■目次
・ご挨拶
・プロジェクト発足のきっかけ
・プロジェクトを通じて目指すもの
・リターンについて
・最後に
■ご挨拶
初めまして!
福岡県の中央部、小郡市というまちで荒巻養蜂場を営む横山千加子と申します。
はちみつを作り続けて1世紀。
小郡市は小さなまちですが、荒巻養蜂場はこのまちで約100年にわたって伝統の蜂蜜作りを継承し続けてきました。
養蜂家の娘に生まれ、緑豊かな小郡市で養蜂家の娘として育った私。
養蜂家を継いで14年目になりました。
業としてミツバチに向き合う中で、養蜂家として、一人の消費者として様々な課題に向き合うようになりました。
現在、環境・農業の変化によりミツバチが安全に飛び立てる環境が失われつつあります。
今回のれんげいっぱいプロジェクトはかつて有機肥料として広く植えられていた「れんげ」の種子を農家さんに配布。
れんげ畑を取り戻し、再びミツバチたちが元気に飛び回ることのできる環境を取り戻すための第一歩です。
ミツバチの為、そして地域の為。食と農の課題に向き合う小さな動きとなればと思っています。
少し長くなりますが最後までお付き合いいただければ幸いです。
■発足のきっかけ
れんげと化学肥料
早速ですが、次の数字が何の推移かわかりますか。
これは先々代と現在の荒巻養蜂場における「れんげ蜂蜜」の年間採蜜量の比較です。
養蜂家を継ぎ、数値として目の当たりにした時、大きなショックを受けました。
私がこどもの頃、田植え前の畑は一面のれんげ畑が広がっていました。
根に根粒菌を寄生させるれんげは植物にとって大切な栄養素である窒素を固定させます。
そんなれんげをそのまま土壌に漉き込めば、より肥沃な土壌に。
つまり有機肥料としてれんげは広く使用されていたのです。
しかし、このれんげ畑、現在はほとんど見かけることがなくなりました。
より効率の良い化学肥料が広く普及した為です。
安価で散布しやすい化学肥料は瞬く間に広まり、れんげ畑は姿を消しました。
この蜜源植物の減少問題は養蜂家にとって大きな課題の一つです。
ミツバチたちはかつてより存分に働くことができなくなっているのです。
その要因は土地開発だけでなく、もっと身近なところにありました。
農業そのものが大きく変化していたのです。
それから私は農業のあり方について目を向けるようになったのです。
■農薬とミツバチ
農業がミツバチに影響を及ぼすもの。
その最たるものが、農薬の散布です。
皆さんは養蜂家が農家さんへミツバチを貸し出していることをご存知でしょうか。
大切な作物の受粉作業。これをミツバチが行っているのです。
自然界においてもその受粉の大部分をミツバチが担っていると言われています。
私たちの大切なミツバチが農業に貢献する。それは大変誇らしいことでもあります。
しかし、貸し出したミツバチの中には弱ってしまうのもが多くいます。
この要因として大きなもの。それが農薬です。
農薬の使用は農業の効率化を大きく促進しました。
利便性と同時に今、人体への影響等、様々な説が提唱されていることはご存知だと思います。
その中で、養蜂家として確実に言えることが一つあります。
ミツバチはこの農薬の影響を強く受けてしまうということです。
農薬は害虫のみでなく、益虫にも影響を及ぼします。
影響を受けてしまったミツバチの死亡率は高く、中には飛びたてなくなってしまうものもいます。
直接浴びずとも、用水路の水、散布された作物。関係したあらゆるものがミツバチにとって脅威となってしまうのです。
これではミツバチたちを安全に飛び立たせてあげることすらできません。
これは養蜂家として日々、目で見て、そしてその身をもって感じている事象です。
それを知らずして飛び立っていくミツバチたち。
そして本来の仕事を果たさせてあげれぬまま、息絶えていくミツバチたち。
その姿を前にミツバチたちにとって安全な環境を作ってあげたい。
そう強く思うようになりました。
■農薬・化学肥料を望むのは…
農薬の使用はミツバチのみならず人体・自然界への様々な影響が懸念されています。
化学肥料もまた同様です。
これらの影響について養蜂家である私は断言することはできません。
しかし漫然とした不安を感じている方々がいるもの事実。
なぜこのように懸念されるものが使用され続けているのでしょうか。
それは私たちが望んでいるからだと思います。
私たちは「安くて、良い」ものを求めます。
これは当然の行動。
そして生産者は求められるものを作る為、効率的でなければなりません。
その結果生まれたのが農薬・化学肥料。
これらは農業の効率化に大きく貢献し続けています。
安価で成分が均一、即効性のある化学肥料は非常に扱いやすい。
除草剤や農薬は雑草、害虫を駆除することで農家の作業量を大きく減少させました。
これらを使用しない農作物はどうしても手間がかかり、相対的に高価なものになりがちです。
安価で、「美味しくて、綺麗な」ものを求めるのは消費者として当然の行動です。
しかし、その代償として現場では様々な影響が発現しています。
私たちのミツバチもその一つ。
その中で養蜂家としての私はどうしても問題提起をせざるを得ないのです。
ただ「安くて、良い」ものだけで良いのでしょうか。
漫然とした不安を感じ続けたままで良いのでしょうか。
■プロジェクトを通じて目指すもの
れんげいっぱいプロジェクトはこの問題に対する小さな小さな問題提起。
