランティア」分や違法な天引きなどを合計すると、トータルで112万円もの未払い賃金などがありました。
このフィリピン人留学生の申告に基づいて調査が行われた結果、今年3月、川崎北労働基準監督署はこの介護施設のある事業所に対して、労働基準法24条および37条に違反するとして、是正勧告を行っています。24条は「ボランティア」分の未払いに対して、37条は休憩時の割増賃金の未払いに対してそれぞれ違反すると労働基準監督署は判断しました。
アンさん自身に対しても、働いていた約9ヶ月間で60万円以上の未払い賃金がありました。その後、アンさんたち留学生がPOSSEと連携する労働組合(総合サポートユニオン)に加入して会社と団体交渉を行った結果、会社は非を認めて未払い賃金などの支払いに応じました。また、アンさんを一方的に辞めさせたことに対しても会社は責任を認めました。
しかしながら、労働環境に異議申し立てをしたアンさんをフィリピンに「強制帰国」させようとした日本語学校「ホツマインターナショナル」は、未だに責任を認めていません。このままでは、「強制帰国」をさせても、何の責任を取らなくても良くなってしまいます。今回の訴訟を通じて、留学生を含めた外国人労働者の権利が守られるような前例を作っていきたいと思いますので、引き続きご支援いただけると幸いです。
読売新聞:2019/8/6
留学生の労働超過 偽装…「ボランティア」扱い 川崎の介護施設
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190806-OYT1T50076/
NHK:2019/8/6
介護施設が外国人留学生に賃金未払い 超過分「ボランティア」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190806/k10012024641000.html
沖縄タイムス:2019/8/7
留学生賃金未払い介護施設に勧告 川崎、ボランティア名目
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/455430