私たちの活動にご支援いただき、ありがとうございます。クラウドファンディングも残り9日となりましたが、クラウドファンディングの期間が終了した後も、外国人労働者の支援はもちろん継続していきますので、引き続き注目していただければと思います。
さて、先週、8月23日(金曜日)の10時に東京地方裁判所民事第4部で第一回目の裁判が行われました。しかし、被告の日本語学校側は、提出した書面のなかでアンさんの主張を全面的に否定してきました。
まず、アルバイト先の介護施設を辞めさせられた直後に退学を言い渡された件については、「被告(日本語学校)の退学勧告に応じて、原告(アンさん)が退学したこと」とし、あくまで学校側は退学を勧めただけで、本人が「自ら退学を決めた」と主張しました。
そして、退学手続き後に、アンさんが生活していた寮に男性職員が入室し、アンさんがどこにも行かないように見張っていたというこちら側の主張に対しては、寮の部屋に職員が入ったことは認めたものの、部屋では「原告(アンさん)は自由に電話をかけることができたのであり、被告(日本語学校)の職員らの行為に監禁や不法侵入などの問題があれば、ただちに110番通報や支援者らが駆けつけて救助することも可能であったが、当日そのようなことは一切なく、原告と話をした後、職員らはそのまま帰宅した。職員らに監禁と評価されるような行為はない。」と述べています。
さらに、成田空港にアンさんを連れて行こうとしたことに対して、「退学日にすみやかな帰国を指導し、空港まで付き添って出国を見届けるようにしており、本件も正当な職務行為にあたる」と主張して、学校側に問題はなかったと言います。
しかし、これらの主張は事実に則しているとは到底言えません。当日アンさんに渡された学校側が作成した資料を見ると、「退職勧告」「退学手続き」「寮出発、成田T3到着、チェックイン、成田発、マニラ着」という計画が予め準備されていたことがわかります。学校側が一方的に作成したこのプランには、アンさんの合意を取るかどうかについてどこにも書かれていません。
さらに、映像に残っているアンさんと学校職員とのやり取りを見れば一目瞭然ですが、学校側は最初から退学を前提で話を進めています。それは、アンさんの「なぜ会社を辞めたら学校もやめなくてはいけないのですか」という問いかけに対して、学校職員は「(介護施設名)と学校はセットだから」と述べていることからはっきりしています。
寮でのいわゆる「監禁」についても、いきなり退学と帰国を告げられてパニックになっている外国人が、退学・帰国を告げた職員がいる目の前で、110番などできるでしょうか?あまりに無茶苦茶な主張です。
裁判はこれから本格的にはじまっていきます。重大な人権侵害を行った日本語学校にきちんと責任を取らせるために、今後も、この裁判そしてPOSSE外国人労働サポートセンターの取り組みに注目していただければと思います。
●ボランティアを募集しています
POSSE外国人労働サポートセンターは、大学生や社会人ボランティアが中心となって活動に取り組んでいます。これから、ますます寄せられる外国人からの労働相談(電話、メール、対面)の対応や、街頭でのアンケート調査、調査報告書の作成、啓発イベントの企画・運営などは、ボランティアが集まれば集まるほどその活動の幅を広げていくことができます。
現在では英語と日本語での相談対応になりますが、今後、留学生が多い中国や韓国、さらにはこれからますます増えていくと考えられるベトナムやネパールといった国々出身の方の相談に対応するために、対応可能な言語の幅を広げていきたいと考えています。
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