私が発信することのできる方々に少しでも知ってほしいと思い、スタートしました。
れんげの種子を購入し、農家の方々を中心に配布。
かつてのれんげ畑を取り戻し、ミツバチたちがその力を存分に発揮できる環境を再現。
同時にその力でできた産品の「美味しさ」を消費者さんに、そして自然そのものの「力強さ」を農家さんに「実感」してもらおうというプロジェクトです。
れんげをすき込んだ畑にて限りなく減農薬で育て上げたお米。
今もなお、そのような方法をとる農家さんもわずかにいらっしゃいます。
自然の力で育て上げたお米はやはり美味しい。
一消費者として心からそう感じています。
ひと手間かけて自然の力を借りることで美味しい作物を作ることができる。
当然、農家さんも「知って」いるのです。
しかし、そのひと手間が重い。もちろん費用もかかります。
その中で種子の購入、配布という最初期段階をお手伝い。
自然の力で育て上げ、改めてその力強さ、そしてその出来を「実感」して貰いたいというのが目的の1です。
もちろん、ただ作って実感するのみではのでは今後にはつながりません。
手間をかけ、安全性とストーリーが付加された産品。
これは他と差別化できる可能性を有しています。
そこで得たものを翌年に投資する。
その投資で得たものをさらに翌年へ。
地域の中で小さなサイクルを回し地域の力とする、一歩目を踏み出したいと思っています。
目的の2は皆様にもこれら産品の「美味しさ」を「実感」してもらうことです。
先ほども述べましたが、やはり自然の力のみで育て上げた安心して食べることのできる作物は本当に美味しいです。
そして養蜂家として、大切なミツバチの力のみで作り上げた蜂蜜には何よりの自信をもっています。
これら産品の力、食べて皆様にも「実感」してほしいのです。
そして時々思い出してほしいのです。
「ときには『安くて、良い』もの以外も買ってみよう」と。
私たちが少しずつ望めば、望まれる商品は少しずつ増えていきます。
生産者の活力と消費者の需要が現場を少しずつ変えていく。
現場が変わればミツバチはより元気に飛び回ることができます。
「安くて、良い」ものの需要が市場原理である以上、大きく変わることは無いかもしれません。
しかし知ってもらわなければ、そして臨まなければ何も変わりません。
大きな力のない私はせめて身の回りだけでも。
そして、せめて私たちが守れるミツバチだけでも。
そんな想いを込めて始まった小さなプロジェクトです。
■リターンについて
この度、れんげいっぱいプロジェクトの為、9つのコースをご用意しました。
【れんげ蜂蜜について】
皆さんは蜂蜜が採取された花々によりその風味が大きく変わることをご存知でしょうか。
れんげ蜂蜜は上品な香りとまろやかな口当たりが特徴の蜂蜜。
クセがないので様々な方々におすすめできます。
主に西日本を中心に採取される蜂蜜の王様とも呼べるような蜂蜜です。
ミツバチたちが巣の蜜蓋奥で熟成させたものをそのまま、大切に瓶詰め。
水分を飛ばすため火を通すようなことはなく、また、人口の風味を付け足すことのない。
自信をもってお届けする自然そのままの「純蜂蜜」です。
■実施スケジュール
9月初旬クラウドファンディング受付終了
10月中旬 れんげ種子配布、種まき
10月中旬~ 返礼品配送予定(お礼のお手紙、蜂蜜)
11月中旬~ 返礼品配送予定(れんげ米)
■最後に
一面のれんげ畑。
私が子供の頃見た風景です。
のどかな、そして美しい風景には人の心を動かす力があります。
この自然と調和し、作り上げた作物。
人にも安心・安全なそれは、食べて不安を覚えるものより金額以上の価値があると考えています。
そのような産品の需要が少しずつ増えていけば。
その需要が増えていくことで全国のミツバチたちがまた元気に飛び立つことができれば。
それが私の願いです。
私は一人の養蜂家。当然大きな力を動かすことはできません。
しかし、動かなければ、何も変わりません。
であるなら、私の手の届く範囲で。
せめて私たちのミツバチが元気に飛び立てるように。
このような小さな動きを少しずつ広めていきたいと思っています。
いつか日本中のミツバチが元気に飛び立てる日を夢見て。
※荒巻養蜂場では小郡市でれんげの種を撒いてくれる方を募集しています。
・小郡市内で大豆・米を栽培されている農家の方
・小郡市内で空き地等、活用していない土地をお持ちの方
・小郡市内で花壇やプランター等でれんげを栽培してみたい方 etc…
「種を取りに来ていただけること」
「5月中旬頃まで咲かせていただけること」
が条件となります。
種子ができる前に鋤き込むと来年度また一から種を撒かねばならなくなります。
空き地等は自生し、種子が残る為、大変ありがたいです。
どれだけ小さな面積でも構いません。
ご協力いただける方はお申込み時に「備考欄」にその旨をご記入いただけると幸いです。
お問合せ先
荒巻養蜂場
福岡県小郡市平方28
tel:0942-72-8837
mail: honeyhirakata@yahoo.co.jp
※ CAMPFIREでの支援方法につきましては、こちらをご確認ください。
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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